いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

システムベッドに困る!<5>(主夫篇)<腰痛必至のシステムベッド1人組み立て>

システムベッドに困る!<4>(主夫篇)の続きになります。

 

長女の部屋を作るために、まずは、長女の部屋予定地にある変則三段ベッドを解体し、隣の部屋に移動させ、そしてまた組み立てなかければならない。この変則三段ベッドにしたって、一年前に運送のお兄さんたち2人で組み立てたものだ。それを、四十路を超えた、ガタイだけがいいおっさんが1人で解体から組み立てをやるのだから、面倒な気持ちになるのも仕方ない。なんだかんだと理由をつけて、長女の部屋作りを延期していた。しかし、毎夜のように自分の部屋の進捗が気になる長女の「お部屋の話」に罪悪感を覚えるようになって、長女の部屋のために変則三段ベッドを移動させた。少し腰が痛くなった。

 

困ったことがあった。

 

この間に宿泊する来客などもあり、長女の部屋は作れずにいた。また、僕がうだうだとしている間に、長女が欲しかったシステムベッドのカラーが品切れになってしまって、次回入荷が6月というお知らせがあった。長女は6月まで待つなら、違う色にしたいということだった。どうやら、その違う色も気に入っていたようだった。違う色なら、希望日に送ってもらえそうだというのもあり、来客もなく、僕の予定も開けられる日を到着日にして注文した。

 

このシステムベッドには、組み立てサービスなるものがなく、2人以上での組み立て、というもので、まあ、組み立て家具は大体2人以上と書いてあるものさ、と今まで多くの組み立て家具や、2人以上と言われるものを1人でやってきた僕は、大変だろうけれども、どうにかなるさ、と楽観的に考えていた。変則三段ベッドだって、結局は1人で解体から組み立てまでやったじゃないか、とつい最近の成功体験で余裕こいていたというのもあるし、先輩だって1人で組み立てたんだから、僕もきっとやれるさ、とか思っていた。

 

それに、というのもあるけれど、2人以上と言われる家具を組み立てるときに、妻が戦力になったことはない。ガタイも違うというのもあるけれど、こういう家具や工作というのは、なんというのか、慣れというか勘みたいなものがあって、息が合わない人とやると、余計しんどいというのがある。このところ、よく遊びに来てくれている僕の友人にしても、そもそもの空間把握能力が低いというか、認識のズレが多いタイプだから、こういう組み立て家具などを手伝ってもらうことはできない。いい年になってくると、こういうことを頼める友人が意外と少ないことに気が付く。それに、年齢がいくと、腰を痛めるリスクがあることを友人に頼むのがなんとも申し訳ない気持ちにもなる。これが歳をとるということかもしれない。

 

朝一番に近い便で、システムベッドが届いた。段ボール7箱で、どれも大きく、重い。これはやばいかもしれない、と思った。運送の兄ちゃんに、「これ、これから1人で組み立てるんです」と言ったら、笑いながら「腰、気をつけてください!」と激励された。僕はすでに腰痛用のサポーターを装着していた。これがあるかないかで結構変わる。

 

システムベッドのダンボールの7箱のうち、3箱は棚だった。組み立てながら、このシステムベッドに組み立てサービスがないことがよく分かった。棚は細かい作業が多いからだった。スライド式の引き出し金具も自分でつけるタイプだった。棚だけで5時間くらいかかってしまった。

 

5時間かかったとはいえ、まだ棚だけだ。そして、この棚がベッドを支える柱にもなる。長女はこの数ヶ月、自分の部屋ができることを楽しみにしているのだ。休んでいる暇はない。妻の心配そうな顔を尻目に、黙々と頑張っていた。作業中の部屋には入ってきてはならないと鶴の恩返しみたいにしながら、次々に仕上げていく。実際には、金具や木材もあるから、子供たちの立ち入りを禁じていただけなんだけれども。

 

ベッドなどの長物を組み立てるときには、2人以上で組み立てた方がいい。それは簡単な理由で力というよりも、支えてくれる人がいるかいないかでやりやすさが変わるからだ。それは分かっているけれども、分かっているけれども、1人でやるしかない状況もある。ちょっと持ってて、と言っても、ちょっと持っている意味が伝わらないことだって多くある。そんなときには、両手と両足を使った方が人に頼むよりも素早くできることもある。大変は大変だけれど、やれなくはない。今回は、食器棚よりも、二重スライド本棚よりも、ちょっと大変だったくらいだ。

 

どうにかこうにか、ベッドができた。あとは、学習机だ。これも引き出しがありやがった。そして、8時間くらいの作業のせいなのか、天板がやたら重く感じる。すでに腰が痛いような気もする。きっと明日は腰痛だろう、と覚悟を決めて天板を持ち上げていた。

 

システムベッドは完成し、部屋を綺麗にして、前日に届いた椅子を組み立て、空気清浄機も配置した。双子の部屋から長女のマットレスと布団も移動し、双子の部屋の変則三段ベッドの一番上に、三女のマットレスと布団、二段目に次女のマットレスと布団を移動させ、エクストラベッドを綺麗に変則三段ベッドの下に収納し、そして最後にまた綺麗に掃除した。ちなみに、システムベッドや椅子、空気清浄機などが梱包されていた段ボールや発泡スチロールは、開梱の度に片付けている。そうでもしないと作業はできない。

 

子供たちを新しくなった部屋に招待した。三人姉妹の笑顔とはしゃぐ姿に報われた気がした。この笑顔があるから頑張れたのだ、と思いながら、明日以降に訪れる腰痛を覚悟していた。次女が、自分にも同じベッドを作って欲しいと言ってきた。でも、三女が1人で寝るのやだって言ってたよ、というと、三女まで、1人の部屋が欲しいと言い出した。いやあ、これキツイです、と言ったら、小学生になるとお勉強するからお部屋があるんだよ、と助け舟を出してくれた。双子が小学生になるということは、あと二年後に同じ作業を2回やるのかと思ってクラクラとした。

 

翌日、やはりキツめの腰痛になった。ぎっくりにならないだけマシというレベルだ。

 

仕事の先輩に、システムベッドを作って腰痛になったと報告した。「え、1人で組み立てたの? 私は業者にお願いしましたよ」ということだった。まあ、うちのシステムベッドはニトリのとは違って組み立てサービスがなかったから仕方ないことではあるんだけれども、便利屋さんとかそんな業者にお願いしても良かったかもしれないとか腰痛になってから思った。妻は笑いながら、「組み立て費用だそうか?」と私のお小遣いを増やそうとしてくれた。翌日、近所の段ボール回収の場所に大量の段ボールを持って行った。いつも思うんだけれど、なぜ、段ボール回収のボックスって、段ボールを畳まずに捨てている人が一定数いるんだろう?