いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

買い替えに困る!<5>(主夫篇)<家電の不具合を調べてみる>

買い替えに困る!<4>(主夫篇)の続きです。

 

帰国してから買った家電にもそろそろ不具合が出てきた。あるものはパーツの交換が必要だったり、あるものは騙し騙し使い、あるものは原因不明だったりもする。バッテリーなどがあるものはバッテリーの劣化もあるだろう。細かいことが気になる僕は、ちょっとでも不具合が出てくるとすぐに原因を調べたり、自分で直そうとしたりする。これは子供の頃からの習性みたいなもので、不具合に対して不便を感じると共に、ちょっと楽しくなっている。

 

困ったことがあった。

 

僕が一番、困っているのは、ドラム式洗濯機の不具合だ。この不具合を簡単に言うと、乾燥が終わっても、洗濯物がしっとりとしていることがあるというものだ。そう、僕は、洗濯と乾燥が自動で行われる洗濯機に憧れていた。日本に帰ってきて、最初に熱望したのは、このドラム式洗濯機だった。乳児と幼児の洗濯物に明け暮れて、洗濯物を干すだけで家事は大変になる。そんなときの心強い味方が、洗濯と乾燥を自動でやってくれる全自動洗濯乾燥機なのは言うまでもない。ボストンにいるときから憧れていたし、帰国してからの仮の宿で部屋中に洗濯物を干しているときにも憧れた。

 

洗濯機も炊飯器同様に壊れないイメージがなぜかあった。子供の頃、我が家に全自動洗濯機が来たときのことも覚えているし、その洗濯機が、僕が家を出るまでの10年以上活躍していたのも覚えている。洗濯機の掃除は僕がやっていた。排水口のヘドロのようなものを取り除くのは大好きだった。この全自動になる前は、二層式の洗濯機で、いま、二層式の洗濯機と言っても若い人は知らなかったりする。二層式とは、洗濯機の層と、脱水する層の二層が並列に並んでいるもので、洗濯を終えた衣類等を水滴を垂らしながら、隣の脱水機に移し替え、脱水機のスイッチをいれて、脱水を行う。そもそも全自動とは、この洗濯と脱水が自動で行えるという物を指したと思う。あと、これはうちにはなかったけれど、脱水を遠心力によって行う前は、ローラー式の脱水機があって、二つのローラーの間に衣類等を挟んで、横のハンドルを回して脱水するというものがあった。このローラー式の脱水機が母の友人の家にあった。とっくに使われていなかったけれども、粗大ゴミを捨てるのが面倒だからなのか庭に放置されていた。ローラー式の脱水機は電力を必要としない。このローラーに草花などを入れて潰して遊んでいた。一度、手を入れてみようと思ったが、子供の力では片手でローラーを回すのは難しかったのか、それとも恐怖に負けたのか、途中でやめた記憶もある。なかなか危ない子供だった。

 

ローラー式の脱水機ほどじゃないにしても、二層式洗濯機も年季の入った家が多かったと思う。なかなか壊れない洗濯機だ。そういえば、大学に入ってからも、金のない学生たちは二層式の洗濯機を使っていたと思う。僕もお金がなかったが、そこは不潔と引き換えに、あまり洗濯しない代わりにコインランドリーを使うという節約術を使っていた。我が家の二層式洗濯機を全自動にしたのは、壊れたからなのか不具合があったからなのか判然とはしないが、洗濯と脱水まで自動でやってくれるのは、年子を育てている母にとってとても助かったのかもしれない。二層式の脱水機に専用の落とし蓋みたいなものがあって、その蓋と布団叩きで僕と弟はよく戦っていた。我が家の盾と矛だ。

 

洗濯機の歴史を追うつもりはなかったのに、ついつい懐かしい洗濯機たちの姿が思い出されてしまった。全自動洗濯機も今では、ドラム式全自動洗濯乾燥機になり、便利さは格段にあがった。それとともに複雑化した構造は、洗濯にまつわる多くのことを1台で解決するために不具合も起きやすくなっているようにも思える。以前は、くるくる回るだけでよかった洗濯機も、脱水のたびにグルングルンと勢いよく周り、そして乾燥機までやるはめになる。通常の洗濯で出た糸くずや埃などのゴミだけじゃなく、乾燥によるゴミまで様々な箇所に付着している。乾燥機能付き洗濯機の場合は、糸屑フィルターとか埃取りフィルターみたいなものがあって、乾燥から出たゴミをフィルターに運んで取れるようにしてくれている。これは洗濯のたびに掃除しているけれども、毎回のようにフィルターを細かく清掃できるわけもなく、ざーっと埃をとっている人も多いと思う。僕はざーっとだ。

 

買い替えに困る!<6>(主夫篇)に続きます。