いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

冷蔵庫に困る!<上>(主夫篇)<冷蔵庫を開けてしまう人たち、僕も>

「お呼ばれされるのも、するのも、なかなか難しい」

 

困ったことがあった。

 

我が家は、小さい子供が多いからというのもあるけれども、お友達の家に遊びに行くことよりも、遊びに来てもらうことの方が多い。県外や国外に住んでいる友人家族が多いというのもあるかもしれない。家に友人たちが来るのはいやじゃないというよりも、僕も妻も、そして子供たちも友人たちが遊びに来てくれるのは好きだ。しかし、好きとは言っても難しいことがある。

 

人の家に遊びに行くときに気を付けることがある。大人であればそれはある程度共通しているし、ときどき酔っ払ってご迷惑をかけてしまうこともあるけれども、中には酔いすぎないように気をつけている方もいるだろう。僕は結構、酔いすぎてしまってご迷惑をかけてしまうことがある。反省している。大人が友人の家でご迷惑をかけてしまう場合は、失敗といわれる類になる。とくに酔っているときに失敗してしまうことがある。

 

しかし、子供の場合は、失敗というよりも、分からないということから起こってしまう。

 

僕は子供の頃、とても貧しかったからなのか、根がすこし浅ましいというか、しつけのなっていない子供だった。豊かな友人の家に行くと、おかしやジュースをもらって、たくさんのオモチャに囲まれたり、ゲームなどを一緒にやったりとこの世の天国を味わうことが多かった。だんだんとおかしやジュースのおかわりを要求したり、ゲームも友人を差し置いてやっていたりして、いま思い出してもちょっと引く思い出だ。

 

そんな中でもやっちゃいけないことというのがあって、ドアが閉まっている部屋を開けないとか、冷蔵庫のドアを開けないとかいうもので、ドアを開けることに対しては、やっちゃいけないという気持ちがあった。トイレに行くときには声を掛けるものだと思っていたし、友人の物以外は触らないようにしていたものだった。泥棒だと思われないようにしていただけかもしれないけれど。

 

もちろん、他の仲間の中には、冷蔵庫を開ける、おもちゃを持ってきちゃうというやつもいた。ドアも開ければ、保護者の物をいじるやつなんかもいた。そしてそれは僕の仲間だった。そうして、そんな仲間と共に僕も裕福な家から出入り禁止にされてしまった。

 

そう、お金に絡む事件も何回かあった。僕にしても、弟にしても、それに貧しい環境の仲間にしても、お金というのはなんかやべえ物だという認識があったから、お菓子やおもちゃを持ってきてしまう奴はいたけれども、お金を盗むというのはあまり聞いたことがなかった。僕が覚えているだけで3回ほどお金が紛失したという事件があった。そしてその3回とも、そこに住んでいる子供が盗んでいた。子供の嘘がバレやすいのは、大人のように嘘で明らかになっても誤魔化すことがないからかもしれない。大人は嘘がバレても誤魔化すからタチが悪い。

 

子供の中でもやっていいことといけないことというのは一応ある。でも、この子供というのは小学生くらいの子供のことで、未就学児童になるとその区別は分からない。

 

そういえば、大人になっても勝手に冷蔵庫を開けたり、食べ物を漁ったり、物を持っていっってしまう人というのがいた。きっと、あれは何かの病気なのだろう。

 

アメリカから戻ってきて、幼児と乳児2人を抱える我が家に、弟の家族がやってきた。弟夫婦にも子供3人いた。上が中学一年生の女の子、真ん中が小学3年生の男の子、下が4歳の男の子だった。一緒に遊んでいたら、4歳の男の子が、2歳の長女のおもちゃを目の前で破壊していた。長女は呆然としながらなぜか半笑いみたいな顔をしていた。4歳の男の子というのはこんな感じなんだろうと思った。

 

そして今度は、小学3年生の男の子が、うちの冷蔵庫を開けてジュースをこぼしていた。食べ物もしきりに漁っていた。これは、と思って、叱った。「親戚とはいえ、人の家の冷蔵庫を開けてはならない」とちょっと強めにいった。「でもパパは開けているから」、「君のパパには、開けていいって言ってある。君には言ってないし、こうやってこぼしているじゃないか」とかそんなやりとりがあった。

 

弟からは、「いまはさ、なかなか叱ってくれる人がいないから、兄ちゃんに言ってもらってよかったよ。もしかして、こいつ、他の家でも冷蔵庫を開けたりしてないか心配になったけど」と言われた。そう、子供が外でどんな風に振る舞っているのか、親は意外と知らないものだ。僕にしても、弟の子供で、赤ちゃんの頃から知っているし、クリスマスには毎年プレゼントをあげて、お年玉もあげていたような甥っ子だから言えたというのもある。

 

そんな甥ですら、マナーというかしつけについて叱るのは難しい。それに、僕にしても子供の頃は、そんなにマナーのいい子供ではなかったものだから、子供にマナーのことで叱るのもなんだか気が引ける。気が引けるけれども、考えてみれば、人の家にあがるときには、裸足はダメとか、上着が雨で濡れていたら玄関などで濡れた上着をどうすればいいのか聞いたりするというのは、教わったというか叱られて気を付けるようになったと思う。冷蔵庫を開けないとか、勝手に食べ物を食べないとか、寝室のドアを開けないよりは高度なマナーかもしれない。

 

冷蔵庫に困る!<中>(主夫篇)に続きます。