いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

平面図に困る!<3>(新築編)<同じ間取りで作っても違う家になるだろう>

平面図に困る!<2>(新築編)の続きになります。

 

三つのハウスメーカーで迷っていた。友人からの紹介の三井ホームと、僕がずっと気になっていた一条工務店、それと1回目の家づくりのときに憧れたスウェーデンハウススウェーデンハウスさんは高いけれど、ヘンマベストというセミオーダーは値段が少しお手頃、といっても、三井ホームとそこまで変わるわけじゃないくらいの値段なのでお手頃というか、スウェーデンハウスさんでも予算内になりそうという意味でのお手頃という意味なので、家づくりをしているときに特有のちょっと金銭感覚がバグった状態の表現になる。スウェーデンさんのセミオーダーは間取りの変更もできるため、多くの人にとってはフルオーダーと変わらないような気もした。

 

この三つが候補になった。三井ホームさんは、適切な見積もりを作りたいということで、僕らの間取りの要望やキッチンをどうするかというようなことまで組み込んだ平面図と見積もりを作ってくれた。見事な間取り図だった。

 

困ったことがあった。

 

一条さんでは、仮契約をしても、施主側の要望を細やかに取り入れた間取りが出されない。セミオーダーのような間取りが出される。具体的にいうと、僕らは最初から和室は不要という話をしていたけれども、最後まで和室がある間取り図だった。部屋数も一つ少なかった。営業さん曰く、一条の見積もりは延べ床面積でほとんど決まるため、金額を見る分には間取りを変更しても同じになるということだった。また、三井ホームで提案された間取り図を持ってきてもらえれば、その通りにするということだった。

 

三井さんの図面を一条さんに渡すという行為は、正直、僕はしたくなかった。こういうことに違和感がない人もいるのかもしれないが、僕は違和感もあるし、嫌悪感もある。三井さんの図面を一条さんに渡して、間取りは三井さんの提案通りにした上で、三井さんよりも少し値段も安く、ここの設備の性能も高い一条さんで建てられるのであれば、損得勘定から、そんな一条さんの提案を喜ぶ人もいるかもしれない。けれど、そんなやり方はしちゃいけないという倫理観が僕にはある。倫理観のせいで金銭的に損することがあったとしても、僕の損得勘定によれば、金銭的な得を取ることで、自分の倫理観が崩壊することの方が損だとも思っている。

 

それに、三井さんの間取りは、三井さんの全体的な方針があってできているものなのだから、一条さんが三井さんの間取りと同じようにしたからと言って、同じになるとは限らない。一条さんで建てるなら、一条さんの考えによって導かれた間取りで建てたいと思う。

 

僕らが感じた三井さんと一条さんの大きな違いは、天井の高さということになるのかもしれないけれど、そもそもの考え方の違いというものになるのだと思う。過剰設備にならない程度に性能の良さを保持する三井と、これでもかと性能を上げる一条さんという違いは分かりやすい。そこにもう一つは、全体で見るか、部分で見るか、という違いのようにも思った。

 

一条さんの考え方は、一つ一つの部分の性能や役割を組み合わせて全体を作るというものだと思う。そのため、部分での性能がやばいくらいに高い。開放感を作るのであれば、吹き抜けという部分を入れればいいし、収納が必要であれば、収納できる部分は収納として機能させる。ユニットを組み合わせて家の全体ができるという考えなんだと思う。こうすると、一つ一つの性能を上げることで家全体の性能が上がるのだから、最先端の技術も取り入れ易い。家は性能というキャッチコピーに偽りなしのやり方だと思う。

 

三井さんの場合は、全体で考える。住む地域で設備も変えて、開放感が欲しいなら吹き抜けというのももちろんあるけれども、開放感が必要な場所がどこなのかを全体の間取りを調整しながら考える。2階をリビングにするのであれば、リビングを勾配天井にすることもできる。それに天井の高さも、配管で凸凹しないように、天井が低くなっても構わない廊下やトイレなどに配管をまとめて、天井の高さを調整する。つまり、これが、「㎥設計」という考えらしい。

 

家を部分で考えるか、全体で考えるか、どちらがいいとも言えない。住む人のライフスタイルにもよるだろう。

 

それに家を建てることを考えたときに、部分の良さの方がイメージしやすいというのはメリットになると思うし、全体となると素人にはなかなかイメージが湧かない。そんなことから、三井さんで家を建てるときには打ち合わせが多いというのもある。打ち合わせがまた細かい。妻がよくあくびをしていた。

 

平面図に困る!<4>(新築編)に続きます。