いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

トコジラミに困る!<4>(主夫篇)<乳児の寝床からトコジラミが発見された>

トコジラミに困る!<3>(主夫篇)(主夫篇)の続きになります。

 

双子が寝ている場所からトコジラミは発見された。しかし、双子がトコジラミの被害にあっているという感じはしなかった。トコジラミがどこから来たのかということも気にはなるけれども、そこに住んでいるトコジラミの状態もまた気になるものだ。トコジラミの生態を調べると、トコジラミは吸血し、脱皮を繰り返し成長していくということだったが、吸血できない状態では成長もしないらしい。そうなると、双子がトコジラミの被害にあまりあっていない場合は、トコジラミもまた増えていかないのではないだろうか。増えないのであれば、なぜいるのだろう、どういう状態でトコジラミはそこにいるのだろう。

 

困ったことがあった。

 

ベビーベッドを見たとき、素早く動いたトコジラミは最初に僕が摘んだトコジラミだけだった。スノコには、干からびたトコジラミや動かないトコジラミがいた。動いているトコジラミも元気がなかった。また抜け殻も一つか二つくらいあった気もするけれども、はじめてのトコジラミだったということもあって、抜け殻と干からびたトコジラミの区別はついていなかった。赤ちゃんというぷくぷくとした皮膚に美味しそうな血をふんだんに保有していそうな存在が二人もいるベビーベッドに住みながら、なぜ、ここにいるトコジラミたちはこんなにも飢えているのだろうか。ネットの情報によれば、子供や赤ちゃんは寝ている間も動き回るため、トコジラミの被害に遭いにくいとのことだった。美味しそうな血であったとしても、吸血には困難なのだろう。きっと、僕のように寝ている間は何をされても起きないような疲れたおっさんの方が、血はまずくても安心して吸血できるのだ。なんだか自分がファストフードになったような気がした。

 

そんなことを子供たちを保育園に迎えに行って帰ってくる道中に考えていた。家に着くと早速、ベビー服を脱がして、トコジラミに吸血されていないか調べてみた。虫刺されのような跡がお腹にあるにはあったけれども、とても小さく、目立たないようなものだった。これは赤ちゃんトコジラミか子供トコジラミなのか、それとも、巷間で噂されるトコジラミの被害が大袈裟なのか、そのときは判断がつきかねた。

 

その後も、双子たちの部屋を中心に、トコジラミ対策を起こっていた。これもネットで調べたことだけれども、トコジラミは行動範囲が狭いため、部屋を跨いでの移動はほとんどないとのことだった。

 

しかし、それからあまり日を跨がずに、僕は別の場所でトコジラミを見つけた。

 

玄関に近い双子の寝室からはそこそこ離れた場所にキッチンがある。キッチンの横にゴミ箱を置いていて、定期的に掃除のときにはゴミ箱をどかしていた。そのときもゴミ箱を掃除のためにどかすと、ゴミ箱の裏にトコジラミが4匹くらいいた。突然、白日の元に、といっても、電灯の灯りだけれども、暗所であった筈のゴミ箱の裏が明るくなったことに驚いたトコジラミたちは慌てて動き出した。僕は素早く、そう、きっと、この素早さは、双子の部屋でトコジラミを発見してからというもの、僕はトコジラミハンターとして反応するようになっていたためできた素早さだと思っているけれども、一匹も残らず、トコジラミを潰した。ベビーベッドのトコジラミと違って、こちらのトコジラミはちょっと元気だった。そしてベビーベッドのトコジラミを潰したときには何も出てこなかったのに、ゴミ箱裏のトコジラミを潰した時には、指に血がついた。

 

こいつ、吸ってやがるな。

 

この場所は、僕と妻と長女が寝ている寝室に近い。つまり、ゴミ箱裏のトコジラミは、この三人の血を吸っている可能性がある。その場所から近い場所に寝ているのは、長女だった。長女がトコジラミの被害に遭っているかもしれないと思うと、当時は発語もできず、感覚鈍麻もある長女なのでなんとも気の毒だったけれども、ゴミ箱裏のトコジラミは全て駆除した。これで大丈夫だと思っていると、寝室に向かって動いている黒いモノがある。トコジラミだった。もしかしたら、寝室はすでにトコジラミの巣になっているのではないだろうか? と僕はちょっと戦慄をおぼえた。

 

長女が保育園から戻って、体を確認してみると、長女のふくらはぎあたりに虫刺されの痕があった。これは双子よりもひどい感じだったけれども、長女に聞いてもよく分からない。痒さもあまり感じていないようだった。痒み止めを塗ろうとすると嫌がったから、きっと痒いは痒いのかもしれない。その日はとりあえず、僕が見ることができる範囲で確認した。また、トコジラミは暗闇になると活動するというのもあったので、どのみち、乳児の育児で夜中も起きていることが多いということを活かして、夜中もスマホの明かりをつけて、長女の周辺も何度も確認した。長女の布団に入り込んでいるトコジラミを発見した。現行犯逮捕という感じだった。

 

トコジラミに困る!<5>(主夫篇)に続きます。