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家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

発達支援相談に困る!<3>(自閉症児篇)<心と体の症状の捉え方は違う?>

発達支援相談に困る!<2>(自閉症児篇)の続きになります。

 

ネットなどで発達障害などを調べると、同じような記事を見ることがある。役立つことももちろんあるけれど、逆効果みたいなこともある。ネットで挙げられる発達障害の特性にいくつも当てはまりながらも、一つか二つ当てはまらないと、子供が発達障害だと認めたくない親は、藁にもすがる気持ちで「うちの子は違う」と思うこともある。これは大人でもそうだ。対人関係や職場などでトラブルを抱え、明らかになんらかのパーソナリティ障害などが思い浮かぶ人でも、ネットで見る障害特性のうち一つか二つでも当てはまらないと、「自分は違う」と思い込もうとしてしまう。もちろん、違うこともあるだろうが、まずは病院などで素直になって相談するのがいいと思うが、その機会が失われてしまうこともある。

 

発達障害やパーソナリティ障害の場合は、症状や障害特性にひとつでも当てはまらないと、「自分は違う」と思う人は、まるで、風邪などの諸症状の多くに当てはまりながら、一つでも当てはまらないと「風邪じゃない」と思う人のようだ。大人ですら、脳や心の問題では、こういった認知バイアス的なことが起こる。

 

困ったことがあった。

 

これを子供だとするとどうだろう。子供が体の病気になったとき、子供は自分でよく分かっていないことが多い。熱が出ていても、「熱が出ているから風邪かもしれない」と幼い子供が言ってくることは稀だ。顔を赤くしながらぼんやりした目つきで食欲をなくしながらも、椅子に座ってご飯を食べようとしているのが幼い子供だ。大人が気づいて「これは風邪だな、病院に行こう」と判断して病院に連れて行く。風邪にしても症状はいくつもある。発熱などはわかりやすいが、風邪の症状に「発熱、頭痛、関節痛、喉の痛み、鼻水、嘔吐」とあったときに、喉の痛みがないから風邪ではないと判断する人はあまりいないだろう。どれか一つでもあれば「風邪かな?」と思う人が多いと思う。子供が発熱していたら、発熱以外はとくになくても、まず「風邪かな?」と思うものだろう。そして、幼い子供は自身が発熱していたとしても、風邪だと思っていない、というか風邪を知らないこともある。5歳くらいになれば、風邪とは思わなくても「お熱がある」からお休みできるかも、くらいは思っているみたいだ。

 

ちなみに、うちの次女は、熱性痙攣をやっている。最初はぼんやりして熱っぽいくらいだったが、本人が「お腹が空いた」と言うものだから、座らせてゼリー状のパウチを与えていたら、真正面から倒れ込んで、痙攣を起こした。僕は、次女は風邪などでもなく、ちょっと熱が出たかな? という程度の幼児育児ではよくあることなので、食欲はあるから元気だろうと、気にせずに欲しがるゼリーをあげたのに、倒れて痙攣したものだから、大慌てだった。すぐに救急車を呼んで病院に行った。病院で医師から話を聞いて「一度目の熱性痙攣なので大きな問題はないが、二度目、三度目となると危険なのでそのときも救急車を呼んでください」と言われた。「今回は、救急車を呼ばない方がよかったですか?」と聞くと、「ネットなどでは一度目の熱性痙攣は安静にしていればいいので、救急車を呼ぶ必要はないと書かれていますが、何が起こるかわからないので、救急車を呼んでくださってよかったと思います」と言われた。後日、ネットを見てみると、「熱性痙攣は救急車を呼ばなくていい」というような記事があったので、それはそうかもしれないが、熱性痙攣かどうか、それが一度目なのかどうかも判断できないことも多いのになあ、と思ったものだった。ネットの記事は結果的には正しかったり、部分的には正しいこともあるが、病などさまざまな要素が絡むことを判断をするときにはネット以外の情報も集めた方がいい。

 

それから二年後、次女は発熱時に深夜痙攣をしていたが、体全体の痙攣ではなく、手をひょこひょこ動かすような痙攣であったため、いつでも救急車を呼べるように次女の近くで待機しながら様子を見ていると安静になったので救急車は呼ばずに翌日病院に行った。隣で同じく発熱して寝ていた三女は次女の手の動きをじっと見て、僕の顔をびっくりしたように見ていた。後日真似をして次女に見せて2人で笑っていた。一度経験し、相談して、そして調べていると、冷静に判断できるものだ。

 

体の場合であれば、このように何らかの対処をする。少しでも当てはまれば、「これはきっとそうだ」という感じで、とくに子供のことであれば、ハタから見れば過剰に思えるような心配をして病院に駆け込んだり、その逆で子供の傾向などを複合的に捉えて翌日病院に行くなどの判断や行動をするのが親だと思う。そうじゃない親もいるかもしれないけれど、というか、僕の親はあまり心配しないタイプで、風邪くらいで病院に行くことはあまりなかった。骨折した時にもあまりの痛さに病院に行くと言ったら「大袈裟ねえ」と言われたものだった。そのときは僕も10歳くらいになっていたので、どのくらい痛かったら病院にいくべきか、というくらいは分かっていたから、自分で判断し、骨折と診断され、ギプス姿で帰宅した。そういえば、もっと小さい頃、4,5歳の頃、僕は呼吸ができなくてよく倒れていたため病院に連れて行かれたことがあったが、病院でとくに何の処方もされずに、プールに通えと言われてからは、呼吸ができなくて倒れていても病院に連れて行かれることはなかった。下を向いてうずくまっていれば呼吸は徐々に回復した。過呼吸みたいなこともあれば、息を吐くこともできないこともあった。母親としてはプールに通っているからいいだろう、と思ったのだろう。このときの医者から「この子は呼吸がうまくできないから、長く生きられないかもしれない」と言われた記憶が僕にはある。子供の病気や障害特性に向き合うのは、子供より親なのだろう。

 

発達支援相談に困る!<4>(自閉症児篇)に続きます。