おもちゃ部屋に困る!<2>(主夫篇)の続きになります。
幼児が3人いる我が家では、ほんの数十分でびっくりするくらいおもちゃが散乱していることがある。子どもによっては1人でも散らかし放題なタイプもいるかもしれないけれど、うちの三姉妹は、一人一人はそこまで暴れん坊じゃないとしても、3人いると集団心理が働くのか、やるときにはやりすぎてしまうくらいの散らかしっぷりだ。育児の困難さは、子どもの数を冪乗で算出する、とかそんな話もあったけれど、まあ、これは、その子の個性から離れた現象のようなものかもしれない。
児相さんからも、おすすめの「やりたい放題の部屋」がうちにはある。散らかしっぱなしの部屋だ。しかし、散らかしっぱなしといっても、限度がある。1人の子どもにやりたい放題の部屋を使うのと、3人が使うのではまた違うだろう。これは大人でも一緒で、共同トイレや共同浴室の住居を使った人ならわかると思うけれど、トイレや浴室が汚いまま放置されるということがままある。一人暮らしであれば、綺麗にしている人でも、共同になると綺麗にしない。なぜかというと、「自分がやったわけではない」というのがあるからだ。僕は、共同トイレの誰がしたのか分からない汚物を綺麗にしていた。もう1人だけ綺麗好きな住民がいて、その人とは仲良くなってよく飲みに行くようになった。1人と集団では、人の習慣やモラルすらも変化しやすいものだと思った。
困ったことがあった。
オモチャ部屋は、児相の人に言われるまでもなく、乳児のときとはまた別の育児の困難さを解消するために、三井ホームさんとも話し合って作った場所だった。おもちゃ部屋がどれだけ散らかったとしても、散らかり過ぎれば、子どもたちも遊べなくなるのだから、勝手に片付けもするだろうという自浄作用に期待していた。自主管理というものだ。子どもの成長のためにもいいのではないか、と思う気持ち半分、これでもう「お片付けしなさい」とガミガミ言わなくなるから楽だ、という気持ち半分だ。なによりも、おもちゃで散らかった場所を見なくて済むのであれば、それでいいような気もしていた。
と、おもちゃ部屋が運用されてしばらくは、そんな感じで鷹揚に、おもちゃ部屋の散らかりを放置していた。たまにおもちゃ部屋を見てみると、足を踏み入れたくないような状態になっている。このままずっと放置できるのであれば、我慢比べみたいな感じで放置していてもよかったのだけれども、このおもちゃ部屋は、全館空調のフィルター清掃のときに僕も足を踏み入れる。フィルター清掃は、二週間に一度とされている。まあ、おもちゃ部屋の乱雑さを理由に、月に一度くらいになっている。
いつになったら片付けるのだろうか、と思いながら、優しく片付けに誘導する。長女は、片付けに対しては以前から前向きなので、僕がちょっと言っただけでも率先して行う。問題は、次女三女。特に三女はお片付けが嫌いで、三姉妹の中でもっとも散らかすのも三女だ。片付けの様子を見ていると、1人で片付ける長女と、長女の真似をして片付けをする次女、全く片付けずに、もう飽きていたはずのおもちゃで遊んでいる三女。片付けの途中で遊び始めてしまうという人がいるが、三女がそのタイプだ。そして遊んでいる三女に、次女がつられてしまって、最終的には長女だけが片付けをしている。
この数ヶ月、長女が中心になってお片付けをしていた。しかし、先月、長女は自分の部屋を手に入れて、自分のお気に入りのおもちゃは自分の部屋に移動させた。長女がおもちゃ部屋を片付ける理由がなくなってしまった。そうなると、次女三女の責任や責務のなすりつけあいになる。誰が散らかしたか、誰が片付けたかということを言い合って、結局、散らかったままになっている。
そういえば、長女のお部屋を作る少し前、おもちゃ部屋を片付ける度に争う三姉妹を見かねて、オモチャ部屋に棚を作った。一つの棚は長女のおもちゃを置く棚、二つ目は次女、三つ目は三女という感じだ。これで3人とも自分のおもちゃを自分で管理するということができるのではないかと思ったけれども、次女三女がルールを無視して、好きにやってしまうため、長女は諦め、次女と三女は争いを続けている。とくに三女は、カオスになっていればなっているほど、義務も責任も感じないで済むと思っているのか、率先して、散らかしている。三女の場合は、遊んでいて散らかったというよりも、散らかすことをやっているという感じだ。ティッシュをおもちゃ部屋に散乱させるのはいつでも三女だ。また、持ち込み禁止になっているお絵描きの部屋のペンも持ち込んだのも三女だ。三女はいつでも目的を達成している。
おもちゃ部屋に困る!<4>(主夫篇)に続きます。