「3歳双子、保育園に落ちる」
困ったことがあった。
現在、長女と次女、三女は同じ保育園に通っている。名古屋市は比較的保育園の枠が余っているのか、あるいは、僕の住んでいる地域の保育園にゆとりがあるのか分からないけれど、同じ保育園に子供が3人通えているのはとても助かっている。
いま通っている保育園は、15;30分お迎えの人も多いことから、保護者がフルタイムという人も少ないことが分かる。つまり、点数が低くても保育園に入ることができるということだろう。また名古屋市の場合は、多胎児の加点などもあるので、双子は少しだけ保育園に入りやすいというのもある。いろいろな事情を加味して点数があるのは助かることでもある。
点数制度は充実している名古屋市だけれども、点数制度がいいからと言って、その場所にずっと住むわけにもいかない。人は点数のみに生きるにあらずだ。点数制度が行き届かなくても、自分たちの現状にあった場所に住むというのもある。そのためには、保育園に通えなくなることがあったとしても仕方ない、と思うしかない、もちろんきついことでもあるんだけれども、仕方ないものは仕方ない。
昨年の10月末あたりに、引っ越し先の市に保育園利用申込書を出した。妻が入院していたこともあって、バタバタとしながら提出と相談をした。
「兄弟児・多胎児加点ってないんですよね?」
「そうなんです。まだ、多胎児加点も兄弟児加点もないんです。申し訳ありません」
市役所の担当者と話してみると、担当者としては兄弟児や多胎児の育児の困難さを考えると、点数が必要なことも分かるし、他の自治体では多胎児に点数があることももちろん把握している。しかし、当市では多胎児加点がないということだった。
兄弟別園の困難さや、多胎児育児の問題などはたまにニュースになったりするけれども、保育園というのは、基本、一人の家族で一人の園児を想定しているのか、加点だけじゃなく、兄弟児や多胎児の保育環境に課題があるようにも思う。なにも、昨日今日、兄弟児や多胎児が出てきたわけでもないけれど、いつまでもイレギュラーな扱いになっている。育児は困るのはその保護者だけだから、ほっておけばどうにかするだろうと思っているのかもしれない。
最近、保育園や保育のことのニュースや特集も見かけることが増えた気がする。虐待保育や不適切保育と言われるものだ。で、お約束のように保育士不足という話になっている。これはこれで深刻なことなのかもしれないのだけれども、違和感もある。保育園不足や保育士不足はすぐに解決することでもない。そして解決できなそうな問題として、保育の問題を扱っているような気がしてしまう。
それと同時に、保育園には補助金も出ているし、公立ならば税金で運営もされている。また長女のように障害児であれば、障害児を受け入れただけでも別の補助金が出ている。そして、待機児童もいれば、保育士も不足しているし、子供を家で育児しなくてはならないこともある。
こんなことを言うとあれだけれども、家で育児をするということになったら、保育園などに補助金を出しているように、家で育児する人にも補助金を出すということにしてみたらどうだろうか。
園児一人あたりに当てはめると、どのくらいの金額が補助金で出ているのか分からないけれども、同額の補助金がもらえるというのであれば、家でのセルフ保育を選ぶ人も増えるのではないだろうか。とくに、兄弟児や多胎児の場合は、子供が多ければ多いほど補助金がもらえるし、障害児の場合は障害児を受け入れた保育園が受ける補助金もある、金額によっては、育児が落ち着くまで仕事を休むこともできるだろう。
こうすれば、待機児童という悲痛な言葉も少しは和らぎ、保育園不足、保育士不足も少しは解消されるのではないだろうか。金額によってはパートやアルバイトなどをするよりも生活が楽になるかもしれない。
僕のように育児歴がまだ5年、保育園の通園歴がまだ3年くらいの人間でもこのくらい思いつくのだから、専門家や市役所なんかはとっくに気がついているはずだ。なのにやらないということは、何か問題があるからなのだろうか?
自宅保育はやりたくてやっているわけじゃないのに、行政の対策は何もない気がする。長くなってしまったので、落選に困る!<下>(主夫篇)に続きます。