いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

またまた引越しに困る!<上>(主夫篇)<引越しと紛失物>

「引越しで物がなくなることになれてきた」

 

困ったことがあった。

 

今回が人生最後の引越しになるんじゃないか、と思って最後の引越しくらいばーっと豪華にやるかというと、そんなこともない。豪華な引越しというのがあるのか分からない。引越しはやっぱり普通の引越しで、相見積もりも取らないで引越し業者を決めるようなこともするわけもなく、今回も、引越しの定番の相見積もりからの値下げ交渉という感じで普通に引越し業者を決めた。

 

前回の引越しは、アートさんだった。東京から名古屋までの長距離かつおまかせパック。妻の職場から引越し費用の大部分が出たというのもあるけれども、僕にとっても妻にとっても憧れのおまかせパック。幼児がいる家庭にとってはとても助かるおまかせパック。梱包から開梱まですべてやってくれるおまかせパック。1ヶ月前から梱包したり、引越し先では段ボールを寄せながら寝場所を作っていた僕らにとって、おまかせパックは夢のサービスだった。

 

おまかせパックで困ることといえば、僕自身が邪魔な存在のような気がしてしまうことくらいだ。

 

おまかせ中は、居場所がないような気持ちになりながらも、貴重品の扱いや何をどうしたらいいのか分からないようなときに呼ばれるのが僕の役割ということで、何もすることがないような気もしながら、うろうろとしていた。

 

ちなみに、東京から名古屋の引越しのときには、妻に子供たちを任せて、僕一人が現場にいるスタイルだった。子供たちがウロウロしたら、おまかせされた方が困ってしまう。シッターサービスとかあったら利用するかもしれない。

 

そんなはじめてのおまかせパックも、どんどん時間が過ぎて行った。僕も妻も本がたくさんあるから、おまかせされた人たちも本の処理に困っているようで、「まだある」とか「ダンボールが足りない」とかそんな声が聞こえてくる。

 

もちろん、僕は営業の人に、本が大量にあることを伝えているし、実際に見てもらっている。ただ本というのは不思議なもので、大量の本に困ったことがある人じゃないと、その本がどのくらいあるのか想像しにくいようだ。とくに本棚に整然と並べられている本を取り出して段ボールに入れるとどのくらいになるのか、なんてことは本の扱いに慣れている人しか分からない。ぱっと見には大したことないように思われてしまう。

 

実際に本を出してみると、本などを入れる小さい段ボールだとしても、僕の分だけで100箱は超えてしまう。100箱は30歳のときに引っ越しをしたときの数だ。その後、あまり本が増えないようにしているし、嵩張る漫画などは本棚一つ分くらい売った。それでも、引越し屋さんの本の詰め方だと150箱くらいになってしまう。東京からのときはそこに妻の本もあったものだから、もう大変なことになっていた。

 

アートさんのおまかせパックは、夕方になっても終わらない。応援の人がたくさんやってきたけれども、なかなか終わらない。そのうち夜になってしまって、僕らが名古屋に行く新幹線の終電も近づいてきた。

 

引越し作業は途中だったけれど、後を弟に任せて、僕らは名古屋に向かった。新幹線で移動しているときに弟から電話があり、最終確認をしたけれど部屋が暗いので積み残しがあるかどうか確認できなかったということだった。引越し屋さんも急いでいたらしく、また何かあったら、ということでその日の作業は終わった。

 

そして翌日は名古屋で積み下ろし、翌々日に開梱作業となった。妻は子供たちとホテル。僕は現場。

 

作業は順調に進み、おまかせパックの快適さを味わった。けれども、開梱作業を終えるといくつか物がなかった。後日、アートさんに電話すると、作業員さんに確認してもらって、積み残しも積み忘れもないということだった。ウォシュレットのリモコンは最初からなかったし、物干し竿は転居先の押し入れに入れたということだった。他にもいつくか細かい物もなかったけれども、それらは最初からなかったか、奥にしまったということだった。

 

このアートさんの嘘はすぐにバレた。

 

前に住んでいたところの管理人さんとは仲良くしていたということもあって、電話で相談すると、前の家のベランダに物干し竿があったし、ウォシュレットのリモコンも残っていた。最初からないとか押し入れの奥に入れたというのは嘘だった。ミスならミスでいいのに、嘘になるから大変だ。その後は、あれもこれもということで、再度探してもらったりして、最後は弁償で解決した。最初の嘘はどうかと思うけれど、嘘が発覚してからは誠実に対応してくれた。

 

またまた引越しに困る!<中>(主夫篇)に続きます。