いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

バシネットで困る!(ボストン篇)<国際線に乳児を連れて>

「渡米」(長女5ヶ月)

 

困ったことがあった。

 

妻の仕事でボストンに行くことになった。長女は生後5ヶ月。こんなことを書くと乳児を連れてわざわざ海外に行くことなんてないのに、って思われてしまうかもしれない。僕もボストンでよく思った。

 

乳児を連れてボストンに二年間。困ることだらけなのは目に見えていたけれど、当時の僕は人間関係に疲れて、新天地に向かいたいと思っていたから日本を離れるのが嬉しかった。育児は日本にいてもアメリカにいてもきっと大変なのは変わらない、と妙に楽観的だった。

 

乳児に何かあると不安だということで、ボストン直行便はやめてシアトルで乗り換える便を選んだ。往復切符の方が安かったのかどうか忘れてしまったけど、往復切符で復路はキャンセルするやり方。

 

乳児を連れての飛行機。調べてみるとバシネットという簡易ベビーベッドがあるらしい。これをつけてもらえれば機内も安心。僕たちも少しは眠ることができるだろうと、バシネットが使える飛行機を調べて、予約のときに言われたように早めにチェックイン、搭乗手続きをした。

 

搭乗手続きのカウンターの裏には、バシネットらしきものがある。きっとあれだ。あれがうちのバシネットだ! と用意周到な妻の手際を尊敬していた。

 

「それ、うちが使うバシネットですか?」

 

「そうなると思いますよ」

 

そんなやりとりがあった気がする。子供を抱えているということもあり、荷物はそんなに多くない。事前に航空便やら船便で滞在先に送っておいた。旅慣れてきたなあと、自分の手際に照れていた。

 

「お客さま、すみません、この飛行機、バシネットつけられないタイプでした」

 

こういうこともある。バシネットに関しては予約ができないとか、なんとかかんとかって書いてあったことは読んでいた。明らかにがっかりした表情をしてしまった。だけど、怒ってない。怒ってないから怒ってしまいそうな人に対応するように用意周到に説明されるのは余計に落ち込む。僕ががっかりしたのは、もう今日は眠れないことが確定したからなんだ。

 

そういえば、なんとか席っていうような少々お高い席に移動すればバシネットが利用できるって言ってたかもしれない。そこでいくらか出せる男になりたかった。そこも落ち込むポイントだ。

 

「ずっと抱っこするぜ!」

 

そんな男になった。

 

ケチ、いや、そう、ケチでした。言い訳させてください。妊娠出産で産休育休などなどもありますけれども、出費に出費が重なって、ボストンの家賃はすごく高いし、物価も大変ってことを考えてしまいますと、少しでも倹約しなければ、抱っこ一つで倹約できるなら、この腕が痺れるくらい、眠れなくなるくらいなんだという攻めのケチ。つまり抱っこが銭を生んだ。

 

機内。よく泣く我が子はバシネットがあってもずっと抱っこだったと思う。僕の定位置はトイレの近く。キャビンアテンダントのみなさんが親切で代わる代わる抱っこしてくれたから妻は眠れて、僕もトイレに行けた。優しさはバシネットより素晴らしい。

 

シアトルからボストンに行く飛行機は空席が多かったから、三席分を使わせてもらった。そこで僕は寝た。こうして書いてみたら順調な旅だった。

 

操作ミスで記事を消してしまいました。不慣れですみません。