いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

キッチンに困る!<下>(新築篇)<性能と収納は、自分たちの生活とのバランスだと思う>

キッチンに困る!<上>の続きになります。

 

キッチンハウスさんの高額なキッチンに惹かれてしまって、自分との戦いが始まりました。そんなこんなで、

 

困ったことがあった。

 

妻の目的は洗面台だった。一条工務店さんの洗面台はもはや要塞だった。かっこいいと思ったし、僕のお気に入りだった。だけど、妻はあの圧迫感にひいていたそうだ。妻に言いたいことがあった。洗面台にいろいろと物を詰め込んでいるのは妻で、僕の物なんて、歯ブラシと髭剃りくらいなものだ。洗面台は妻の物でギュウギュウになっている。だから一条さんの圧倒的な収納力がある洗面台が欲しいと僕は思っているということ。

 

しかし、妻は洗面台もスッキリしたのがいいということだった。そして紳士と相談した結果、その場にはない洗面台で、妻が憧れていたタイプの洗面台をつけることにした。横に長くて、洗面の場所ともう一つ座ってメイクなりなんなりできる場所があるタイプの物だった。3人姉妹の我が家にはその方がいいのかもしれない。2階の洗面台は普通の洗面台にした。

 

妻は一条さんの住設が苦手みたいだ。機能的だし、収納も多くて、そして重厚さがある一条さんの住設。これはもう好みの問題だ。

 

機能と収納。それはとても大事なことだ。しかし、考えてみると、キッチンの収納にしても、毎日の家事の中で、よく使うものとそうでないものがある。よく使うものだけがちゃんとしまえるのであれば、なんでもかんでもキッチンに収納する必要もない。一条さんの収納力はすごいけれども、キッチンハウスさんの収納だって十分な収納だった。一条さんはちょっと過剰と言えなくもない。これは洗面台に関しても言えることだった。

 

性能や設備を考えると、ついつい、不安というのもあるからか、過剰にしてしまうことがある。過剰設備を施主が判断することは困難だろう。数年住んでからじゃないと分からないかもしれない。何が自分たちに合う物なのかは、なかなか分からない。革靴一つとっても数年履かないと合う合わないは分からない。革は伸びるし、メンテ次第で変わる。

 

僕が一度目に建てたときにも、キッチンは収納力を目指して作ったものだった。収納が多過ぎて、ちょっと片付けを怠ると、あまり開けない収納は物で溢れかえっていた。あと、吊り戸棚の最上段は手前まで下ろせる仕様にしていたけど、なんだかんだと使わなくなっていった。目で見えないところに閉まっても、結局、人って何をしまっていたか忘れるものだ。あの収納力は無駄だったような気がする。必要ないものを溜め込むだけだった。

 

キッチンハウスさんのキッチンは、そんな僕の過去を見てきたかのようなスッキリさだ。すべて目の届く範囲に収まる感じがいいし、収納の役割もハッキリとしていた。

 

それと食洗機。標準型と深型の話がよく出るけれど、深型の方がいいのはよくある話。食洗機は深型にしようと思っていた。最初に建てた家でも深型だったと思う。あと、僕の要望としては、引き出すタイプではなくて、蓋が前にバタンと開けるタイプにしたいというのがあった。

 

一度目に建てた家では、食洗機本体を引き出すもので、これはこれで初めての食洗機だったから便利に思えていたけれども、アメリカで使っていた食洗機は蓋が前に倒れてくるものだった。何が違うかというと、掃除とメンテのしやすさが違っていた。蓋が前に開くタイプの物は外国製で、これも何が違うかといえば、日本製は乾燥機能があって、外国製には乾燥機能がないというものだ。

 

両方ともメリットデメリットがあるけれど、乾燥機能付きの場合は、食器についた米なんかが乾燥してしまったりして再度洗うのが面倒だったという記憶もある。アメリカで使っていたやつは食洗機で洗ったあとすぐに使おうとしたら濡れているけれど、夜に食洗機にかけて、朝使う分にはそんなに不便を感じなかった。乾燥のせいでこびりつくということもないし、ある程度、汚いままの食器を入れても、掃除もしやすいというのもあって、楽だった。

 

そんなことから、僕は外国製の前に開く食洗機にしたい。

 

キッチンハウスのキッチンであれば、外国製の食洗機が付けられた。ボッシュの食洗機だ。大容量の食洗機だから、5人家族でもいけるだろうというのがあったけど、なんとこのボッシュの食洗機、乾燥機能がついていた。乾燥機能といっても、温風で乾燥させるのではなく、鉱石を設置して乾燥するという未来なんだか原始なんだか分からない方法だった。

 

どきどきしてしまった。鉱石で乾燥させるなんて考えたこともないし、このタイプは使ったことがない。+35万円くらいしてしまうけれども、このときめきをどうしたらいいのだろうと思った。

 

キッチンハウスは予想を超えていた。それでいて使用する上で僕が求めていた基本的なことは満たしてくれていた。

 

きっと妻の洗面台もそういうどきどきがあったんだろう。妻は紳士Sさんが調べてくれた洗面台に夢中になって、どんな鏡をつけようかと調べている。僕は僕でボッシュの食洗機を何度も開けて調べていた。

 

これが三井のやり方だ。つぎつぎと素敵な物を紹介して、オプションに次ぐオプションで高くなってしまうという現象。幸せは常に何かを犠牲にする。

 

「とりあえず、僕らの要望を全部入れると、とても高くなってしまうと思うのですが、その状態での見積もりが欲しいので、キッチンや洗面台などの要望はモリモリの状態で見積もりを出してもらっていいですか?」

 

と紳士にお願いした。

 

三井さんとの打ち合わせのあと、実は、一条さんに会うことになっていた。宿泊体験が予約でいっぱいだったので、泊まることはできないけれども、見学だけということで、三井さんの打ち合わせのあとに、迎えに来てもらって一条さんの家を見に行った。