いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

確定申告に困る!<5>(新築篇)<家の値段は上がったけれど、住宅ローン控除がある!>

確定申告に困る!<4>(新築篇)の続きです。

 

10年以上前に建てた家と、今の家では、同じような延面積、施工面積にもかかわらず、500万円以上の違いがあった。今の家の方が高い。これだけを見れば、10年で家の値段は500万円以上高くなっているのだから、家を建てるのは馬鹿らしいという気持ちになる人もいるだろう。たしかに金額だけを見れば、馬鹿らしい。500万円で何ができるかといえば、松坂牛はさておき、結構、良い車が買えてしまうだけでなく、子供の学費で考えれば、私学の大学に四年間くらい通える学費に匹敵してしまう。500万円は大金だ。

 

お金だけを見れば、持ち家派と賃貸派の終わりなき戦いのように、一つの基準だけではどうにも結論が見えないものにもなる。そしてまた、お金は大事ではあるけれども、お金だけの基準で生きているという人もあまりいないだろう。お金は基本であっても、お金は全てにはならないものだ。また、複式簿記などをやったことをある人は分かると思うけれど、そのお金が何に使用されたのか、ということを考えると、お金に対する考え方も少し変わる。複式簿記をはじめて知ったとき、僕は感動した。さて、複式簿記への感動は話が長くなるので、まずは、問題の家は500万円以上高くなったということにうつろう。

 

困ったことがあった。

 

前回建てた家よりも500万円以上高くなったけれども、ネットなどで口やかましく言われるほどの値上がりだという印象はなかった。建物の金額は500万円以上値上がりしていても、同じ設備ではないというのもあるし、それぞれの設備の性能が上がっているというのを加味すればという留保をいくつも付けた上での印象になる。もちろん、何度もいうけれども、値段は確実に高くなっている。高くなっているけれども、高くなっていたとしても、内容に不満が出るような値上がりという感じはしなかった、という感じだ。

 

そもそも、家が高くなるのは、家の性能を上げようとするから値段が高くなる。高気密高断熱になれば、それなりに値段が高くなる。うちも高気密高断熱じゃない家にしようとすれば、それこそ400万円から500万円は安くなるだろう。そこでハタと気がついた。

 

高気密高断熱に必要な金額は、高気密高断熱が条件になっている住宅ローン控除で減税される金額と同じくらいの金額になるのではないか?

 

つまり僕が言いたいのは、1回目に建てたときには、住宅ローン控除なるものはなかったと思うし、補助金などの類も太陽光パネル設置にいくらかあった程度で、他には何もなかったように思う。当時は消費税が8%になる前に急いで建てたから、消費税は5%というのが現在と比べてお得ではあるけれど、それはこの場合仕方がない。いまの消費税10%を考えると、5%の消費税というだけで何百万円という違いが出てくるが、これは建物の値上がりというより、税金の値上がりなので、消費税まで考慮するともう僕の話は崩壊だ。そもそも、消費税が上がるというのは、家を建てる施主だけの問題ではない。各設備を作るときに立って材料に消費税がかかっている。営業さんのボールペン1本にすら消費税はかかっている。10年以上前に5%だった消費税が10%になっているのだから、単純に考えれば、その消費税分だけ、それぞれの建材やら設備を作るときにも消費税がかかっているのだろう。10年以上前の消費税5%のときと比べて、5%以上値上がりするのは当然とも言える。

 

とにかく、当時は住宅ローン控除がなかった。そして、いまはある。当時と比べて500万円くらいは高くなっている建物だけれども、住宅ローン控除を最大限に受け取れば、400万円以上になる。そこに各種補助金だ。つまり、住宅ローン控除とは、十年前に建てた家と同じような金額で家を建てられるようにする、という仕組みなのではないだろうか。

 

家を建てて、一年近く経って僕がこんなことを言い出したのにはわけがある。

 

お気づきの方もいるだろうが、それは先日、確定申告で、住宅ローン控除の申請をして、無事に、というか、思っていたよりも少し多めに住宅ローン控除が受けられたからだった。

 

このところ、国会などの影響もあって税務署は荒れているようだけれど、僕が行ったときには、みなさん粛々と納税をしていた。そういえば、20年くらい前、僕がはじめて確定申告をやったときには、いまのようなe-taxなどというものはなかったと思う。見よう見まねで書類を作り、よく分からないことがあったら、全部の領収書をクリアファイルに入れて税務署の窓口に相談しに行っていた。まだ若かったというのもあって、税務署の窓口で職員さんにちゃんと書けていますと褒められたことを思い出して、少しにやついてしまった。確定申告は数をこなせばこなすほど楽になり、それもこれも、確定申告の時期になる前から、領収書を次ごと、用途ごとにまとめる癖がついたからかもしれないけれど、確定申告よりも、問題は、数年間保存義務のある書類を保存義務を超えてまで保管してしまって、大量の確定申告書類に部屋の一角が占拠されてしまったことだった。確定申告の書類を破棄するときに妙に緊張するのは僕だけだろうか。

 

確定申告に困る!<6>(新築篇)に続きます。