いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

定員遵守に困る!<4>(自閉症児篇)<保育園の定員を減らしているのなら、あれもおかしい>

定員遵守に困る!<3>(自閉症児篇)の続きです。

 

保育園の利用調整を調べていたら、いろいろと穴ボコだらけだった。最初は、障害児や多胎児に対する配慮をしない、と偉そうにいうこども課に対して、配慮をしない法的根拠を提示してほしいという話だったのが、障害児への配慮の法的根拠が出てきたり、多胎児に対しても付随して書かれていたりした。こども課は「障害児や多胎児に対する配慮を一切しない」と文書でも送ってもらった態度に対して、一向に法的根拠が出せないでいる。そして、法律をいろいろ調べた僕から、あれはどうこれはどう?と次々に指摘されて、挙句、定員というこども課の最後の牙城も指摘されるようになってしまった。

 

困ったことがあった。

 

利用調整を読み直してみた。そこには、保育士等の保護者への優先利用がある。普段なら何も疑問に思わない優先利用の項目だ。保育士さんたちが優先的に保育園を利用することで、保育園の定員が増える、あるいは減らないことから、結果、多くの保育園利用者を益することになる。まさに公益のための優先利用ということになる。これも法律があった。

 

「保育士等の子どもの優先入所等に係る取扱いについて」

「・当該保育士等の勤務する保育園等が早期に当該保育士等の子どもの入園決定を把握して当該保育士の職場への復帰を確定させ、利用定員を増やすことを可能にし、保育の受け入れ枠の増加に大きく寄与するとともに、

・保育士等が妊娠・出産後、円滑に職場復帰できる環境を整えることにより、高い使命感と 希望をもって保育の道を選んだ方々が、仕事と家庭の両立を実現しながら、将来にわたって 活躍することが可能となり、保育士の処遇の改善にも大きな効果が見込まれることから、待機児童の解消等のために保育人材の確保が必要な市町村においては 、このような取組を行うよう努めること。」

 

というものだ。

 

このことから、保育士の利用調整、優先利用が待機児童解消に直接的につながる利用定員を増やすことが前提になっていることが分かる。しかし、我が市では、利用定員を減らしている。それにも関わらず、保育士の利用調整、優先利用という項目がある。これはどういうことなのだろうか? 不平等な利用調整になってしまっているのではないだろうか?

 

障害児、多胎児、多子への配慮は不平等になるからということで配慮をしなかった。また、転入者に関して不利益になる利用調整のため結果的に転入者の一部を拒絶し税収を減らし公益を損なうような施策を行っている。そしてまた、利用定員を減らし、待機児童や別園という状況を招いていながら保育士等への優先利用を行っているのだから、もうめちゃくちゃだ。ちなみに、優先利用がある法律の全文を読むと、働き方改革等への配慮が書いてあるが、我が市では、「実績不足」という減点がある。この実績不足というのは労働時間ではなく、どうやら収入で見ているようだ。フリーランスや自営業のように納品してからお金が支払われる場合は、仕事をしていたとしても実績不足とされてしまう。これもおかしなところだ。

 

僕は歴史が好きだ。いろんな歴史を調べていくと、天災なのか人災なのかという問題が多くある。アメリカのダストボウルにしても、アイルランドの大飢饉にしても、仕方ないことなのか人災なのか、という話は考えさせられる。それに比べれば、僕がいま直面している待機児童、別園の問題は、はるかに規模は小さいけれども、少なくとも、市役所の非論理的な、あるいは非倫理的な施策や、その方針のもとになる分析も素人じみていておかしいし、現状を見ないようなやり方には大きな問題を感じている。困っている人がいてもルールだから、と自らが作った根拠も不十分なルールを押し付けるあり方は、控えめにいっても、市民の信頼を損なうものだ。

 

市行政が十分に専門性を持って施策を行うことはもちろん大事ではあるけれど、それがもしできなかったとしたら、不備があると思ったときには、頑なにならずに、きちんと市民の話を聞き、法律はもちろんだけれども、市の総合計画に基づいて速やかに検討、是正してほしいと思う。これまでやってきたからそれでいいということでもない。そもそも定員200名のままだったら、もう少し待機児童問題は軽減されていたかもしれず、また、地域による特性を把握した施策を行なっていれば、まだマシだったのかもしれない。隣の市や町を見るだけでも、もっとマシな施策をしているのだから。