いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

コンセントに困る!<下>(新築篇)<やっとコンセントの話>

コンセントに困る!<中>(新築篇)の続きです。

 

施工管理や施工ミスを心配したところで、やれることは限られている。差し入れなのか、施工管理の明確化なのか、それとも、その後のケアが信頼できるのかどうかといろいろとある。三井さんに関しては有償メンテナンスを行えば、60年保証ということもあって、そこまで変なことにはならないだろうと盲目的な信頼をしている部分もある。三井財閥が好きというわけでもないし、歴史を見れば、三井さん自体はあまり好きになれないけれども、なんだかんだと三井さんになった。結局、揉めたときには大手の方が楽だと思うようになったのは、東京や大阪と違う地域性が強い場所に住むようになったからかもしれない。それまでの僕は、どちらかというと大手チェーンよりも個人店を好んでいた。話がそれた。

 

で、施工管理や施工ミスを施主側でできるだけ未然に済ますために、もっとも気になる施工ミスの断熱性と気密性に限れば、窓とコンセントの位置と数だと思った。そもそも、この二つがなければ、断熱性と気密性は高いことを考えれば当然のことかもしれない。そんなことから、コンセントの位置にこだわってみた。

 

困ったことがあった。

 

施主がどうにかできるのはコンセントの数と位置だ。

 

窓にしても、コンセントにしても後からどうにかするのは大変だ。コンセントなんて簡単そうなのに、あとで増やすのは難しいと言われるため、とにかくコンセントをたくさんつけようみたいな話をよく聞く。

 

確かに、コンセントの数は少ないより多いにこしたことはない。しかし、コンセントは生活習慣や家具の配置によっても必要な位置は変わってくる。頭の中で考えた家具の配置だけで考えると、暮らしてみたときにちょっと違ったなあ、なんて思うこともあるだろう。リビングなどはある程度想像ついてたとしても、子供部屋が将来どうなるのかなんて分からない。廊下もまたどこにコンセントが必要なのか、コード式の掃除機を使うのか、コードレスかでも違ってくるし、もしかしたら、家の中の乾燥が酷くて廊下に加湿器をつけることもあるかもしれない。空調や換気との関係で空気清浄機が必要な場合もあるかもしれない。あるいは、子供たちのためにクリスマスツリーとかの電飾もやるかもしれない。そう考えると、コンセントはガンガンつけていくしかないような気もしてくる。

 

コンセントの数は、増やせば増やすだけいいのかもしれない。使わないなら使わないでもいいのだから、できるだけ増やせばいいのかもしれない。いま、我が家でも使い道の分からないコンセントはいくつかある。そのうち使うのかもしれないし、一生使わないのかもしれない。子供部屋や書斎に関しては、二箇所くらいコンセントがあればいいような気もするけれど、仕事部屋の机付近は机の上あたりにくるようにコンセントをつけることにした。机の下が配線でぐちゃぐちゃして、埃が溜まって発火したらどうしようとか想像したからなんだけれど。

 

そして、コンセントを増やすときに僕が気をつけたのが、断熱性と気密性だった。

 

コンセントと断熱性? 気密性? って思う人もいるかもしれない。

 

なぜ、コンセントに断熱性、気密性が関係するかというと、それはコンセントの位置にもよる。ざっくりと説明してしまうと、外壁に面している壁にコンセントをつけるということは、その分、断熱材が減るし、コンセント部分を抉る形になるため気密性も少しは下がる。これもYouTubeとかで見たんだけれども、コンセントから隙間風が吹いている映像なんかもあって、恐怖しかなかった。

 

多くの施工会社はそんな施工ミスはしないだろうけれど、釘一本の例えじゃないが、ちょっとした作業の違いで隙間風が出てくるかどうかは変わる。もちろん、きちんと作業もしてくれているのは分かっているし、施工管理もきちんとやってくださっているのは分かる、分かるけれども、リスクは減らしたい。外壁側にしかコンセントがつけられない箇所なら仕方ないが、内壁にコンセントをつけてもそんなに問題じゃなさそうなところは内壁につけられるように位置を変えた方がいいと思った。

 

「コンセントの位置、気にしすぎですかね?」

 

「いえいえ、もちろん、外壁側にコンセントがあっても、きちんと施工はさせていただいておりますが、そもそも、外壁側のコンセントがなければ、それはそれで隙間風の心配はなくなるので、内壁に変更したいお気持ちもよくわかりますよ」

 

そして、僕は、コンセントの位置を8箇所くらい変更した。

 

実際、コンセントの位置を変更して使いにくいかどうかと考えてみると、明らかに使いにくくなるだろうという場所に関しては変更しなかったというのもあるからか、今のところは不便を感じていない。外壁側についているコンセントはすべて使用中であることから、設計士さんはよく考えてくださったなあと思って、感謝しかない。僕が設計していたら、そんな必要な外壁側のコンセントも内壁につけていたかもしれない。

 

断熱性、気密性を考えたときに、施主にできることは限られている。窓の種類、数、大きさ、コンセントの位置。その中で、お金に関係しないのは、コンセントの位置くらいだろう。必要なコンセントと、あった方がいいと思うコンセント。あった方がいいな程度のコンセントはできる限り内壁にした方がいいと思った。