いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

水筒に困る!<上>(主夫篇)<哺乳瓶と水切り>

「水筒置き場をつくる」

 

困ったことがあった。

 

 このところいろいろな場面で非対応に困ることが増えている。そう、IHクッキングヒーターと食洗機に対応していない調理器具や食器のことだ。

 

 食洗機に対応していない物は最近減ってきた。昔は木製の物は大体ダメで、菜箸が曲がったりもした。いまもダメなものは多いかもしれないし、食洗機対応と書いてあっても、なんだか曲がってきたり、塗装が一部剥げているのもある。しかし、きっと、これは食洗機を使っていなくても、毎日使って毎日洗っていれば塗装が剥げたり、子供が落とした衝撃で曲がったりしてしまったのかもしれないから、食洗機だけの問題とは言えないだろう。

 

 食洗機の対応、非対応というのは、なんだかそんな感じだ。

 

 食洗機に期待していたのは、こどもたちの水筒だった。今時の保育園、小学校もそうみたいだけれど、水筒持参となっている。水筒も一本くらいならそんなに手間じゃないけれども、毎日三本の水筒を使う我が家では、たかが水筒がちょっとした問題になる。それに、妻も水筒、僕もたまに水筒を使う。多い時で五本だ。

 

 水筒が問題化されたのは、洗う手間というよりも、乾かす場所の問題だ。これは哺乳瓶のときにも問題化された、通称「哺乳瓶乾かす場所問題」として育児はじめの保護者を悩ませるあれだ。

 

 長女が生まれたとき、哺乳瓶といっても大したことはないだろうと、たかをくくっていたため、何も用意せずに、普段の水切りだけで対処できると思っていた。その頃、住んでいた部屋は台所が狭くてまな板も置くスペースがないから、妻がイケアかどこかで買ったキッチン棚みたいなものを置いて簡易的な対面キッチンみたいにしていた。

 

 シンクの横に大きめの水切りを置き、簡易型対面キッチンで料理をしていた。二人暮らしならちょうどいい感じだった。

 

 そして長女が生まれた。少し大きめの水切りに哺乳瓶をおいて煮沸した哺乳瓶を乾かしていた。はじめての育児ということもあって、僕は毎回几帳面に煮沸していた。煮沸した哺乳瓶は熱の力もあってすぐに乾いていたと思う。これで十分と思っていた。最初は。

 

 乳児の世話に慣れてきた頃、少し手を抜きたくなってきた。魔の三週間と言われる時期は、僕も気分が盛り上がっていたというのもあって、哺乳瓶を毎回煮沸するのも少し楽しいような気がしていたけれども、慣れてくると、いっぺんにやりたくなってくる。ちまちまと一つ一つやってられるか、という気持ちだ。大量生産の道を歩んでいたのかもしれない。機械化の導入は踏みとどまっていた。

 

 哺乳瓶を買い足した。買い足したきっかけは、眠さの中でガラスの哺乳瓶をぐるぐると回して撹拌していたら、吸い口の締まりが悪かったのか、それともぐるぐると回すネジの回転の動きとシンクロしたのか、ガラス瓶の方がすっ飛んでいって、台所の横の玄関に激突、ガラスが割れ、靴はミルクで濡れたことが直接のきっかけだ。

 

 こだわってガラスの哺乳瓶にしたのに、もうガラスの哺乳瓶は買わないと一人で小声で宣言をして、プラスチックの哺乳瓶を四本ほど買った。これだけ買えば、毎回煮沸しなくてもいいんじゃないか? 長女はミルクの飲みがやたらいい、ぐびぐびとすぐに飲み干してしまうから、助産師さんに相談して、月齢より上の吸い口にしたくらいだ。それでもよく飲む。ぐびぐびという表現よりもじゅこーという表現の方が合うくらいの飲みっぷりだ。そのため、一回のミルクなのに、おかわり泣きがひどくて、もう一回ミルクを作ることもあった。もちろん、おかわりは白湯にしていた。白湯とはいえ、一度使った哺乳瓶は洗うことになる。

 

 哺乳瓶の煮沸の回数はそこまで減らなかった。長女の迫力に負けた。

 

 そうなると問題は増えてしまった哺乳瓶の置き場所だ。狭い台所に設置された大きめの水切りだけでは対応が難しい。哺乳瓶用の水切りのようなものがあったらいいのに、と思ったら、もちろんあった。ボトルラックみたいになっている物と、剣山まではいかないけれど、人工芝よりもゴツい芝をイメージした水切り。その二つを買った。

 

 ボトルラックみたいなものは、哺乳瓶用、芝生っぽい方は吸い口と、これも定期的に煮沸していたおしゃぶり用になった。

 

 おしゃぶりというのは不思議なもので、出産祝いの手土産でいくつももらう。長女のおしゃぶりは四つくらいあった。おしゃぶりがあまり好きでないのか、つぎつぎに試してみたけれど、おしゃぶりを出してしまう。おしゃぶりが嫌いな赤ちゃんというのもいるらしい。ちなみに、次女三女はおしゃぶりが大好きだった。3歳になっても宝箱に入れているようでたまに出してしゃぶっている。見かけると洗っている。

 

 芝生の水切りと哺乳瓶用ボトルホルダー。これを置く場所はない。簡易版対面キッチンのはじっこに無理矢理スペースを作り、そこに置くことにした。しかし、その場所はゴミ箱も近い。ボトルホルダーが何かの拍子に落下してしまうと被害が大きそうだから、端っこは芝生の水切りにしたのはいいけれど、これも何かの拍子に吸い口が落ちてしまって、下にあるゴミ箱の中に入る。気がついたら洗えばいいけれど、気が付かずに捨ててしまうこともあった。吸い口は意外と値段が高い。月齢より少し上の買ったばかりの吸い口が見つからなくてゴミ箱を漁ったのはいい思い出だ。

 

 我が家は水切りばかりになってしまった。

水筒に困る!<中>(主夫篇)に続きます。