いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

トコジラミに困る!<6>(主夫篇)<トコジラミとの戦いは終わっていなかった>

トコジラミに困る!<5>(主夫篇)の続きです。

 

前回までで、トコジラミとの戦いも終わり、このトコジラミ日記も終わるかに見えたが、まだ終わらなかった。トコジラミはまだいたのだ。双子のベビーベッドに始まり、ベビーカーの簡易ベッドにいたトコジラミ。当初は双子関連にトコジラミがいるのかと思っていたけれども、赤ちゃんや子供は、寝ているときに動き回るためトコジラミの被害を受けにくいということだった。トコジラミの被害を受けにくいということは、トコジラミに吸血されにくいということであり、それは同時に、トコジラミからすれば成長や繁殖に適した場所ではないということにもなる。そんなトコジラミは、吸血しやすい人を探して双子の部屋を出たのだろうか? それとも、双子の部屋が最終到達地点だったのか、その辺のことは分からない。

 

ちなみに、双子が通う保育園にもトコジラミの話はしておいた。保育園でも調べておきます、ということだが、その後、どうだったのかはとくに話はなかった。話がなかったということは、保育園ではトコジラミが発見できなかったということなのかもしれない。あるいは、トコジラミが持つなんだか不潔そうなイメージから、実際に、トコジラミの被害を受けているご家庭があっても、トコジラミ被害の報告をしないだけかもしれないからなんとも言えない。僕のように、トコジラミを含めた害虫に胸躍らせる人の方が少ないのかもしれない、いや、ワイドショーなどでも取り上げられるのだから、実は、みなさん、芸能人のスキャンダルのようにトコジラミにも興味津々なのかもしれない。

 

さておき、トコジラミは、双子の部屋、長女と妻と僕が眠る寝室からも駆除されたかに見えた。トコジラミという割には、襖や鴨居が主な棲息場所だったことは僕にとっての発見だった。このことを友人に報告したところ、特に興味がないという反応をされてしまった。そんな僕の発見を裏切るように、トコジラミはまだいたのだった。僕にはまだ探していない棲息場所があった。

 

困ったことがあった。

 

ネットで調べたトコジラミの生息場所で調べ忘れていたのが、カーテン裏だった。カーテンは上の方が折り畳まれて、カーテンレールに付けられる器具がある。その周辺が怪しいと思って調べてみた。ちなみに、このカーテンは遮光カーテンで色も黒に近く、思えば、トコジラミにとって住みやすいカーテンでもある。僕は、カーテンをカーテンレールから外して調べてみた。トコジラミがいた。摘んで潰した。血もついていたが、なんだか思っていたより少なく、そして小さい。カーテンレールを見ると、カーテンレールの中にもいたが、1匹か2匹でしかも小さい。もしかしたら、畳と床間の間(僕はその辺に寝ている)に生息しているのかと、残っていたトコジラミ用殺虫剤を念のために噴霧しておいた。もちろん、定規などでほじっているけれども、そこにトコジラミはいなかった。この場所が僕から吸血するのに最適の場所なのにと思っていた。

 

その後、しばらくはトコジラミの害はなかった。二ヶ月くらい経ったあたりだろうか。ある夜、僕の脛あたりで何かが蠢いていた。薄闇の中で見てみると、トコジラミが僕のすね毛の森の中で出られなくなっていたようだった。なんて可愛いやつだろうと思って、摘んで潰した。もう、僕は、トコジラミからすればサイコパス野郎だ。朝になって、布団類はもちろんだけれど、これまでのトコジラミとの戦いの中で学んだ経験を活かして、カーテンやら襖やらと心当たりのところを探し回った。しかし、トコジラミは発見できなかった。そして数日が過ぎた。僕の足や腹は何箇所も刺されるようになった。妻も長女も刺されていない。僕だけだ。

 

こんなに何箇所も僕だけが刺されるのはおかしい。トコジラミの移動範囲や移動速度を考えても、カーテンや襖から出てきて、食後に移動するとしたら、同じような場所にもっと複数のトコジラミが生息しているはずだし、だとしたら、僕が発見できていないのはおかしい。1匹や2匹であれば、そして赤ちゃんや子供のトコジラミであれば見逃している可能性があるが、痒さからいっても、これは大人トコジラミの仕業に違いない。僕は、痒さや吸血痕でどの程度のトコジラミであるのか推測することが可能になっていた。大人トコジラミが少なくとも数匹、僕から近いところにいるはずだ、と考えた。

 

トコジラミに困る!<7>(主夫篇)に続きます。