いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

ベビーバスで困る!(東京篇)<父親学級とぎっくり腰>

「魔女の一撃」(長女1ヶ月)

 

困ったことがあった。

 

新生児は首がすわらないと言われる。首が座らないってどうしても頭の中で変換してしまいがちだし、首を椅子の座面にグイって押し付けるような肩こりで悩みすぎて色んなものを押し当てている人を想像してしまう。

 

首が据わらない。たぶん、こっちの方。首がぐらぐらしているとか安定しないという意味で使われる。だから、肩こりの人は関係ない。でも、腰痛は、巡り巡って関係がある。

 

区役所でお父さん教室とかそんな講習で、新生児の沐浴の仕方を習う。そこでは赤ちゃんの人形を使って沐浴させることを教わる。「うまいうまい」とか言われても実感が湧かない例のやつ。だって、お尻洗っているときに顔面が水に浸かった一回目があったんだ、漫画か何かで読んだけれども、人は水深3cmの水で危ないらしい。

 

だから、二回目か三回目かでうまくできたとしても褒められるようなお父さんじゃない。

 

はじめての沐浴は異常に緊張した。緊張しすぎて洗い残しもある。次こそは、次こそは、と顔面を水面につけないことだけに注意して少しずつ「うまいうまい」に近づいていく。

 

どうだ、この綺麗さは。と見惚れる暇もなくすぐに拭いてしっかりお包みを着せてやっと終わる。

 

これが沐浴の一連の流れだ。書きながら沐浴職人みたいな気持ちになって、わりと多くの人が苦もなくやっている沐浴について語ってしまった。お父さん教室でも人形の顔を濡らしたのは僕だけだった。

 

お父さん教室といえば、鉛のおもりをつけて妊婦体験をするという例のあれ。やる意味ないとまでは言わないけれども、筋肉量も違う者があれをやったところで、「妊娠ってそうでもないな」などとロクでもないことを思ってしまう。僕は少し思った。

 

「内臓の圧迫とかないし、胎児を気遣ってもないし」

 

妻から言われて、そうだよな、「妊娠ってこんなもんか」と3cmくらい思ったのを口に出さないで良かった。あの体験をやるなら、落としたら取り返しがつかないような大事な物を、たとえば国宝とかを持たせて、内臓に向かってグイって迫るような突起のある鉛のスーツでも着せて体験させた方がいいような気もする。怖くてできない人が続出するのが妊娠体験ってのはちょっとひねくれすぎた気もする。

 

沐浴の前後に罠があった。ベビーバスを用意してお湯を入れる。温度が大事だ。そこは慎重。なのに、そのあと、沐浴のあとの片付けで油断した。

 

お湯がそのまま残っているベビーバスを持ち上げた。持ち上げて一歩、二歩と踏み出したあたりで腰にきた。しかし、そのままベビーバスを投げ出してしまうと後が大変。置けるところまでゆっくり移動してベビーバスを降ろした。

 

ぎっくり腰になった。でも育児は続く。四つん這いでの育児が数日続いた。

 

お父さん教室は、体験も大事かもしれないけど、準備と後片付けをしっかりできるお父さんを養成するようにした方が育児はスムーズにいくかもしれない。