いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

定員遵守に困る!<1>(自閉症児篇)<保育園の利用調整と定員の謎>

「待機児童や別園は人災だった?」(長女5歳9ヶ月、双子3歳8ヶ月)

 

困ったことがあった。

 

我が家はなかなかレアなケースだ。障害児(手帳あり)の長女と、双子の次女三女がいる。年齢差も2歳しか離れていないので、長女が年長のときに、次女三女は年少となるため、園児が3人いる状態となる。

 

多くの自治体では、2歳児までに保育施設に通っていると、継続して保育が受けられるように他の自治体からの転入者であったとしても、継続利用のための優先利用つまり利用調整というがある。提携園や同一園との点数の差があったりなかったりしているけれど、保護者の就労のためという保育園の大きな目的のために、転入者であっても優先利用があったりする。東京から名古屋に来たときに円滑に継続した保育園利用ができたのも、このような配慮によるものだ。この配慮については、「子ども・子育て支援法に基づく教育・保育給付認定並びに特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業者の確認に係る留意事項等について」の優先利用の項目にもある。しかし、僕らが転入してきた市は、他の市町村から転入してきたものに対して、この調整利用加点は適用されない。

 

障害児、多胎児、多子、転入者という状態の世帯が、この市で保育園に申し込むと、兄弟加点1点のみとなる。障害児だろうが、多胎児だろうが、多子だろうが、それまで保育園を利用して就労してようが、1点のみだ。「障害児や多胎児に一切配慮をしない」というのが市の答えだった。市内認可の小規模園に通っている子どもの場合は2点加点される。この1点差で、僕らは希望園に入れない。

 

市としては、保育園の利用案内に書いてあること以外の配慮をすることは、不平等、不公平になるから配慮はしないということで、他の自治体が、障害児や多胎児、多子、そして転入者の保育園継続利用の利用調整をしていたとしても、利用調整は各自治体で決められることだから、このルールは覆せないし、ルールを守ってもらうということだった。それに、この市は、以前から待機児童が多く、保育園には定員というのがあるのだから、すでに入園が決まってから配慮をしろと言われても、現実的にできない、というものだった。

 

ここで2点ほど疑問があった。

 

保育園の利用調整、優先利用はどのように決められているのか。そして、保育園の定員もまたどうやって決めているのか。

 

保育園に関係する法律をたくさん読んでみた。確かに、保育園の利用調整は各自治体で決めることができる。しかし、どういう基準で決めるかというと、各自治体が行っている総合計画や、子ども子育て計画に従って決めるというものだった。

 

ここで勘の良い人ならピンとくると思う。

 

僕らが住んでいる市の総合計画や、子ども子育て計画において、障害児や多胎児、多子、そして転入者が拒まれているのであれば、この市の保育園利用調整も理屈が通っている。問題だとは思うけれども、それはそれで一つの理屈だ。しかし、転入者に関して言えば、総合計画で人口増加を計画しているし、子ども子育て計画では育児世代の転入が多いという記述もある。また、少子化によって出生率が下がっているという分析もあることから、出生率が下がっているにも関わらず、人口増加を計画するというのは、転入者を呼び込むことが前提となっている。説明するまでもない。このことから、転入者が不利になる利用調整は、自治体の計画、方針に適合していない。

 

また、障害児や多胎児、多子に関しては、障害者差別解消法や内閣府少子化対策大綱が元にあることから、これらに配慮をしないという方針はどこを叩いても出てこない。このことからも、我が市の利用調整はどこかおかしい。

 

不思議だったので、こども課に利用調整の法的根拠を聞いてみた。すると、先ほど挙げた「子ども・子育て支援法に基づく教育・保育給付認定並びに特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業者の確認に係る留意事項等について」の中の「優先利用」の例示にあるかどうかというのを根拠にしていた。多胎児に関しては、兄弟姉妹の項目に、多胎児も含むとあるため、兄弟姉妹の同時入園と同等の配慮(もちろん、兄弟以外に多胎児は別に加点する自治体もたくさんある)とした。このとき、隣の町には、「療育に通う子どもの兄弟児」という優先利用があったので、「障害児の兄弟児」への配慮のことも聞いていたら、こちらは「例示記載がないため配慮をしない」という答えだった。返信はこれで終わった。

 

定員遵守に困る!<2>(自閉症児篇)に続きます。