太陽光発電に困る！＜中＞（新築篇）の続きです。
光熱費に悩んでいた僕が家を建てることになった。そうなると太陽光発電を検討することになる。太陽光発電はいろいろと言われるけれども、必要な人はつければいいし、いらない人はつけなくてもいい、そんな当たり前のことのような気もする。建てる家がどんな家なのかにもよるし、毎月の光熱費を見ながら思い悩む人なら無料でつけてもいいかもしれない。
困ったことがあった。
「全館空調だと、電気代は高いですよ。床暖房にして各部屋エアコンの方が電気代は抑えられます」
と一条さんの営業の方から言われていたというのもあって、全館空調の場合は、特に太陽光発電は外せないような気もしていた。話は変わるけれど、一条さんはライバル他社を悪く言う営業スタイルが多いらしい。普段は気さくで良い人なのに、他社のことになると悪口ばかりなので、僕のような人間はちょっとひいてしまう。ちなみに、三井ホームの営業さんは、その方が紳士だったからなのか分からないけど、他社の話をすると、ニコニコしながら、自社との比較をしてどんな違いがあるのかと自社の劣っている部分も説明してくれた。紳士だった。
と、それぞれの良さはあるということで、太陽光発電に話を戻すと、三井さんにしても、一条さんにしても、太陽光発電は必須になっているという話だった。太陽光とエコキュートの二つで僕の心配している電気代は抑えられる、そんな話だった。エコキュートについては勉強不足だったので、よく分からなかった。前の家ではエネファームだった。ガス併用だったからだ。
今回は、いまさらの響きはあるけれど、オール電化にすることにしていた。三井さんの紳士にオール電化の話をしたら、「ガスも使えるようにしておいた方がいいと思います」と言って、直近のお客さんたちは、ガス乾燥機を導入することが多いことなどを教えてくれた。たしかに、ガス乾燥機は魅力的だ。我が家のような洗濯物が多い家族にとってはガス乾燥機の方がいいに決まっている。三井さんのモデルハウスにも、ガス乾燥機があった。これは最後まで迷った。ガス乾燥機のためにガスを引き込むかどうするか。
「ガスを使わないにしても、ガス管は引き込んでおいた方がいいと思います」
そんな助言を受けて、ガス管は引き込むことにした。しかし、僕は、太陽光発電をフルに使うために、ガス製品を使うことはないと心に誓っていた。無料の太陽光発電を使い倒してやる。太陽光パネル費用がかからないのであれば、10年間の日中の電力はもはやプレゼントだ。この電力をフルに使い倒してやる、と妙なことを誓い、電気の乾燥機を日中にぶん回すことばかり考えていた。
そして家が建った。屋根いっぱいの太陽光パネル。電力会社とはオール電化プランという古い呼称が消えて、スマートなんとかみたいなものになっていた。住み始めてから、リクシルさんからリクシル電気の営業があった。太陽光も、窓サッシもドアもリクシルになってしまった我が家は、もうリクシルの家みたいなものかもしれないが、窓枠をYKKにしたかった僕は少しリクシルと距離を置きたいみたいな気持ちもあって、4月分の電気代の明細が出てから、検討しますというお返事をしていた。
4月の電気代が来た。
10000円だった。
ガスは基本料金すらない。オール電化のスマートなんとかプランだ。お昼の電気代が少し高くなっている代わりに夜が安くなるようなプラン。まさに太陽光発電をしている人のためのプランだ。それに僕は昼間、家で仕事をしている。仕事の合間に電気乾燥機で洗濯物を乾かしているし、エコキュートも昼間に稼働させている。煮込み料理なんかは太陽光で発電しているときに作ってしまう。炊飯器も日が出ているときに炊いている。できるだけ太陽光を使い倒すプランだ。
4月の電気代10000円は高いのだろうか？ スマートなんとかでガス代がないから、光熱費10000円と言っても良い。
去年の4月の電気代を見てみると、13000円だった。これにURのときはガス代が入るから、光熱費は20000円を超えていたのかもしれない。4月でも光熱費はそこそこかかっていた。戸建てに引っ越して、延べ床面積も増え、全館空調かつ換気システムも充実したにも関わらず、光熱費が半額くらいになっている。電力消費の多い夏場や冬場が楽しみになってきた。お誕生日算は使えなくなるけれども、子供たちがやりたいことなどに使えるお金が増えたと前向きに考えてみることにした。これだってプライスレスだ。もう何に張り合っているのかも分からない。
リクシル電気さんから営業の電話があった。リクシルさんと比較してみた。リクシルさんだったら、12000円くらいになるらしい。値段を理由に断ると「それは仕方ないですねー」と笑いながら、リクシル電気とはお別れできた。「未来電気のおかげです」と感謝は伝えました。
