いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

ベランダに困る!<下>(新築篇)< Lucasのスカイラナイはとてもいい!>

ベランダに困る!<中>(新築篇)の続きになります。

 

ベランダ不要論を唱えながらも、結局は、ベランダをつけることになった。しかし、それはただのベランダではない。ただのベランダではないというのは実用性から導かれたベランダではないということだ。ベランダにベランダ以外の目的を見つける。そんなことから僕はベランダとつけることになった。ベランダを超えたベランダ。ベランダと打ち込みすぎて、なんだかラベンダーと書いているような気もしてきた。

 

困ったことがあった。

 

 Lucasのスカイラナイはそんな設備だった。

 

スカイラナイは、2階リビングに面した場所に半野外の空間を作る。そう、スカイラナイとは、でっかいベランダだ。オシャレに言えば、ルーフバルコニーってやつだ。それをさらに気取っていうとスカイラナイというやつになるという仕組み。屋根があるから直射日光もそこそこ凌げる。それでいて、スカイラナイの屋根には、天窓もついているから、直射日光を避けても暗くなることもない。そもそも半分野外だから明るい。

 

スカイラナイにプールを設置すれば、子供はプール、大人はリビングやダイニングからビール片手に子供の遊ぶ姿を見ることができる。快適な夏を子どもも大人も過ごせるすぐれもの。それに、あまりやる気はないけれども、「BBQをやれますね!」と外構の営業さんに何度も言われたくらいだから、BBQもできてしまう。BBQにしても、キッチンとダイニングに近いスカイラナイなら、外と内の行き来も楽だ。3人の幼児を連れてアウトドアで大変な思いをするくらいなら、スカイラナイとやらでお外気分を味わうのも悪くないんじゃないか、などと思うようになった。

 

「スカイラナイなんて言っても、ベランダですからね。混合水栓をつけてもプールなんて年に2、3回くらいしかやりませんし、子供はすぐにおっきくなっちゃうから、すぐに使わなくなりますよ」

 

と、僕らのスカイラナイに描いた夢を潰しにきたのは、三井さんの設計士さんの1人だった。悪気があってそう言ったわけでもなく、ただ、図面を見ながら、配管のことを考えてくれたり、予算のことを考えてくれた上で、スカイラナイと、そこに混合水栓をつけるという僕らの希望が、費用がかかる割には、そんなに長く使わないんじゃないか、ということを親切に言ってくれただけなんだけれども、その言葉に、妻が燃えてしまった。

 

「年に2、3回でも、ほんの数年だとしても、スカイラナイで子供をプールに入れたり、そこで食事したいんです。憧れですから。」

 

妻の強い要望だった。

 

ベランダ、いやスカイラナイをつけない理由なんて、いくらでもある。設計士のおっちゃんが言うように、年に2、3回、子供のためだとしたら、ほんの数年でしかない。それに予算も上がるし、洗濯物を干さないのだから実用的な意味もない。メンテナンスの手間も少しはかかるし、雨漏りのリスクだけじゃなく、防犯上のリスクも少しは上がる。BBQにしても、半分外の食事にしてもそんなにするわけじゃない。いわゆる費用対効果としてあまりよろしくない。だから、いらない、かといえば、それでもいる、ということになった。

 

家づくりで後悔するのは、便利だと思ったら便利じゃなかったとか、費用対効果がいいと思ったら、そもそもいらなかった、というものだろう。ケチりすぎて後悔した話というのもあるし、うちでももう少しお金をかけてもよかったと思う部分がないわけでもない。しかし、憧れの一つや二つは、費用対効果とは関係なく検討していいと思った。

 

そしてこの夏、スカイラナイは大活躍だった。毎週子供たちが遊んでいる。プールは隔週だけれども、お友達も来て遊んでいる。親たちはスカイラナイに面したダイニングでビールを飲みながら話している。楽しい休日を過ごしている。庭でプールだったら、1人か2人が子供の番をしなければならなかったかもしれない。そうなると、プールをやろうと思う日も減っただろう。

 

それと、スカイラナイは子供たちだけが使うわけじゃなかった。僕や妻は家で仕事をすることが多い。そんなときの気分転換で、スカイラナイにある椅子に座って仕事をしたりする。公園のベンチでゆっくりするような気持ちだ。そういえば、僕は公園のベンチでよく本を読んでいた。

 

ベランダはいらないかもしれないけれど、大きなベランダならライフスタイルに合わせてあってもいいかもと思った。ベランダは合理性で選ぶのではなく、別の基準で選ぶようになっているのかもしれない。

 

困ったことは、スカイラナイの特性上、半分外で半分内というコンセプトなものだから、床面をどうしたらいいのかを決められなかったことだ。外だと思うなら石っぽいタイル、部屋の延長にするのなら木目調、大きくはこの二つだけれども、いまでも迷っている。