いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

詰め替え用に困る!(主夫篇)<洗濯担当になってみよう>

「脱衣所周りの改善点を教わる」

 

困ったことがあった。

 

洗濯機周りは台所と同様に僕の領域だ。しかし、妻もその二つは頻繁に使う場所でもあるため、妻が主に使う場所は特別区として僕の管理の外にある。台所であれば、妻の好きな乾麺などの場所が主にそうだし、お茶などが置いてあるところも基本的に僕はタッチしない。

 

そのため、台所ではたまにパスタがなくなっていたり、麦茶がなくなっていたとしても、なくなるまで僕が気づかないことがある。そういう場合には1日か2日、あるいは3日ほど物資が不足した状態になる。

 

僕が管理している物資ではないのだ。

 

そして僕は恩着せがましくスーパーマーケットなどで購入して、これ見よがしに、普段は触れるどころか見ることもしない領域に侵入する。そして新たな不足物資を見つけて、妻に報告するという感じだ。

 

台所であれば、何が足りないかは僕でも判断できる。だいたい足りなくなるのは、パスタ、素麺、マロニー、春雨、マグカップに入れて食べる小さいインスタントヌードルや、乾燥ワカメなどの麺類を食べるときに放り込んでいる具、お茶は種類がありすぎて分からないので、判断がつきにくいけど、麦茶くらいなら僕でも分かる。台所はまだいい。

 

難しいのは洗濯機周りだ。洗面台の鏡の裏の棚に僕のスペースは一つだけある。髭剃りを置いているところだ。歯ブラシは僕のも一つある。あとは妻の領域だ。そこで何が不足しているのか僕には全く分からない。

 

洗面台の下になるとお手上げだ。僕がかろうじて管轄しているものは、シャンプーとリンスくらいだ。これは僕も2日か3日に1回使うことになっているので、詰め替え用が不足しないように注意している。

 

洗面台の下には妻のあれこれと、ハンドソープやらボディソープやら子供用のソープも二種類くらいあって、最近ではハンドソープを子供が楽しめるように自動で泡が出るやつにしたので、それの詰め替え用もある。僕には把握しきれない種類だ。ここは極力触らないようにしている。

 

洗濯機の横にラックをつけた。バスタオルを置いたり、洗濯用の洗剤を置くためだ。きっと、そういうご家庭は多いと思う。そして洗面台と引き戸の間のデッドスペースにも薄いキャクター付きの棚を置き、そこには、子供たちのタオルや、妻の細々したもの、他には、洗濯用洗剤の詰め替え用がいくつもある。僕が管轄できていない箇所もあるにはあるが、現状はこれで十分満足のいく配置となっている。

 

洗濯用洗剤は何がいいのか。それは僕にも分からない。そのため、色々と試してみた。試してみた結果、形状が使いやすいものであればそれでいいということになった。

 

そういえば、僕の友人たちにはあまり家事をやる男性がいない。口では先進的なことを言っていても、家事になるとたまに料理をするとかゴミ捨てをするくらいだったりする。中には、料理や掃除をしているという人もいるが、洗濯をやる男性は少ない。

 

「ずっとママにやってもらっていたのかい?」 と、グラスを傾け、氷がカランとなる感じで渋く言いたくなった。バーボンとかスコッチとかウィスキーとかのやつで。

 

洗濯をしないのはなぜだろうか? 難しいというのがよくある意見だ。衣類をダメにしてしまうんじゃないか、色落ちはどうする、洗濯表示が分からないなどなど、これは洗濯を何回やっても不安だし、僕だって失敗することもある。しかし、最も単純にして、ハードルが高いのが、洗剤の量が分からない、というやつだろう。うん、僕がそうだった。

 

洗剤の量が分からないやつに、洗濯表示のことや、柔軟剤のことなどを話して伝わるわけがない。

 

そしてこの洗剤の量というのがまた思いのほか難しい。洗濯機のスイッチを入れる。洗濯機によるだろうが、液晶などがあるものは「0.8」とか出る。洗剤一カップの8割ということは分かったとしても、洗剤を見ると、何リットルの場合みたいに書いてある。そうなると、洗濯機を見てみなければならない、一体、これは何リットルの洗濯機なのだろうか? と調べる。本体に書いてあればまだいいが書いていない場合は説明書を見なくてはならない。そして自分が動かしている洗濯機が何リットルか把握し、その量に合わせて洗剤に書いてあるリットル数と比べて、次に、洗濯機に表示されている「0.8」とかに換算する。

 

これは結構たいへんなことだ。わかっています。きっと、「そんなこと考えずに適当にやっている」という常識的な判断というものが、常識を共有していない者にとってハードルが高く感じるものだ。適当にすることができるのは、それまでの成功体験があればこそ成せることであり、はじめて行う人は「適当」ができない。

 

家事をする男性にダントツ人気なのはゴミ捨て以外では料理だと思う。料理はレシピがあるし、手順も動画などで見ることができる。適当というハードルを越えなくても、一つ一つ確認しながらできる。なのに、洗濯はそうもいかない。洗濯には厳密なルールがあるような気がしている。

 

洗濯をはじめようとしている人に言えることは、まず、洗濯機のスペックを確認すること、そして、どのような表示、あるいはどのような基準によって洗剤の量が決められているのか把握すること。あとは使う洗剤がどういう表示になっているか。これを抑えておけば洗濯はできる。そのあとに柔軟剤だ。もちろん、洗濯表示や色落ち等のことは洗濯をする前に調べておいて、洗濯物を仕分けしておいて欲しい。

 

ここまでくれば洗濯はできる。

 

そうして洗濯にも慣れて、洗剤の詰め替え用なども触れることがあるだろう。お気に入りの柔軟剤ができた頃に、僕はまた洗濯の奥深さをしってしまった。

 

僕がいま使っている柔軟剤の詰め替え用は、手でカットできない。切り込みがないのだ。なんて不便なんだと、詰め替える度に、ハサミを取りに行っていた。一度、噛み切ってみたら切り口がギザギザになってしまって、詰め替えるのが大変だった。

 

この詰め替え用の詰め替え口は改善すべきじゃないか、と数ヶ月思っていた。

 

ハサミを使っていて思った。いや、もしかして、洗濯機周り、洗面台周りにはハサミがあるべきというメッセージなのではないだろうか。そう考えると思い当たることはいくつもある。洗濯後にヒョロッと糸が出ているのを面倒になって引っ張ったら余計ほつれてしまったなんてことはないだろうか。そんなときハサミがあればほつれなかったはずだ。

 

改善すべきは僕の方だった。柔軟剤の詰め替え用に教えてもらった。これだか家事は面白い。