いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

南京虫に困る!(再東京篇)<南京虫を見つけたら>

「はじめての南京虫」(長女2歳8ヶ月、双子7ヶ月)

 

困ったことがあった。

 

双子は子供部屋で寝ている。子供部屋といっても一年もせずに引越す予定でもあったので、ベビーベッドと育児関係の物と、背の低い本棚があるような部屋だった。その部屋にはダイキンのエアコンとダイキンの加湿器付き空気清浄機を設置し、乳児が寝るのに最適な湿度と温度を確保していた。

 

ベビーベッドは長女が生まれるときに友人から譲ってもらったもので、その友人はお金持ちの方から譲ってもらったということで、とても立派で大きな物だった。長女のときには大きすぎて狭いアパートに強烈なインパクトを残していた。

 

子供部屋も三分の一くらいがベビーベッドになった。大きいと思っていたベビーベッドも双子が寝るとちょうどいいサイズだった。

 

次女の皮膚がかぶれているような感じだった。次女は肌が弱いのかオムツかぶれもしやすく、肌も荒れやすい。虫刺されのような気もしたけれども、虫刺されにしては小さい感じだったので肌のケアをしていた。

 

ベビーベッドのシーツはとくに汚れるようなことがなければ、週に一回だけしか洗濯しない。乳児の場合は、オムツからアレが漏れたり、吐き戻しなどもあるので、毎日洗濯することもあった。

 

あるとき、次女を抱っこすると、黒い点のようなものが動いていた。虫がいるのかも? 次女を着替えさせて衣類を点検すると何もない。三女も確認してみても何もない。寝具をはずいてみると、小さな虫がいた。

 

これは何の虫だろう?

 

ベビーベッドの天板を取り外してみた。裏側は小さな丸い窪みがたくさんあるようなタイプなので、確認してみた。何匹か虫がいた。

 

南京虫だ!」

 

僕が南京虫のことを分かるようになったのは、アメリカにいたときにも虫が出ていろいろと調べたときに写真でチェックしていたからだ。漫画や小説などでも南京虫のことは知っていたけれども、直接見るのは初めてだった。

 

「筒状の棒に小さな穴を開けて、それで囲うようにして寝ると南京虫には刺されない。南京虫は小さな穴に入っていく習性がある」

 

と、何かで読んだ知識が脳裏に浮かんだけれども、それはいまやる対策はそれじゃない。

 

ベビーベッドの天板の裏側には10匹くらいの南京虫がいた。抜け殻は5個くらいあった。南京虫は十分な血を吸うと脱皮して大きくなる。何回か脱皮をして成虫になると卵を産む。ここにいる南京虫は成虫のサイズまで達しているか疑問だった。

 

南京虫は赤ちゃんから血を吸うのが苦手らしい。寝ていてもよく動いてしまう赤ちゃんは、じっくり血を吸いたい南京虫からすればやりにくい相手になる。だから次女の虫刺されも小さなものだったのかもしれないし、ベビーベッドにいる南京虫はそんなに成長していなかったのだろう。

 

子供部屋の荷物を点検しては部屋の外に出す。ベビーベッドも解体して隅々まで確認してみたが、天板の裏にしか生息していないようだ。きっと、小さな丸い窪みが南京虫の絶好の棲家だったのだろう。

 

一つ一つの窪みを点検し、ドライバーやら鉛筆やらを使って南京虫をほじくりだして捕獲しては、指で潰した。抜け殻は可愛いので取っておきたかったけれど、妻の冷たい視線を想像して捨てることにした。

 

天板とマットレスを持って玄関に行って、殺虫剤をかけた。そして風呂場に持っていって、熱湯をたくさん浴びせて、シャワーを最大温度でかけた。そしてしばらく湯に沈めた。そしてベランダで干した。ほかの寝具は洗濯機で洗った。ベビーベッドは乳幼児が寝るのだから殺虫剤をかけてすぐに使用するのは問題があると思ったので、その日は床に布団をひいて一緒に寝ることにした。

 

翌々日、ベビーベッドを水拭きして、天板の裏を点検してからラップで包んだ。そしてベビーベッドを組み立てて、その日からはベビーベッドをいつものように使用することにした。

 

毎日のように天板を確認していると、天板とラップの間に南京虫の死骸が落ちていることがあった。1週間くらいでそれもおさまった。

 

双子の皮膚も毎日確認していた。虫刺されは起こっていない。どうやら南京虫は退治できたようだった。

 

このとき僕はよからぬことを思ってしまった。1週間程度の南京虫との戦いに充実感を覚えてしまったということもあり、また戦いたいとかまた出ないかな、とかそんなことを思っていた。

 

それから二ヶ月後、彼らはまたやってきた。部屋の移動をしないと言われる南京虫だが、別の部屋にやってきた。そのことはまた今度書くことにしよう。