いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

子乗せ自転車に困る!<5>(主夫篇)<ボロボロになった子乗せ自転車>

子乗せ自転車に困る!<4>(主夫篇)の続きになります。

 

自宅から保育園まで徒歩3分程度の名古屋では子乗せ自転車の活躍の機会があまりなかった。子供たち3人が自宅から最も近い保育園に通えたことはとてもよかったし、保育園の主任には悩まされたけれども、政府の基準や方針などを客観的基準に取り入れている名古屋市の保育園入園基準であったため、保育園の送迎は障害児と多胎児がいる多子世帯の僕らはとても配慮されていたと思う。子乗せ自転車が活躍しないというのは、それはそれでいいことなんだと思う。子乗せ自転車だけじゃなく、車などを利用しなくても徒歩で保育園に通える方がいい。交通事故のリスクや熱中症のリスク等々を考えれば、同じ愛知県の豊田市のように小学区内の保育園利用に対して利用調整加点をつけるというのも行き届いた施策になるのだろう。しかし、同じ愛知県でも日進市の場合は、国の基準を下回っている。障害児、多胎児、多子に対して何の対策も考えていないばかりか、相談にすら乗ってくれない。そのため、子乗せ自転車が大活躍だった。運動になるといえばなるけれど、たまにやってられねえという気持ちにもなった。市役所からは来年度になれば保育園の定員を少し戻すため次女三女が徒歩圏内の小学区内の保育園に通える可能性があるという話があった。子乗せ自転車も4月まで保ってくれればいいと思った。

 

困ったことがあった。

 

ビッケポーラーも4月までとなれば、チェーン交換やチャイルドシートなどの交換も不要に思えてきた。それに、三女が通う保育園に1枠でも空きができれば、次女もすぐに転園できるということだった。また話がズレるけれども、保育園の定員に関しては、市役所が私立の保育園、幼稚園の定員が満たせるためにするという優遇措置として、公立保育園の定員を減らしていたということがそもそもの問題で、これは政府の通知などを読んでも、待機児童がない場合の措置として書かれていることでもある。待機児童が結構な数いるにも関わらず、公立保育園の定員を減らし利用者の選択肢を奪うだけでなく、市民を困難を強いたのは、民間業者との癒着でもあるのではないかと疑いたくなる。政府通知や市の計画などを引用しながら猛烈に抗議したところ、来年度からは定員を少し戻す方向になったということになったが、県庁の方に聞いてみると、来年度に定員を少し戻すのに、困難な状況であることを把握しながらも、なぜ、今年度中に1枠も増やすことができないのかはおかしいので聞いてみた方がいいと言われたので、市役所に聞いてみたけれど、市役所の裁量権にある、というお得意の答えしかなかった。この市役所は市議会でもこんな返答ばかりなので、市議から3回くらい同じ質問をされていたりする。市議会では、市の裁量権にあるという抑圧的な返答はさすがにしてなかった。最近、市の議事録を読むのが趣味になりつつある。理由をきちんと説明することができない市役所があることにちょっとびっくりした。

 

そんな市役所から、来年度からは次女も三女と同じ徒歩圏内の保育園に転園できるという通知が来た。正式に決まった。がんばれ、子乗せ自転車、がんばれビッケポーラー、がんばれブリヂストン。と、意気揚々と子乗せ自転車を走らせていると、坂道で異音。いやいや、困る。チェーンがガチャガチャと言い出した。そう、この坂道は過酷。高校生も自転車から降りて押している。下り坂は歓声を上げて降りているキッズがいるような坂道。僕も小学生だったらきっと何度も往復して楽しんだ坂。そんな中でチェーンが悲鳴を挙げ始めた。どうしましょう。予定のお役目御免まで、まだ三ヶ月ある。

 

急に寒くなってきたから不具合がでたのかもしれない。または、強風で倒れていたことがあったから噛み合わせがちょっと悪くなったのかもしれないと、1日、様子を見た。2日目はよりひどくなっていた。以前チェーン交換をすすめられたとき、チェーン交換は取り寄せになるから1週間か2週間かかる可能性があるとも言われていた。僕はタイミングが悪い男だ。

 

僕にはもう一つ計画があった。それは子乗せ自転車がお役目御免になったら、僕の自転車を買うという計画だった。夜な夜な自転車を調べていた。妻にも僕用の自転車を買う計画を話し、了承を得ていた。子乗せ自転車にも飽きていたというか、ハンドルに膝が当たらないように運転するのも疲れるから、今度は僕が快適な自転車を買おうと思っていた。そんな僕の夢の自転車を買うという計画が崩れ始めた。

 

「この自転車のチェーン交換をすればチェーンだけなら三ヶ月どころかもっと乗れるようになる。が、もうガタがきているから、チェーン交換したあとも乗り続けるとなると、ちょくちょく修理や交換が必要になる。それにまだ後部座席に子供を1人乗せて移動することもたまにあることを考えると、いっそのこと、新しい子乗せ自転車を買うという手もある」

 

そんな話を妻とした。もちろん、新しい子乗せ自転車を買うということは、僕の自転車は買えなくなるということでもあった。このことはちょっと予想していた。チェーンだけじゃなく全体的にガタが来ていることはもうわかっていたから、来年の三月まで保たない可能性はあると思っていた。次女の転園が今年中までにできないようなら、子供1人乗せられる子乗せ自転車が必要になると思って、それはそれで調べていた。そしてそれが僕の新しい自転車を兼ねることも予想していたので、子供たちが成長したらチャイルドシートが外せるような、そして普通のママチャリになるような自転車、タイヤが26インチの自転車がないかと探していた。ちなみに、いまの子乗せは20インチのタイヤだ。それが、26インチとなると同じくブリヂストンのアシスタか、ハイディーツー。この二つで迷っていた。値段は5万円以上違う。ハイディーツーの方が高い。数ヶ月の保育園の送迎、そしてその後のたまに子供を1人乗せるだけということだけを考えれば安い方を選ぶだろう。もちろん、安いに越したことはない。

 

合理的に、そして論理的に考えれば、安い方だ。しかし、そう、僕はそもそも、僕が乗るための自転車が欲しかった。電動でもないママチャリに当時5万円以上も出していた僕は、自転車は少しでも値段が上がると乗り心地が良くなることを知ってしまっていた。きっと、今度の自転車にしても5年以上は乗るだろう。そう考えると、必要最低限で選ぶよりも、年に1万円を多く出すことで、少しでも快適な自転車にした方がいいのではないか、なにより、ここで必要最低限の自転車を選んでしまったら、もうこれは僕の勝手な話だけれども、そんな自転車を必要にさせた市役所をますます恨むことになりそうだ、一漕ぎする度に憎しみのダイナモ発電が行われるに違いない。市役所の頑迷さ、非論理性を楽しいものに変えるには、少し贅沢して、喜びのダイナモ発電を行った方がいいだろう。

 

そして妻が寝ている間に、ブリヂストンのハイディーツーをまたまたsymaで購入した。これもレインカバーやら何やらを付けたら20万円くらいしてしまった。子乗せ自転車2台で40万円だ。ポチったあとに、やっぱりチェーン交換にした方がよかったかも、と思ってしまった。注文した翌日、妻から「自転車、ガチャガチャ言わなくなったよ」と言われた。乗ってみた。異音はなくなっていた。そう、僕はタイミングが悪い。「子乗せ」自転車が届くのを楽しみにしています。