いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

枯葉に困る!<4>(新築篇)<自然がある庭とは、つまり、ちゃんと手入れがされた庭ということだ>

枯葉に困る!<3>(新築篇)の続きになります。

 

庭の手入れは大変だ。多くの人は雑草の大変さを思うだろう。もちろん、雑草の手入れは大変だ。雑草が嫌だから、庭は全部コンクリートにしたいという気持ちもよく分かるし、僕もコンクリートの庭にしてしまいたいと思っていた。しかし、ときに自然を感じたいと思うこともある。しかし、この自然、植物や虫などが集まる自然というものは、ちゃんと手入れをしないと見た目だけじゃなくて、ご近所にも迷惑をかけてしまうことになる。僕は一軒目の家で、裏のお宅に迷惑をかけてしまった。そして、今度の家では極力、近隣に迷惑をかけないように計画的な庭づくりを心がけた。しかし、今度は裏のアパートの植栽がうちの庭に枯葉を散らしていた。

 

困ったことがあった。

 

さてどうしたものかと思った。シャーウッドの樹木に咲く花は白く可愛らしいもので、咲き誇っているときには、僕は僕で素敵なものだと思っていた。しかし、その花が枯れて、うちの庭に散乱してくるとなると、ちょっとどうしようという気持ちにもなる。それにその樹木の種子も落ちてきている。もちろん枯葉も入ってくる。これはあれだ、隣のアパートの管理会社に言えばいいだろうと思って、隣のアパートを見てみると、本来なら管理会社などが書いてありそうなところに連絡先がない。しかし、有名なハウスメーカーの建物だ、調べれば分かるだろうということで調べて、管理会社に電話してみた。

 

「おっしゃられる場所にうちが管理している、シャーウッドはないようなのですが」

 

「しかし、そちらがきっと商標登録をされている一般的にも有名な名前が冠してある建物なんですけれど、どうしたらいいですか?」

 

もちろん、遠回しに書いているけれども、電話では正式名称でお互い言っている。で、調べるので数日お待ちくださいということになった。数日後、うちの裏のシャーウッドは、もちろん、有名ハウスメーカーのシャーウッドであることは間違いないのだけれども、シャーウッドの多くを管理しているところでは管理していないようで、関連会社でもなんでもない別の会社が管理しているということだった。後日、そこから僕に連絡があった。

 

「木を切りますので、それでいいですよね」

 

すみませんもなにもなく、また、うちの庭に散らばる枯れ花や枯葉に対することは一切なく、なぜか、被害者のような感じで、その管理会社の人は言ってきた。なんだか、「文句言われたから仕方なくやってやる」みたいな感じだった。その後、二ヶ月くらい経っても何もなかった。また枯葉が落ちているし、今度は蔦がうちに入ってきている。このままではうちまでシャーウッドの森の一部になってしまう。そういう計画なのかもしれない。そろそろまた何か言った方がいいのかと思っていたら、朝方、僕が不在のときに尋ねてきたらしく、たまたま在宅していた妻に「今日、木を切りますから!」と、また被害者のように言ってきたらしい。

 

木は切られていなかった。枝が切られていた。蔦はなくなっていた。作業の終わりに連絡の1本もないまま、業者はいなくなっていた。シャーウッドの敷地内の雑草は伸び放題のままだ。同じようなタイミングで、うちのとなりの市の土地にも除草作業が入ったけれど、市の土地の方が綺麗になっているくらいだった。シャーウッドの森の美しさはどこへやらと思った。シャーウッドができたときにはとても綺麗だったのに、1年の間、誰も草木の世話をしないものだから、ちょっとゴミなども捨てられている。それもそのままだ。管理会社もピンキリだし、契約内容などの違いもあるのだろうと思うけれど、シャーウッドの美しさを保とうとしない管理会社、管理契約をしているのだろう。草木の世話というのは難しいものだし、手間がかかる。月に一度以上の世話が必要なのだから、きちんと手入れをしようとすると契約金も高いのかもしれない。

 

そういえば、思い出したことがある。名古屋に引っ越してきて、東京と同じUR住宅に住んでいた。同じURなのに、名古屋のURは廊下などの共有部分の掃除がほとんどされてなかったし、草木の手入れもあまりされていなかった。東京のURでは、廊下の清掃は週に一度必ずあった。毎週水曜日に掃除の人と玄関前で挨拶をしていた。草木の手入れもされていて、汚いと思ったことがなかった。管理事務所に効いてみると、契約は週に3回清掃がされていることになっていたそうだけれども、廊下にあったゴキブリの死骸は一ヶ月以上そのままだったし、枯葉も二ヶ月は清掃されていなかった。となると、どうやら契約内容ではないのかもしれない。労働者としてはサボりが容認される名古屋の労働環境は素晴らしいけれど、名古屋外から来た利用者としてはちょっとひく感じだった。まあ、これも文化の違いかもしれない。そのうち慣れるだろう。

 

シャーウッドの管理会社の人に、僕は木を切り倒してくれとなんて一言も言っていない。「枯葉や花がうちに落ちてくるので困っています。定期的に清掃してくださるか、枝がこちらに出ないようにしてくださいますか」とお願いしただけだった。しかし、それが、その管理会社からすれば、やりたくないことだったのだろう。綺麗なものを維持するには、綺麗な心も大切ということかもしれない。まあ、僕は綺麗な心があまりないので、手入れが行き届いた自然を感じるお庭なんてものはできないから、部分的にしか草木を植えられないわけなんだけれども。