秘訣に困る!<中>(主夫篇)の続きです。
引っ越してきてから、家事育児と仕事の両立がきつくなってしまった。新しい環境に慣れていないからきついのかと思って我慢してきたけれども、根本的な原因は保育園の送迎が二か所になってしまったことなんだとも思う。それでも、その中でも、家事と育児と仕事を両立させるために、大先輩からのお言葉があった。
困ったことがあった。
大きな原因は、保育園が別園になってしまって、いつもは、送りは妻、お迎えが僕みたいな役割分担だったのに、引っ越してからは、2人で送迎をやらないといけなくなってしまったこと。長女は妻が送迎、次女三女は僕が送迎。そしてたまに、長女のお迎えも、次女三女を連れた僕がやっている。この別園は市役所の利用調整の行き届かなさに原因があるとしても、なかなかきつい。
僕の仕事は夜遅くに打ち合わせが入ることもあるし、夜中まで資料を読んでいることがある。引っ越す前は、夜中まで資料を読んでいたとしても、妻が保育園に送ってくれるから、僕自身は寝坊が許されていて9時過ぎまで寝ていることが多々あった。朝4時すぎまで仕事をしていたときなどは10時すぎても寝ていたりした。しかし、いまは、何時まで仕事をしていたとしても7時半には起きなければならない。7時半に起きて、子供たちの着替えや何かをして保育園に送りに行く。自転車で片道20分くらいかかる。そして帰ってきたときには少し疲れたままで、ぼんやりしながら片付けをして家事と仕事になるけれども、仕事は眠くて手につかない。少し昼寝でもすればいいのかもしれないが、そうなると、きっと夜中に眠れなくなる。そう思うから昼寝もしないで、どうにか仕事をしてみるけれども、捗らない。で、夜中は夜中で、仕事の連絡なんかがあって、結局、はやく眠ることができない。そうすると、睡眠不足が数日続いてしまう。
僕の家事と育児と仕事の両立が難しくなっているのは、保育園別園が大きな原因になっているのは疑いようもない。
しかし、それを言ってもしかたない。市役所に何度も問い合わせているけれど、どうにもならない。役所の人も、僕から再三話を聞いて、どうやら、今の利用調整はちょっと問題がある、と思ったようで、来年度からは変えるみたいなことは、メールでも書いてきている。けれども、いまは変わらない。今年度は、不公平不平等な問題が起こっていると思っているならすぐに変えて欲しいけれども、来年度じゃないとダメらしい。何かおかしな気もする。近隣市町村と比べても、僕が引っ越してきたところの利用調整は少し考えれば論理的におかしいことが分かる。前例踏襲恐るべしだ。
さて、市役所の問題はおいておこう。
この両立の問題をどうするかだ。
仕事の大先輩が、家事と育児に疲弊した僕をはげます会を開いてくれた。小洒落た小料理屋に呼ばれた。
その方は女性で、仕事と家事と育児の両立に頑張ったというのもあって、僕をはげましたくなったようだった。
「私たちのように在宅仕事が多いと、ずっと家事や育児をやっちゃうでしょ。だからね、家事と育児は家族がいるときだけやりなさい。家族がいないときは、自分の時間なんだから、その時間に家事はしちゃだめ。掃除も洗濯も料理も、家族がいるときにしなさい。」
至言だと思った。
「洗濯なんて、夜にやって夜中に干したっていいのよ。食べ物なんて買い物に行かずに宅配にして、家族がいるときに作り置きすればいいのよ。掃除だってそう、子供がいたら邪魔かもしれないけれど、子供がいるときにやればいいのよ。そうしたら、子供たちが自分で片付けるようにもなるんだから」
普段、怖い大先輩なのに、このときは、なんて心強いんだろうと思った。
僕はどうやら、洗濯物の夜干しは雑菌が繁殖して臭くなるからとか、掃除に子供は邪魔だとか、料理中に子供がいたら危ないとか、そんなことばかり考えて、1人の時間を犠牲にしていたのかもしれない。これからは、家族がいるときに家事をやろうとも思った。
しかし、しかしばかりであれだけれど、太陽光発電を考えたら、節約として日中に家事をやる方が光熱費が浮くという考えも捨てがたい。節約した分のお小遣いを請求してみようか、とか不純なことを考えている。