いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

子供部屋に困る!<5>(新築篇)<1人部屋と子供の自立心>

子供部屋に困る!<4>(新築篇)の続きです。

 

年の近い子供のたちの部屋割りにはなかなか頭を悩まされた。それぞれの特徴も違う。また長女の障害特性のことも考えなければならないということもあって、すっきりとした答えがでなかった。家を建てるにしても、子供たちがもう少し大きくなってからなら、それぞれの意見を聞いて間取りを考えることもできたかもしれないけれども、家の打ち合わせのときには、まだ幼児。本人たちは「1人はやだ」くらいの状態だ。みんなで遊ぶ方が楽しいし、言って終えば、年中、ボールプールみたいな場所に住みたいというのが幼児だ。まだ家というのがピンと来ていない。二段ベット、三段ベッドに最も憧れた長女も、実際、三段ベッドで寝てみたら、憧れと違うと思ったようだった。そんな子供たちの成長を見ながら、子供部屋をどうしたらいいのかと悩んでいた。

 

困ったことがあった。

 

三井ホームの住宅展示場や街中モデルハウスを巡っていると、三井さんが得意とするところの階段で上がれる屋根裏というのを子供部屋のようにしているのがあった。大人からすれば天井が低い屋根裏でも小さい子供たちからすれば十分な遊び部屋になった。当初は、屋根裏を長女のお絵描きの部屋にしようかと思ったけれども、どうやら屋根裏は子供にとって魅力的すぎるようで、長女が1人になれそうもない。屋根裏はオモチャの部屋ということにすれば、散らかし放題であっても生活には支障をきたさない。子供の玩具がリビングに散乱している光景に何度もため息が出ることを考えれば、この屋根裏は子供たちの共用のおもちゃ部屋にしたらいいのではないか、と思った。屋根裏にあるオモチャはみんなが遊んでいいオモチャだけを置くということにしよう。使い勝手の悪い屋根裏を作ると結局、使用されないままになるが、三井さんの屋根裏は使いやすいように配慮がされている。

 

子供たちそれぞれの特性に関係ない部屋が最初に決まった。子供だけの部屋だ。きっと、この子供のオモチャ部屋というのは、幼児の育児にとって必要な部屋かもしれない。

 

次に長女のお絵描きや工作の部屋を優先的に考えた。そして静かに眠りたい次女のために子供の寝室を作ることにした。三段ベッドを探して購入することにした。ここなら、1人で眠れない三女でも大丈夫だし、三段ベッドなら、一人一人の領域があることから次女も三女にくっつかれることもないだろう。次女は人に触られるのが苦手だ。自慢になるけれども、僕にはくっついてくる。今日も何故か足にしがみついていた。で、オモチャ部屋はすでにあるから、一部屋はあまることになる。この部屋は多目的スペースになっている。そうそう、子供の寝室に関しては、夫婦の寝室と壁一枚挟んで隣ということにした。万が一ベッドから落ちたとしてもすぐに気がつけるようにするためだった。また泣き声が聞こえるようにという配慮でもあるし、不安になりやすい長女が壁を叩いて僕らに不安を知らせるようにするというのもある。僕らなりにそんなことを考えた間取りだった。

 

こうして、僕らの家は、6LDKになり、計画的な間取りに、育児のしやすい環境を作り上げたわけなんだけれども、家を建てて一年近くなって、早々と困ることになった。そう、長女が、1人部屋が欲しいと言い出した。しかも、1人で眠れる部屋が欲しいということだった。これはちょっと予想外だった。そもそも長女と三女は1人で寝たくないという主張を強くしていた。2人の主張によって部屋の配置の基本ができていた。にもかかわらず、長女はもう1人で寝たいという。その理由は三女がうるさいというものだった。三女は夜中に突然騒ぎ出し、みんなを起こすために泣き出すことがある。そして朝も早い、誰よりも早く起きて、次女を起こし、寝室で歌い始める。僕も何度もその歌やその後の争いで目が覚めている。それと、長女は、どうやら、ランドセルを三女にいじられるのがイヤとも言っていた。三女は姉たちのものをいじって汚してしまったりどこかに隠してしまうことが多い。あとは自分専用の机や引き出しも欲しいらしい。次女三女がまだできないアクアビーズなどの工作をじっくりやりたいそうだった。予定よりも早いけれど、長女の部屋が必要になってしまった。

 

我が家には、いま一部屋、多目的部屋が余っている。この部屋はそもそも誰かが1人部屋が欲しいと言い出したら、最初に1人部屋として活用しようと思っていた部屋だ。予定よりは早くなったけれど、この部屋を長女の部屋にしようと話したら、長女からは拒絶された。どうやら、僕ら夫婦の寝室に隣接した部屋でなければならないそうだ。最近では壁を叩かなくなったとはいえ、壁を叩けば僕がすぐにくることに安心しているのかもしれない。それはそれで当然の主張にも思えるが、そうなると、三段ベッドを解体して、多目的の部屋に移動させなければならない。これはこれで大変だ。それに、最終的に子供たち3人にそれぞれの部屋を与えるという計画だったこともあり、一部屋一部屋は4畳ほどの狭さになっている。僕の子供時代からすれば3畳の子供部屋ですら憧れの対象だったのだから、4畳だって贅沢だけれど、4畳にベッドを入れて机を入れるともうギューギューだ。そのため、当初からロフトベッドを入れる予定でもあった。三井ホームの天井の高さをフルに活かす予定だった。

 

長女はいま、自分の新しい部屋の計画で頭がいっぱいだ。ピンク色のロフトベッドにして、ロフトの下の机には、パソコン(持ってない)、スマホ(持っていない)を置いて、ネイルアートのセット(持っていない)を置いて、アクアビーズのセット(持っていない)を並べるそうだ。椅子はクルクル回る椅子にして欲しい、電気は天使の電気にして欲しいと言っている。長女は、自分の部屋にランドセルや着替えを置いて、ぜんぶ自分で身支度をするらしい。それはそれで僕も助かるし、もしかしたら、1人部屋の効能に、自分のことを自分でやるようになるというのもあるのかもしれない。まあ、僕も弟もそういえば、雑巾を縫ったり体操着のゼッケンなど、他の男子生徒がお母さんにやってもらうものを自分でつけていたけれど、中学に上がるまでは服を畳んだり、朝の用意してくれていたのは母親だった。ランドセルの中身は2人して置き勉だった。1人部屋があると幼いうちから自主管理というのが習慣になるのかもしれない。

 

そうそう、長女の1人部屋宣言に触発されて、次女も1人部屋が欲しいそうだ。しかし、三女は1人部屋なんていらないと言っている。寝室は絶対に次女と一緒がいいそうだ。次女は嫌がっているけれども、まんざらでもないように「いいよ、一緒に寝てあげる」と言っていた。双子が1人部屋になるのは一体いつになるのだろう。