いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

家事動線に困る!<上>(新築編)<間取りは家事動線が大事というけれども>

「プライベート動線というのもある気がした」

 

困ったことがあった。

 

家事動線というのがある。家事をする際の動きのことだと思うけれど、家事にはどんな動きがあるのだろうか。

 

家事といえば、食事、掃除、洗濯、買い物あたりがメインになる。これをやるだけで大変だ。掃除の場合はキリがない。どこまで掃除するのか。風呂場、トイレの掃除、玄関の掃除やベランダの掃除は毎日できない。そうなると家事動線で主に考える掃除というのは毎日やるようなちょっとした掃除のことかもしれない。とはいえ、掃除に家事動線があるかどうかも僕はよく分からない。生活の同線を追うように掃除しているのだから、迷路みたいな家じゃない限り、掃除は家事動線の中にはそんなに含まれないのかもしれない。それに、新しい家ではお掃除ロボットを買う予定だ。どれを買うかずっと迷っている。

 

掃除を除いた家事の動線を考えてみよう。

 

買い物、そして料理、その後のゴミ捨て。この動線は大事なような気がする。外で買い物しようが、宅配で頼もうが、買い物は玄関からやってくる。そして食材などは冷蔵庫がある台所に運ばれる。料理などをして出た生ごみはキッチンにあるから、ゴミを捨てるときに窓から放り投げるようなスタイルを採用していない場合は、ゴミを玄関まで運ぶ。

 

そうなると、玄関からキッチンの距離は大事のようにも思えてくる。最短ルートでやるのなら、玄関の隣にキッチンがあるべきだ。隣は行き過ぎにしても、玄関から程よい距離にキッチンがある方が家事動線は楽になるだろう。2階リビングなんてお話にならない。

 

ということになるのだけれども、うちは2階リビングを選んだ。キッチンは玄関から最も遠い場所だ。

 

最もらしい理由があるわけじゃない。ただ、1階に子供たちの部屋を作りたいと思ったというだけだ。いまは「お父さん大好き」とか言ってくれている子供たちだけれども、やがて「親父だりい」という時期もあるだろう。僕の顔を見たくないということもあるかもしれないし、親に内緒でいろいろとやりたいこともあるかもしれない。そんなときに、親の顔を見ないで済む動線も必要になるのではないだろうか。

 

僕は小さな頃から家を出る18歳まで、自分の部屋はおろか、子供部屋というのもなかった。いわゆる狭小住宅というところで育ったため、家の中で親や弟の顔を見ないで過ごすというのはできなかった。そんなこともあったからなのか、中学生くらいからたびたび外泊するようになっていた。世間で言うグレている子みたいなものだった。小学3年の頃から宿題は未提出、試験勉強などもしなかったのは極少住宅に住んでいたことだけが原因じゃないけれども、子供心にやりたくないことをやれないことだと正当化する理由として「宿題をする場所がない」という逃げ道があった。

 

こんな話をすると二宮金次郎に代表される苦学した人の話を苦学していない人からされることがある。もちろん、そんなときはニヤニヤと傾聴させていただく。ちなみに、僕はお外でも教科書や参考書の類を持ち歩くタイプのグレ方で、宿題や試験勉強はしなかったけれども、教科書を読むのは好きだったので、公園や友達の家などで教科書を読んでいた。数学の参考書も面白かったので、高校生のときには毎日1問解くというのを自分に課していた。仲間と屯ろしながら、1人で参考書を開いている変なタイプだった。

 

話が逸れてしまったけれども、僕の子供時代の夢は、自分の部屋が欲しい、親の顔をみないで過ごせる日が1日でも欲しい、裸を見られないように着替えたい、とか、とにかく1人になりたい、1人の時間を過ごしたいというものだった。18歳で家を出て、一人暮らしをして最初にしたのは裸になることだった。裸でしばらく過ごして、好きなだけ読書ができる喜びに浮かれた。裸族ではないのだけれども。

 

そんな子供の頃からの夢を叶えようとしていると、いくつか間取りに制限ができてしまう。

 

子供が3人もいるのに、それぞれに個別の部屋を作ること。これは絶対だ。で、子供部屋からトイレも近くないといけないし、それに付随して、洗面台も子供部屋の近くにあった方がいい。子供にしても洗面台を使う用事が多感な時期になればなるほど出てくるだろう。こうなると、子供にとってリビングというのは、小さいときには遊び場かもしれないけど、大きくなったら、わざわざ出てくる場所になるのではないだろうか。大きくなった子供がリビングに出てくるのは、悩みがあるか、親へのサービスとかかもしれない。そんなリビングの使い方もいいかもしれない。リビングは子供と親の相談所になればいい。

 

子供を強制的にリビングに寄らせるリビング階段というものや、家族が半強制的に集う場としてのリビングは、僕のような出自の人間にはちょっとまぶしすぎた。

 

家事動線に困る!<下>(新築編)に続きます。