いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

水栓に困る!<3>(新築篇)<「あったらいい」ものと「なくてもいいもの」>

水栓に困る!<2>(新築篇)の続きになります。

 

僕は3歳くらいから18歳までとても狭い部屋に住んでいた。一家四人で単身者用の団地に住んでいたといえば分かる人には分かると思うが、とても狭いところでよくもまあ、18歳まで住んだものだ。個人の部屋はおろか子供部屋もない。夜に勉強したいときには、戦時中かのように電灯に毛布をつけてやったこともある。一家四人が同じ部屋で寝ているので、電気をつけて勉強したいときは光が漏れないようにしなければならなかった。僕が寝る場所の真上に電灯があったのは幸いだった。そんな環境で小学生のときから早く独立したいと思っていたため、家出も含めた外泊は小中高と年を重ねるたびに増えていった。そんな僕だから思うのかどうかは分からないが、子供たちには自分の部屋を与えたいと強く望んでいた。引きこもりで苦労した人には申し訳ないが、僕は引きこもりたかったし、引きこもりができるという選択肢があることに憧れすらある。引きこもりで苦労した人にそれを言ったら怒られたけれども。

 

幼児3人の育児をしていたUR住宅は、子供の頃に僕が住んでいた単身者用の団地と比べたら倍以上の広さがあった。子供一人の育児であればこれだけで十分だろう。しかし、子供3人となると子供部屋をひとつかふたつ作るのがやっとという感じだ。子供部屋を作れば妻か僕の仕事部屋のどちらかがなくなる。そんなことから、子供達にそれぞれの部屋を作るとなると、家を建てるしかないということで、我が家の戸建てプランが立ち上がった。立ち上がったはいいのだけれど、僕自身の知識不足や調査不足もあって、予算がガタガタだった。ガタガタ予算の皺寄せは、オプションや住宅設備に押し寄せる。

 

困ったことがあった。

 

「あったらいいな」を「いらないもの」にしていく過程は家づくりにおいて、夢が現実になっていく瞬間でもある。夢とはいえ、なんでもかんでも叶うのではなく、現実を見ながら夢を叶えていこうという意味で、夢が現実になる、というか、夢を現実にする、と言った方がいいかもしれない。そんな中で、防犯カメラを3台から2台に減らしてみたり、今からだと思い出せないことも多くある「あったらいいな」を「いらないもの」にしていった。今から思い出せないのだから、やはり「いらないもの」だったのかもしれない。床材をダウングレードしたが、家づくりの相談を受けて話しているときか、ブログでも書いていない限り、思い出すこともない。

 

しかし、そんな「いらないもの」の中でも最近、やっぱり「あった方がよかった」と思うものある。それが水栓だ。

 

水栓ないの? と思う人もいるかもしれないから、説明しておくと、我が家には水栓は二つある。玄関とスカイラナイと三井ホームが言っている大きめのベランダに一つずつある。スカイラナイの水栓は温水も出る混合タイプにしたが、これは設計の人から「普通の水栓でいいと思う」と言われたものを、プールなどに使用する際に混合の方がいいだろうということで混合タイプにした。今考えれば、夏場に出てくる水栓からの水はやや暖かいこともあるので、混合じゃなくてもよかったかもしれないが、子供たちの様子を見ていると、混合水栓の効果かどうかは分からないが、プールをはってすぐに飛び込んでも冷たくないのがいい、と喜んでいるから混合水栓でよかったのかもしれない、と実感としては薄弱だが、これでよかった、と思い込むことにしている。

 

玄関の水栓は、よくある蛇口が二つあるタイプのもので、手洗いができる蛇口が上部についていて、下部には水撒きホース用の蛇口がある。玄関に水栓があるのは「必要」なのがよくわかる。玄関前などを掃除するだけでなく、汚れ物を洗うにしても、手や足を洗うにしても玄関前の水栓はあった方がいい。次女三女が通う保育園では「どろんこ遊び」というのがあって、「どろんこ遊び」用の服を用意して持っていくと、帰りには泥だらけの服がビニール袋に入って持ち帰ってくる。この服の泥落としなどにも玄関先の水栓は便利だ。この「どろんこ遊び」は今年度から登園時に「どろんこ遊び」用の服で来るように言われたり、三女が「どろんこ遊び」をしたくないと言ったりしたので、うちの次女三女は「どろこん遊び」に不参加を表明したため、「どろんこ遊び」と水栓の関係はもうないけれども、そのうちまた汚れた子供たちが使うだろうと思っている。

 

玄関前の水栓、ベランダの水栓ともに役に立っている。このどちらがなくても不便を感じただろう。しかし、「あったらいいな」の計画ではもうひとつ水栓を作る予定だった。

 

水栓に困る!<4>(新築篇)に続きます。