駐輪場に困る!<上>の続きです。
名古屋のURで掃除などを委託している会社はよくサボる。サボるのはいいけれども、サボるやり方をもう少し洗練させてほしいと思ったら、なんだか昔のバイトのことを思い出してしまいました。
困ったことがあった。
話は変わるけれど、20歳くらいのときに働いていた飲食店でのこと。その飲食店はチェーン店で、社員は店長一人しかいないような店だった。店長はいろんな仕事をバイトに任せていて、基本的には事務所にいた。バイトを立たせたまま説教をしているか、シフトを見ながらなんか文句言っている人だった。いつでも事務所に行けば店長がタバコを吸っていた。この店長のゆるさを利用して、僕は僕で休憩なしにしてもらったり、残業をさせてもらったりして、結構稼がせてもらっていた。20歳くらいだったから休憩がなくても平気だったし、暇な店だったから、休憩なんかしなくても、厨房で座っていられる時間も結構あった。
この店長を嫌っているバイトは多くて、よく陰口を言われていた。まあ、陰口たたかれて当然のような人でもあった。
「あの店長は何もしねえよなあ」
「店長はいつもタバコの吸い殻を作ってますよ!」
と、そんな気の利いたやり取りをして場が和んだりしていた。
なんでこんな話をしたかというと、そうなんです。仕事をしない人というのは確実にいるということなんです。仕事をサボるとか手を抜くというのは誰しもやることだと思うし、僕も、サボりは労働者の権利だと思っているから、サボったり手抜きを責めるつもりはない。第一、多少サボったりしないと長続きしないものだ。ただ、サボりというのもコツがある。バレるようなサボりはダメだというよりも、バレても笑ってすませられないようなサボりはするべきではないというのが、僕が学んだことだった。
UR団地の一つの棟を週3回掃除することになっていたら、週に1回くらいはピカピカにして、あとの2回は手抜きをするくらいがサボりとしてはちょうどいい様な気がする。ゴキブリの死骸が1ヶ月とか2ヶ月とか放置されることはないだろう。掃除を1ヶ月単位でサボってしまうのは、さすがにバレるし、バレたときに笑って許してくれる人はいないと思う。
あとは個数が出るものを誤魔化しちゃいけないというのもある。
先ほどのサボり店長のいる店では、廃棄するご飯とか食材があったりすると、ゆるい店長の目を誤魔化して、賄い代わりに食べたり、持って帰ったこともあった。飲食店で働いた人なら誰しもやっていることだと思うし、その程度のことを厳しくすると、やりきれない思いがする。たまに厳しいお店があったりして、そんなところはすぐに辞めた方がいい。厳しさをどこに向ければいいのか分かっていない経営者なんてサボるバイト以下だと思う。
その店で、個数の出る物を隠れて飲んでいるバイトがいた。ビールだった。ビールの廃棄なんて滅多にない。何年も放置されていればあるかもしれないけど、僕が知る限り、ビールが廃棄されるお店など見たことがない。そして、ビールは個数が管理されている。古くなった炊いた米や解凍済みの鮭だって数量は管理されているかもしれないけど、働いていればどれくらいが廃棄されるのかも分かるし、廃棄される物をゴミ箱ではなく一部を自分の胃袋にしているくらいだから、悪いこととはいえ、まだ、笑いながら叱られる程度で済む、20歳くらいの若者であれば、そんなに金もなくて腹が減っているのか、と言われて、勤務じゃないときにも来てタダ飯を食っていいとか言われることもある。実際、そんなことを言われて、シフトにない日でも飯だけ食わせてくれた飲食店もあった。
しかしビールはだめだ。個数が出るやつは許しちゃくれない。そのときの犯人探しのことも思い出してしまったからついでに書いておこう。
不正がバレるときはだいたいやりすぎだという話は<下>に続きます。ビールを盗んだのは誰だ。