防災に困る!<2>(新築篇)の続きです。
防災のことを考えて注文住宅で建てることを決断したのに、月々のローンの金額や変動金利の金利が上がることなどを考えると、ふと、注文住宅以外の選択肢があったのではないのだろうかと、考えても仕方のないことを考えることがある。マンションや建売を考えないわけではなかったけれども、集合住宅の場合は住民たちとの関係こそが防災だけじゃなく、住み心地を左右することでもあり、小さな子供がたくさんいると、ちょうどいい物件を探すだけでも一苦労だ。たまに雰囲気のいいマンションの話を聞くと羨ましいと思うこともある。友人が住むマンションは、育児世代が多いからか、ベビーカーの共有にはじまり育児支援にマンション全体で取り組んでいるという話を聞いたこともある。
マンションや建売という選択肢意外にも、中古物件という選択肢もある。これは憧れもあった。ちょっと考えてみよう。
注文住宅のご近所さんたちと話をしながら、それぞれに「家って高いよね」みたいな話になっていく中で、「〇〇さんのおうちは、中古で買って、それを自分たちでリフォームしたみたいで、すごい素敵なんですよ」という話題になった。ふと、中古物件のリフォームのことを想像した。きっと、一時期、そんなテレビ番組をよく見ていたからかもしれない。昔、働いていた職場で僕は日曜日というより、日曜の朝の9時から翌日月曜日の朝9時まで会社に待機していた。日曜日の待機は誰もやりたがらないけれど、日曜日の待機は仕事としては暇だったというのもあって、僕は率先してやっていた。毎週日曜日に仕事をして会社でご飯を食べてテレビをつけると、リフォームの番組がやっていて、いつの頃からか、その番組を見る習慣がついていた。まあ、この番組はいろいろと問題があったようで今ではあまり話題にはならないけれども、当時は結構、人気のある番組だったと思う。僕もこの番組が気に入っていて、いつか古い家でも買ってリフォームしてみたいと思ったこともある。
ご近所さんたちの話を聞きながら、そういえばリフォームもしたかったことを思い出していた。
注文住宅を建てた人たちの中で、中古物件が話題になるのは、結局のところ、よほど裕福じゃない限りは、注文住宅のお値段が高いと思っているのが大半だからというのもあるし、注文住宅でせっかく建てても、長年住めば資産としての価値は減ってしまう。そう考えたら、中古物件をリフォームした方がはるかにお得だ、とみな心のどこかで思っているからなんだろう。
中古物件を探すのは大変だ。注文住宅であれば、まず自分が住みたい場所を探すところから始まる。まあ、これも親類が土地を持っていたりすれば関係のない話だ。土地の相続は羨ましいと思う反面、相続する土地も譲渡される土地もないからといって、それが悪いわけでもない。何ももっていないからこそ、好きな土地を探せる。後輩の1人は、相続で土地を手に入れて、そこに家を建てたけれども、東京とはいえ駅からは遠いというのもあり、土地探しからしたかったとか贅沢なことを言っていた。しかし、自分にとっていいと思える土地を探せるのは、注文住宅などの場合は利点でもある。中古物件の場合も地域で探すことはできるけれども、それだと、中古物件にも限りがある。ある程度、運任せみたいなところもあるかもしれないし、長い時間をかけて探す覚悟も必要になるだろう。そうなると、余所者の僕らに中古物件はちょっと難しい。条件に合う中古物件を探している間も賃貸に住みながら家賃を払うことになる。数年待つことは僕らにはデメリットでしかない。家を買うつもりなのに家賃を払い続けるのはただのマイナスだ。
中古物件の条件を下げれば、探すのもそんなに難しくないかもしれない。では、どんな条件ならいいと思えるのか。リフォーム番組で見た知識によると、リフォーム番組では断熱材を入れるというのが多かった。それと耐震だ。基礎も場合にはよってはリフォーム対象になっていた気がする。これは古い家なら仕方ないことかもしれないけれど、よほど思い入れのある家とか、再建築不可物件とかではない限りは、あまりいい選択肢とは言えない気がする。土地の改良まであったとしたなら、新築を建てるのとそう変わらない費用がかかってしまうような気もする。あの番組では設計料などは計上されていなかった気がするから少し安く見えるだけだ。古い建材を使い回して、費用もあまり変わらないのであれば、最新の気密性や断熱性に優れた建材を使いたいとも思う。そうなると、築年数が古い中古物件というのは、費用の面を考えても、あまりいい選択だとは思えない。そんなことを思ったから、中古物件探しはしなかったというのもある。
防災に困る!<4>(新築篇)に続きます。