いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

値上げに困る!(ボストン篇)<家賃の更新料はないけれど、値上げはある>

「家賃は上がるものらしい」(長女1歳6ヶ月)

 

困ったことがあった。

 

ボストンで住んでいたボロいアパートも契約からもう時期一年という頃、噂には聞いていた賃上げの話があるかのかどうかとそわそわしていた。契約は一年更新ということもあって、あと一年もいることがない僕らは、数ヶ月後に退去することが契約違反にならないように話をつけておかなくちゃならなかった。

 

管理会社から、家賃が100ドル上がるというような連絡があった。喧嘩腰というほどでもないけれども、畳み掛けるようにして100ドルの値上げを言ってきた。とても強気だった。理由は物価の上昇やらなにやと言っていた。

 

値上げのことは既に分かっていた。アメリカの賃貸では一年ごとに値上げされるのが普通のことらし、交渉したりする人もいるかもしれないけれど、交渉しすぎるのも良くないとかそんな話をアメリカ生活のブログなどで読んでいたというのがある。

 

それにそもそも、僕らのアパートは僕が値段を間違えたのに、訂正する英語を考えていたら無言のプレッシャーになってしまって、100ドル安い金額で借りていた。

 

つまり、100ドルくらいの値上げは、本来の家賃になるだけだった。

 

値上げに関しても問題なく受けるつもりだった。だけど、なんだか相手としては値上げ交渉を警戒しているのか、すごい厳しい感じで交渉の余地がないような感じで言ってきたことが印象に残った。

 

「値上げが嫌ならすぐに退去してください。交渉はしません。近くの家賃と比べても安いアパートですので、値上げには正統性があります」

 

そんな感じだった。

 

「100ドルの値上げには文句ないよ。それでいこう! ただ一つだけ問題があるのは、僕らは数ヶ月後に帰国するから、一年間の契約はできないということなんだ」

 

「それは問題ない。転居する1ヶ月前に知らせてちょうだい!」

 

と最後は嬉しそうだった。

 

家賃の値上げ交渉というのは、管理会社にとっても負担なんだろうと思った。

 

家賃の値上げに関しては、賃上げがない物件もあれば、100ドルじゃすまない物件もあるそうだ。きっと、エイブルとかの日本人にとって安心な不動産屋なら、毎年の家賃交渉はないんじゃないか? というか、エイブルで借りた人からは、値下げ交渉も家賃交渉も聞いたことがない。そもそもエイブルが扱っている賃貸物件は家賃が高い。

 

ネットで見てみると、家賃交渉に頑張っている人もいれば、家賃交渉をしすぎて管理会社や大家と関係が悪くなった人の話なんかも聞く。個人の家で大家さんと仲良ければ家賃交渉もしやすいだろうと思う。知り合いのアメリカ人は5年間くらい住んでも値上げはされていないと言っていた。

 

そういえば、日本に帰ってきてから、ボストンに住んでいる日本人と連絡をとっていたら、家賃の値上げがすごいことになっているという話を聞いた。コロナが蔓延した最初の方は家賃が軒並み上がったらしい。管理会社にしても大家にしても、物価の上昇やらなんやらと、家賃を上げる理由さえあればすぐにしてくる。家賃を下げる場合は、住み手がいないときだけだろう。

 

ボストン以外の都市に住んでいないから分からないけど、ボストンでは1年以上住むと家賃の値上げがあるということを長期滞在の人は考えておいた方がいいかもしれない。家賃の値上げを理由に引っ越す人もいるし、交渉する人もいる。これはこれでアメリカ文化かもしれない。

 

そういえば、日本でも家賃の値上げというのはある。家賃を5万円あげたいと言われた友人がいる。彼の場合は、いわゆる事故物件と同じフロアに住んでいて、事故物件を理由に家賃が安かったということだった。きっと事故物件が事故としての告知義務がなくなったかなんかして、家賃を相場に戻そうとしたんだろうと思う。

 

彼の場合は、同フロアの住民たちと団結して、家賃の値上げを1万円にしたということだった。さすがに5万円は値上げしすぎだと思った。