いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

クレーマーに困る!<三>(自閉症児篇)<クレーマーになるとき、クレーマーにされるとき>

クレーマーに困る!<二>(自閉症児篇)の続きになります。

 

クレーマーにされる人は、果たしてクレーマーなのか。苦情を言う人を手当たり次第にクレーマーとして対応する人もいる。しかし、クレーマーとされる人の話を聞いてみると、それはそうだなあと思うこともある。そうなると、クレーマーってなんなんだろうと思う。例えば、架空請求詐欺などを取り上げたテレビ番組などを見ていると、架空請求詐欺の人からすれば、架空請求詐欺の会社に対して金を払いたくないとか法的根拠とか、住所があるのか、とか聞いてくる人は、クレーマーだろう。もちろん、そのクレーマーにとっては、もっともな苦情なのだし、そもそも架空請求詐欺なのだから、まあ、詐欺なんだけれど。しかし、こういう架空請求詐欺の会社みたいな対応をする会社はあるし、市行政に対応にしても似たような対応をしていると思うこともある。いや、そういう会社や市の対応などを架空請求詐欺の会社が真似をしてるのかもしれない。

 

そんなことを考えていると、クレーマーってなんだろうと思うようになる。

 

困ったことがあった。

 

クレーマーとされてしまった人をクレーマーじゃない人にする、クレーム処理とはそういうことじゃないかと思っていた。もちろん、たまに、これはヤバイって人もいるから、この見極めが難しい。それに、不満や苦情をうまく言葉にできない人もいる。何が不満なのかわからないながらも、何か大事なことを言おうとしている人もいる。ヤバイ人というのは、とにかく猜疑心だらけで具体的な事例も話してくれなければ、名前も教えてもらえない。苦情などの連絡で相手の名前を聞くのは、きっとこの見極めをしているからだと思う。商品を送るような仕事のときに困ったのは、住所を教えてくれない人たち。これはもう、何も具体的なことや必要なことを教えてくれないのだから、クレーマーというよりも、何をしたいのか分からない感じだ。不特定多数と交わることが困難な人なのかもしれない。「ハム工場の裏だよ!」と叫ばれて困ったりしていた。きっとハム工場の裏に住んでいるのは具体的な事実なんだろうけれども、どこのハム工場なのかは教えてくれなかった。ハム工場が日本に一つしかないのであれば、僕の落ち度かもしれない。

 

どういう人がクレーマーでどういう人がクレーマーじゃないのか。

 

僕の経験上、具体的なことを述べる人はクレーマーとは言えないと思っている。逆に言えば、ぼんやりとしたことばかり述べる人はちょっと怪しいと思っている。もちろん、言葉が苦手な人というのもいるから、具体的というのは言葉で適切に表せている人という意味ではない。言葉が苦手な人でも質問をしていけば、具体的な苦情の理由が出てくるものだ。何を聞いてもぼんやりとして誤魔化しばかりで矛盾が多い人は、どれだけ言葉が明晰であってもクレーマーと言っていいと思う。

 

そして僕がクレーマーになってしまった話だ。

 

僕にはクレーム担当だった経験も多いというのもあって、苦情などを言うときには、とにかく具体的に説明することを心がけている。そのせいか、これまで、これおかしいな、と思って苦情をして解決しなかったことはほとんどない。しかし、揉めることは多々あった。僕が働いた職場にもよくいたけれども、電話対応が多い仕事などは、苦情をする人はクレーマーだと思い込んでいる人というのも一定数いるというのもあって、クレーマーが大量生産されてしまうというのもある。また、正当な苦情であったのに最初の対応でクレーマー扱いしてしまったせいで、元々の解決可能な苦情が、対応に対する苦情と、問題のある対応を誤魔化したことへの苦情になり、今度はその苦情を放置したことへの苦情へと発展し、最終的には隠蔽したことへの苦情となる。雪だるま式に苦情が大きくなってしまう。

 

例えば、引越しのときに、荷物が紛失したとする。荷物がないです、という電話をする。で、確認ということになって、荷物の紛失は確認できなかった、作業員も点検したと対応される。これだと客の落ち度か引っ越し屋さんの落ち度か分からない。そんなとき、以前の引越し先付近に荷物が放置されていたなど、紛失や積み忘れの証拠が見つかったら大変だ。最初は、問い合わせだったはずが、今度は、引越し屋さんが嘘をついたということになる。ここで謝罪などをすればまだいいけれども、それでも不信感は生まれてしまう。ときには、この状態でも誤魔化そうとする引越し屋さんもある。引き下がる客も多いだろうけれども、引き下がらない人だと、もう大変だ。

 

苦情に対して、嘘や誤魔化しをする人の心理はなかなか計算高い。多くの苦情が嘘や誤魔化しが多いと判断している場合は、苦情の対応も嘘や誤魔化しでどうにかなると思っている人もいる。性善説で生きていきたいものだけれど、社会はそんなふうにできていないのだから困ったものだ。

 

僕がクレーマーになった話をするとか言いながらまた脱線してしまった。

クレーマーに困る!<四>(自閉症児篇)に続きます。