「アメリカの歯ブラシは品質が悪いと聞いていた」(長女1歳6ヶ月)
困ったことがあった。
渡米前にアメリカ生活の情報を集めたりしていた。ネットはもちろんだけれども、現地で生活していた人からの情報などを聞いて、そんなこともあるのかとか思ったりして準備できるものはするようにしていた。
アメリカの歯医者は、普通の保険に入っても適用されないことがあるから、日本にいるうちに歯医者に行っておいた方がいいというのはよく言われることだ。妻の知り合いでアメリカに二年いた人は、一時帰国して歯医者に行ったらしい。
二年間の滞在で一時期帰国する人は多い。企業などで派遣されている人たちは一時帰国のお金も出るらしい。僕らの場合は、一時帰国は自費だから贅沢でしかない。それに、僕の実家は団地だし、妻にも実家がない、一時帰国したところで、日本での生活費もかかってしまう。僕らにとって一時帰国は、帰国というよりも海外旅行に近いものだ。
一時帰国できる人なら、現地で不足な物があったところで、一時帰国のときに買えばいい。歯医者だって大袈裟に考える必要もないだろう。しかし、一時帰国しない場合は、つまらない物にまで気を配らなければならない。
妻の知り合いの渡米経験者から情報を仕入れた。
あまり覚えてない物もあるけど、二つだけ覚えている。
水筒と歯ブラシ。
アメリカではこの二つの性能が悪いとか高いとかだから日本から持って行った方がいいということだった。
実際は、そんなことなかった。
水筒は考えてみれば、小学生のときに使って以来、旅行などでもない限りあまり使わなかった。登山などが好きな人は持っているんだろうけど、20歳を過ぎてから水筒を買ったことがなかった。使い捨てのペットボトルが全盛の時代だったからかもしれない。
アメリカだけでなく、日本でもいつの頃から水筒を持ち運ぶ人が増えてきたような気がする。
アメリカではマイボトルを持っているのが普通だった。どこに行くにでも水筒を持っている。それには理由もある気がした。アメリカのセブンイレブンなんかでコーヒーを買うと、なんだか非常に甘ったるいコーヒーしか売ってないことがある。ブラックが見つけられない。ダンキンドーナツでも甘いのしか買えなかったのは、僕の注文の仕方が悪いからかもしれないけど、甘いのばかりだ。スタバみたいなところなら別かもしれないけど、そうそうスタバみたいなところがあるわけでもない。
そんなとき水筒は便利だ。
僕が糖尿病だったからというのもあるけど、コーヒーは水筒に入れて持ち歩いていた。そういえば、日本にいたときにも知り合いの糖尿病だった人も水筒を持ち歩いていた。
アメリカの水筒の性能が悪いとか高いとかというのは、きっと数年前の話だろう。僕が買った水筒は性能もいいし、値段にしても日本で買うのとそう変わらなかった。僕が愛用しているYETIというところの水筒は、日本で買うととても高いけど、アメリカでならちょっと性能のいい水筒の部類として買える値段だった。日本で買って行かなくてよかったと思った。最近、日本で売っているYETIを見てみたら、以前ほどは高くなかった。なんでだろう?
YETIはアウトドアのブランドで、もともとクーラーボックスを作っていたところだ。熊に襲われても大丈夫だったという売り込みのクーラーボックスはなんだか微笑ましい。そんなブランドが好きなってしまう。熊に襲われる状況にはいないけれど。
YETIのことはまた別に書くかもしれない。
水筒に関しては、妻の知り合いの助言は当たらなかった。日本に帰ってきてサーモスの水筒を見てみると、確かに、手頃な感じの便利な水筒をお手頃価格で買う、ということなら日本の方が選択肢が多いかもしれない。しかし、僕のように無骨なフォルムが好きな人間はアメリカ製の方が納得できる。ちまちまお茶なんて啜ってられるか、という人はアメリカのデカい水筒を買うべきだ。
そんなに長くないけれども、上下に分けることにしました。続きは、
歯ブラシに困る!<下>(ボストン篇)になります。