いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

妥協に困る!<1>(新築篇)<家づくりは何が失敗なのか分からないものだ>

「家を建てるときの妥協ラインはどこなのか?」

 

困ったことがあった。

 

家を建てた人や、建てようと思っている人から、相談というほどでもないけれども、「ちょっと聞いてよ」的な話を聞くことが多い。家を建てた人は、当初は家を建てるという大きな決断を後悔したくないという気持ちもあるからか、痘痕(あばた)も靨(えくぼ)という昔からある例えが、いまは不適切な言葉とされてしまうか分からないが、悪い部分ですら良く見える感じで、なにかにつけ良かったと思うものだ。もちろん、僕もそうで、立地が良かった、ハウスメーカーがよかった、営業さんが良かった、施工管理の方が良かった、設計が良かったなど数え上げればキリがないくらい、さまざまな良かったに囲まれて、家のことを振り返るようにしている。

 

しかし住んでみれば、ああすれば良かった、になることも多い。この場合のああすれば良かったというのは、選択の余地があったのにしなかったこと、というのがもっとも後悔しやすいのではないだろうか。どちらかというと、他の人からすれば些細なことだったりすることが意外と気になるものだ。そして些細なことでもあるから、現状にとくに不満なしという感じで暮らしたりする。うちの場合で些細なことは、防犯カメラをもう一台増やせば良かったということや、裏庭にも散水栓をつければ良かった、という程度のもので、やろうと思えば、追加工事なりすれば解決することでもある。それに当時は全体の予算を削減するために、少しずつだけれども色々と削減したことで、現在の状態になっていることを考えれば、当時は当時の財政状況という大きな理由もあったのだから、考えてみても仕方ない。家づくりは夢と妥協の織物だ。

 

このような基本性能に関係のないことであれば、もともと外構などの追加工事でやったものなどは、住んでからでもどうとでもなる。ベランダの床面は防水加工のみでとくにタイルなどを敷いていないのは、予算の関係もあったし、床にタイルを敷かなくても性能的には問題もないというのもあったけれども、どんな床にしようか想像がつかなかったということもあって、住んでから、いろいろと追加工事もしたくなるだろうから、ベランダの床もそのときに一緒に施工しよう、などと営業さんとも話したものだった。ベランダの床をどんなふうにするかは、今でも妻と話したりしている。全部完成させないというのも、意外と楽しいかもしれない。

 

他にも未完成な部分はある。家庭菜園用の長女の農園とみんなの花壇と呼んでいる箇所もそうだ。これも現在はコンクリートブロックで味気ない。ここもタイルなどを貼ってみようと思ったけれども、あまりにも決めることが多すぎて、どんなタイルにするのか決められずに、また少しでも外構費用を減らそうとしたというのもあって、後日に回した。ベランダのタイルが決まったら、花壇のタイルも一緒に決めて同時に施工しようと思っている。花壇を見ながら、もう少し子供たちが大きくなってから一緒に日曜大工で作るのもいいかもしれないと、ふと夢見がちなお父さんとしてはそんな家族の景色を想像してしまう。

 

まあ、このあたりのことは、不満というよりも、そもそも分かっていたことでもある。

 

家を建ててみて不満に思ったことというような記事や動画を見ると、もっと大変なことで不満を感じている人も多いことを思えば、僕が書いたことなどは、不満とも言えないだろう。

 

家を建ててから深刻な不満は、なによりも、欠陥住宅だった、というものになる。僕の周囲では欠陥住宅だったという話はほとんど聞いたことがないけれど、欠陥住宅だった際に、周囲に「欠陥住宅だった」と言える人はあまりいないというだけかもしれない。

 

欠陥住宅の定義というのがあるのか分からないけれど、僕が思う欠陥住宅は、家の基本性能に問題があるという場合は、小さなことであっても欠陥住宅だと思っている。基本性能は、耐震性、機密性、断熱性、ダクトや排水等の配管なども含めたものだと思う。躯体に歪みがあったり、基礎に水が溜まっていたり、隙間風や雨漏り、排水等のトラブルがあると、これはもう、不満というよりも、苦情を言うレベルだと思う。せっかく建てた家が欠陥住宅だったら、ブログにも書きたくないだろうし、周囲の人にも言いたくないだろう。まあ、吹き抜けなどの間取りに関する不満もよく聞くけれども、これは欠陥住宅というよりも、間取りに関しては、営業さんと設計士さんとの相性もあるだろうし、見た目に素敵でも住んでみて不便というのはまた別の話だと思う。

 

間取りの話は何度か書いたけれど、僕は、吹き抜けはもちろん反対した。そもそも家族みんながリビングを通らないといけない間取りというのに僕は反対した。子供たちが引き篭もれる家にしたいという僕の個人的な見解があるからなんだけれども、この見解が良かったのか悪かったのかが分かるのは、子供たちが成長した20年後くらいに聞かないと分からない。あと反対したのは、回遊動線で、これまた結局、日々の生活で人は回遊しないので、ただ遠回りするだけだからやめておいた方がいいというものだ。これらは僕の反対が通ったのか、妻も回遊魚じゃないし、吹き抜けが必要な翼の生えたタイプでもないということから、その二つは採用しないで済んだ。僕が反対しながら採用されたのは、2階リビングキッチンだ。これはもう、仕方ない。不満があるといえば、買い物やゴミ出しのときに面倒というくらいだけれど、2階リビングはやはり気持ちがいいし、ダイニングから続く、三井ホームがいうところのスカイラナイという広めのベランダも、夏の間は子供たちがプールに入ったり、水浴びをしているので、反対はしていたけれど、良かったとも思っている。

 

妥協に困る!<2>(新築篇)に続きます。