いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

パンクに困る!<中>(主夫篇)<自転車送迎の敵は雨とパンク>

近所の保育園に通う長女と、地図上ではそんなに遠くない保育園に通う次女三女。直線距離で徒歩30分程度だとしても、山あり谷ありで30分ではとてもじゃないけど通えない。そんなことから双子を乗せた自転車で山を越える日々が始まった。

 

困ったことがあった。

 

僕は僕で、実は、この高低差のある道のりが嫌いじゃない。もともと自転車によく乗っていたし、なぜだか足の筋肉が立派な僕は、短パンなどを履いているとよく人に見られるくらいの脚力を持っている。ふくらはぎの筋肉が隆起しているので、昔からよく触られたりしていた。とくに鍛えたわけでもないけれど、子供のときから自転車をこよなく愛していたから、筋肉が立派になってしまったのかもしれない。この筋肉がもう少しお腹についていたらと思ったこともある。と、筋肉自慢はさておき、毎日の山登りを楽しんでいた。双子も昇り降りを楽しんでいるようで、とくに次女は下り坂のときに大喜びだ。三女は少し怖いらしい。

 

そんな楽しい山登りの毎日がちょっとしたことできつくなってしまった。パンクだ。

 

保育園にお迎えに行った。前日までイヤイヤ期再来のようになっていた三女もその日はとてもいい子になっていて、お迎えに行くと準備万端。いつも上機嫌な次女はなぜかぼんやりしていた。降園の準備をしていると、三女が走り回って遊んでいた。次女は僕の足にしがみついて離れなかった。まあ、その辺はよくあることで、次女が走り回るときもあれば、三女がしがみついてくることもある、2人でしがみついてくることもあるし、2人とも元気に走り回っていることもある。このあたりは「あらあら大変ねえ」などと言われることもあるけれども、慣れてしまえば、どうということもない毎日の光景だし、余裕そうにしていたら、双子って可愛いですね、と言われるのは僕自身もニコニコしながら、双子それぞれの動きに合わせているときだったりする。

 

そんな双子を前と後ろに乗せる。最近は、2人ともチャイルドシートに乗るのも慣れてきて、足がはみ出してしまうことも減ったし、ヘルメットが途中で脱げてしまうことも、ヘルメットがどこかに引っかかって、首の紐で苦しくなることも減ってきた。降りるときに長靴は脱げてしまうし、緩く履いたスニーカーも脱げてしまうこともあるから、自転車に乗るときには靴をちゃんと履いているか確認するようにしているけど、たまにどちらかがなんかやっていたりして、確認不足になってしまい、左右逆だったりするスニーカーに気が付かず、自転車から降ろしたときに、靴が脱げてしまって、雨の日の翌日だったりするとそのまま靴下が汚れてしまうこともある。そういうときに限って替えの靴下がなかったりする。子供たちは、僕の準備不足を確実についてくる。

 

その日は、自転車に乗る前に大きめの虫がいた。次女は虫が好きなので、虫が見たいと騒いでいた。三女は虫が嫌いなので、僕にしがみついてきた。そして次女の虫に対する質問に答えつつ、しがみついてくる三女を自転車に乗せて、虫のことを引き続き聞いてくる次女を前に乗せながら、暖かくなると虫が出てくることについて説明していた。一つ目の山を下って、信号待ちをしていた。次の山の麓あたりに木々が繁茂した場所があって、そこからはカエルの鳴き声がする。次女はカエルの鳴き声が苦手だったということもあって、虫とカエルの関係について少し話していると、自転車の後輪に違和感を覚えた。

 

ガタガタしてきたぞ。

 

そう思ったあたりで、急に後輪のタイヤが萎んでいくのがわかった。家の近くならまだしも、まだ二つ目の山を登り始めたところだ。この山を登って降りて、そして次の山を登って降りて、そのあとしばらく行ってやっと我が家になる。二つ目の山を目の前にして、子供たちを降ろしてしまうと年少さんの体力では歩くのはちょっときつい。少なくとも、目の前の山は登ろう、2人を自転車に乗せたまま登ってみようと思った。

 

年少さん2人を自転車に乗せたまま、自転車を押して山を登った。重かった。重いし、後輪のチューブのダメージが心配になってきた。パンク修理くらいであればすぐにできるとしてもチューブ交換となると、翌日とかになってしまうかもしれない。時間は午後6時、周囲に自転車屋さんがあるかどうかは分からない。それに自転車屋さんは6時くらいには閉まっているだろう。パンク修理くらいなら自分でやったこともあるけれども、引っ越してきたばかりというのもあって、パンク修理セットも買っていない。自転車が必須でありながら、パンク修理キットも常備していなかった自分の準備不足を呪ったりしながら、山の頂上についた。そして双子を降ろした。

 

「家まで歩こうね」

 

そんなことを言って、ネットで自転車の出張修理サービスとか近くの自転車屋さんを調べたりした。少し行ったところにある自転車屋さんは7時で終わる。出張サービスに申し込んでみたけれども、折り返しの連絡がすぐにあるわけじゃない。ふと、近所のショッピングモールに自転車屋があることを思い出して調べてみたら、こちらは午後9時までやっている。ここに行くしかない。翌日も朝から自転車が必要になる。運が悪いことに、翌日は朝8時からテレビのアンテナ工事の業者がくることになっていて、工事の途中で子供たちを保育園に送って、そして戻ってきてから視聴確認やら支払いやらをするということになっているため、自転車がない場合は、タクシーで送りをしなければならなくなる。そう考えると、パンクの修理を翌日にするわけにはいかない。最悪、ホームセンターなどでパンク修理キットを買って、夜のうちに自分で直すということも考えていた。

 

頭の中はそんなことになりながら、年少さんの双子を家まで安全に歩かせるということもしなければならない。車が多い道ではあるけれども、歩道は綺麗に整備されている。新興住宅街の良さはこういうところだと思う。双子に住宅側を歩かせて、自転車でガードしながら僕が車道側を歩けば、前から後ろから来る歩行者や自転車の邪魔にはならない。ただ、ふらふらしてしまいがちな幼児のことだからずっと気を張って歩いていた。

 

パンクに困る!<下>(主夫篇)に続きます。