いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

トコジラミに困る!<3>(主夫篇)<トコジラミはどこからきてどこへ行くのか>

トコジラミに困る!<2>(主夫篇)の続きです。

 

帰国して最初の一年は東京郊外に住んでいたときに、トコジラミの被害にあった。最初にトコジラミを見たのは、双子が寝ているベビーベッドと双子が使用するベビーカーに取り付けができる乳児用の簡易ベッドだった。どちらかにトコジラミが棲みつき、双子にくっついて移動していると僕は考えた。問題はどちらにいたのだろう。簡易ベッドであれば、アメリカからなのか、エアビで止まったボロいアパートからなのか、保育園からなのかちょっと分からない。トコジラミはどこから来たのだろう。

 

困ったことがあった。

 

簡易ベッドよりも多くのトコジラミがいたベビーベッドになる。これは、長女が出産の際に、友人からいただいたものだ。友人は、さるなんだか有名な方といっても僕は知らない方だけれども、そんな方からいただいたそうだ。とても立派なベビーベッドで、長女が生まれたときに住んでいた部屋にそれを置くと、部屋の三分の一を占めてしまって、寝室は大変なことになってしまった。しかも、長女はベビーベッドに寝かせると泣き出してしまって、その広さの意味もよく分からないと思ったベッドだった。このベッドは渡米時に、レンタル倉庫に分解して保管していた。帰国後に、一年近く住む部屋が決まってレンタル倉庫から、このベビーベッドを運び出した。広いベビーベッドだったから、双子が寝るのにちょうど良かった。その広さの意味がわかった。で、トコジラミの経路として、このベッドがレンタル倉庫の二年、そしてその後、双子の寝室に設置されるまでにトコジラミを宿していた、ということも考えられる。

 

しかしだ、しかし、トコジラミは、人間がいないと繁殖できないのだから、レンタル倉庫という誰もいない場所でわざわざベビーベッドに住み着くだろうか。それがベビーベッドだということが分かっているのであればまだしも、トコジラミたちにはそんな知性はないのではないだろうか。もしかしたら、彼らは彼らでベッドなるものに反応できる器官があるのかもしれないが、僕にはちょっと分からない。

 

そうなると、簡易ベッドにいた、というのが濃厚な気もする。アメリカからか、昭和レトロか、保育園か、どこからかは分からない。そして簡易ベッドから双子の衣類に侵入し、そしてベビーベッドに棲家を見つけた、とそんな感じで考えると、なるほどという気もしてくる。保育園でシラミの類をもらってくることがあると聞いたことがある。そんな感じでトコジラミをもらってくることもあるかもしれない。しかし、暗所で活動するトコジラミが明るい保育園で移動するだろうか。となると、僕も薄々、そうじゃないかと思っている場所であるところの、昭和レトロという名のボロいエアビのアパートが怪しいようにも思えた。そこの管理人さんはいい人で、僕らが乳児を二人連れているというと、部屋にベビーベッドを自宅から持ってきて設置してくれたりした。昭和レトロという名のボロいアパートだったけれども、部屋はきちんと清掃されていた。けれども、いい人だったからといって、清掃されていたからといって、トコジラミはいない、ということにはならない。エアビの特徴は、いろんな人が泊まりにくるということで、トコジラミがよくいる地域から来た人が宿泊することもあるだろう。それにトコジラミは暗所に住むのだから、清掃していたからといって、暗所まで清掃しているとは限らない。実際に、天袋や押し入れには、いろいろと荷物が入っていた。

 

この昭和レトロのアパートでトコジラミをもらってきたと考えるのがもっとも妥当に思える。

 

だがまだ疑問はある。昭和レトロから引っ越してきて一ヶ月以上経過して僕は、トコジラミを発見した。その間、双子を毎日洗っているし、着替えもしている。トコジラミに噛まれた痕も確認できていないし、ネットで調べたところ、トコジラミに噛まれるととても痒いらしいが、双子はいつもスヤスヤと寝ている。

 

トコジラミの成長についても調べていた。赤ちゃんトコジラミが、子供トコジラミになるためには、やはり吸血が必要らしい。吸血して栄養をとって脱皮して子供トコジラミになる。で、子供トコジラミも必要に応じて吸血し、そして脱皮をして大人トコジラミになるという。その後、大人トコジラミは吸血をして赤ちゃんトコジラミを産む栄養を蓄えるらしい。トコジラミは成長の度に吸血が必要になる。見方を変えれば、吸血できないトコジラミは成長ができない状態になるらしい。

 

トコジラミに困る!<4>(主夫篇)に続きます。