ベランダに困る！＜上＞（新築篇）の続きになります。
2度目の家づくりということもあって、1度目で後悔したことはやらないようにしようとした。2階にリビングを後悔していたと思っていたけれども、考えてみれば、2階に浴室、ランドリールーム、ファミリークローゼットがあることを後悔していた。そして、そんな間取りになったのは、2階にベランダがあるせいだった。ベランダこそが諸悪の根源だということになって、僕はベランダ不要論を強固に主張していた。
困ったことがあった。
にもかかわらず、今の家にも、ベランダがある。どういうことだろうか？
ベランダ以外は、1回目の家づくりの反省を活かした。2階リビングに反対していたけれども、妻の希望や、三井ホームの営業の紳士Sさんや契約前の設計士さんからのお話などもあって、僕は2階リビングがいやなのではなく、2階に浴室やランドリールームがあることがいやだったということが分かった。それに、購入した土地は角地ということもあって、朝も夕方も歩行者が多い場所だ。開放感があるリビング欲しかった僕らが1階リビングにしたら、間取り上は開放感があっても、肝心の朝と夜はカーテンが必要になってしまうという話もあった。
ちなみに、我が家の現在の2階リビングは日中はカーテンが開いている。開放感のあるリビングだ。目の色素が薄い人なら電気をつけなくても大丈夫なくらい明るい。夜は一応、防犯のためにシャッターを閉めているけれども、それはただ外が暗いから採光できないため閉めているというのもある。
開放感のある2階リビングは、三井ホームの売りでもある。屋根断熱というのをやっているため、勾配天井にすれば、吹き抜けとは違った開放感が2階リビングに出るからおすすめでもある。しかし、問題は、ベランダだ。
浴室やランドリールーム、ファミリークローゼットが1階にあることから、それに、寝室も1階なのだから、衣類や布団を干すためのベランダは不要だ。ベランダは防水処理もしなければならないし、ベランダが雨漏りの原因にもなるとも言われている。必要のないベランダをつける意味というのは、家にはベランダが必要だという思い込みでしかない。ベランダはいらない。
そう、そしてまた僕は別の思い込みにはまっていた。合理的な理由からベランダがいらないとする思い込みだ。
僕らが建てようと思った三井ホームの商品は、Lucas （ルーカス）というものだ。この商品には、スカイラナイという設備がある。
スカイはさておき、ラナイというのは三井ホームではたびたび言われるもので、つまり、庭のようなもの、とくに室内用の庭とでも言おうか、1階でも2階でも、ちょっとした屋根のついた半分野外にある場所を、ラナイと呼んでいる。ラナイというのは、ハワイの建築で使われる半野外の空間で、外なんだけど室内のようにくつろげるようにしている、とか、そんな説明があった。三井ホーム的おしゃれ。
三井ホームのモデルハウスに行ったとき、このラナイというやつが素敵だと思った。
子供がいないときには、庭なんて手間がかかるだけの草むしり空間でしないと思っていた。実際に、一度目の家づくりで最も後悔したのは、庭をコンクリートで埋め尽くさなかったことだった。一年に何回も草むしりをしていた。ドクダミ草の根っことの戦いは今でも思い出す。
庭を楽しむなんてのは、なかなかできることじゃない。庭を綺麗にしている人を見るだけで尊敬できる。ついお庭を綺麗に手入れしている人の家を通って目が合うと「素敵なお庭ですね」と声をかけてしまうくらい尊敬している。しかし、庭いじりが趣味でもない僕にとっては、庭は不要だった。
そんな僕でも、子供ができてみると、そして3人もいるものだから、どこかにでかけるよりも、庭でどうにかした方がいいんじゃないか、と思うようになった。3人の幼児を連れて歩くのは大変だ。子供たちをプールにつれていくにしても大騒ぎ。そしてプールに行っても少し顔に水がかかっただけで大騒ぎ。3人の幼児をプールに連れて行くのは難しい。
でも庭があったら、そんな問題も解決する。庭に大きめのプールを買って、そこで遊ばせればいいんじゃないか、と思った。そして夏の庭を想像した。
夏の庭に子供たちがプールに入る。いったい、何時間遊ぶのだろう、トイレやなんだと出たり入ったり忙しいかもしれない。そのたびに、僕は庭でぼんやりと子供たちをみていないといけないのか。それはいやだ。しかし、子供だけでプールをやるのは危険だ。大人は室内にいながら、子供はプールにいる。そんな状況を作れないだろうか。
ベランダに困る！＜下＞（新築篇）に続きます。
