いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

再び結露に困る!(主夫篇)<名古屋にきてから揉め事が増えた>

「壁の結露は無料修繕になった」
 

困ったことがあった。

 

我が家の結露はなかなか酷かった。窓の結露は二重窓や木製サッシなどでない限り、どのご家庭でも悩みの種だと思うし、部屋の中をあったかくして、湿度も保つとなれば、結露はつきものになる。

 

結露は、室内の湿度を40%くらいにしたとき、外気と室内温度の差が14度くらいで発生するという。湿度を上げれば、室内と外気の温度差が少なくても結露が発生する。

 

僕が住む愛知県では、冬場は湿度40%で室温は20度にすることを推奨している。国によっては、冬場の最低室温などが決まっているなんて話を聞いたことがある。日本にはそういう法律などはないにしても、推奨される状態にするのは、健康のためにも求められていることだろうし、ましてや自分たちで生活環境を調整できない子供がいるのであれば、適切な湿度と室温を保とうと心がけたりもする。

 

湿度40%で室温20度の場合、外の気温が6度で結露は発生する。窓の結露を毎日拭き取るのは大変ではあるけれども、冬の風物詩として楽しむのもいいかもしれない。

 

問題は壁の結露だった。外壁側の壁には断熱材などが入っているため、壁の結露は断熱材が入っていないことを示す。窓際の場合にはアルミサッシ付近に発生するかもしれないけれど、それは毎日拭き取るしかない。しかし、外壁側に断熱材が入っておらず、コンクリート壁にクロスが直張りされている場合は、クロスとコンクリート壁の間に結露が発生し、クロスを触るとグジュグジュとした状態になり、壁を伝って降りてきた結露により、床に水溜りができることもある。

 

うちはそんな状態になった。

 

台所の壁側と、なんであるのか分からないリビングルームから突き出た一角の壁はグジュグジュになっていた。これは、クロスを剥がして、断熱材を入れるか、珪藻土などを塗ろうかと思って、URの管理会社に相談した。

 

珍妙な回答だった。

 

「他の階の方も同じ間取りですが、他の方からは苦情がありません」

とか

「居室以外のところは外壁側であっても断熱材は入れておりません。そもそも結露は、居住されているから起こることであり、居住されていない住戸では結露が起こりません。そのため、外壁側の壁の結露に関しては居住されている方の都合による修繕となっており、仕様変更届けを出していただき、退去される場合は現場復帰にかかる費用を請求させていただきます。賃貸物件ですから」

とか

「湿度と室温を調整して、結露がでないようにしていただいております。またガスファンヒーターをお使いということなので、こちらもご使用をお控えくださるようお願いします」

 

といった回答だった。

 

僕は最初、修繕は自分でやろうと思っていた。ただ、以前、別の地域のURに住んでいたときに、建物そもそもの不具合から起こったことであれば、退去時に費用は請求しないとも言われていたので、退去時の請求に関して建物の構造上の欠陥を認めてもらって、退去時の費用を支払わないようにできないか相談するつもりだった。しかし、この対応に僕も少しカチンときた。

 

「他の人からは苦情がないから黙っていろ」これはよくあるクレーマー対応でもあるけれど、クレーマー対応以前に、普通の問い合わせや相談をクレーマー化させる対応になる。僕はクレーマー対応の仕事もしていたので、この言葉を聞いたときに、勝てると思ってしまった。苦情対応の素人だと思った。

 

「居住者がいれば当然発生する湿度を想定せずに設計した住戸に問題がある」なんのための住戸なのか。居住者を想定しない住戸にはそもそも問題があるのではないだろうか?

 

「愛知県の推奨でもある湿度と室温で結露が発生しているにもかかわらず、それを下回る環境をURが推奨する」ということなのだろうか? 国によっては法律違反だし、湿度40%以下をすすめるということは、インフルエンザ対策をするなということに等しい。

 

「ガスファンヒーターの使用を控える」ということも、自分の持ち家であれば、きっとガスファンヒーターの使用を控えたろう。しかし、賃貸であれば、そして、賃貸契約にガスファンヒーター禁止とあるわけでもないことからもなんだかおかしな対応だ。URは、ガスファンヒーターの使用を全面的に禁止しているのか。これはガス会社やガスファンヒーターを作っている会社も知っているのだろうか。

 

これらがUR都市機構の正しい対応であるのか疑問に思い、URの本社に電話してみた。管理事務所や住まいセンターだと僕はクレーマーとしての扱いしかされないだろうから、仕方ない。

 

「建物の構造上の欠陥であれば、無償で修繕します」

 

というのが本社の対応だった。すると、僕らが住んでいる地域の住まいセンターから連絡があり、謝罪と言い訳がひとしきりあってから、工事の者に現場調査させるということだった。工事の人はナイスガイだった。

 

「なんで、台所の外壁側に断熱材いれてないんですかね?」

 

「URの人がいうには、居室じゃないかららしいですよ。換気扇を回していたとしても、一番、湿気が発生する場所なのにおかしいですよね」

 

「ほんとそうですよね」

 

工事の日取りは決まり、無償での改修工事になった。大工さんやらクロス屋さんやら電気屋さんやら、カビ止めの塗料を塗る方やら、合計7人くらいの人たちによる工事だった。僕が当初、DIYでやろうと思ったレベルを超えた立派なもので、出来栄えにとても満足した。

 

引越してきてからというもの、この手の電話対応のトラブルが異常に多い。なんだか不思議だ。そういえば、昔、営業やクレーム対応の仕事をしているときに、交通費も宿泊費も出すから、短期でもいいから名古屋で営業してくれ、とかクレーム対応をしてくれ、とか言われたことを思い出した。お客さま対応が苦手な地域なのかもしれない。