いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

新環境に困る!<5>(自閉症児篇)<新しい環境に順応しています>

新環境に困る!<5>(自閉症児篇)の続きになります。

 

保育園の途中から通っていた療育の効果か、小学校の支援級の効果か、あるいは長女の成長なのかは分からないが、それら全てがうまく行っているからだとも思うけれども、小学校入学という環境の変化に長女は順応していった。最初は保育園のお友達と違うクラス(支援級)になることをどう捉えていいのか分からずにいた長女だけれども、小学校はそもそもクラスがたくさんあるため、保育園のお友達もバラバラになっているから、そんなには気にならないみたいだ。また、支援級でできた友達もいい子だったり、支援級に通う療育に通う先輩もいることが長女を落ち着かせているのかもしれない。

 

長女は前向きになり、小学校が楽しいと言うようになった。保育園のときには聞いたこともない言葉だった。集団下校なども、しばらくは僕が見守っていたのだけれども、長女から来なくていいと言われて、GPSだけで見守るようになった。なんだか急に頼もしくなっている長女だった。集団下校時の長女は、集団から離れることもなく、人一倍ルールを守るように歩いている。信号を渡るときにも、右左とやっている。なんだか一人だけキビキビしすぎているような気もするけれども、悪いことじゃない。僕を見つけても、長女は「パパー」と言って手を繋ぎにくるでもなく、目も合わせずに、ビシッとしている。まあ、自閉症児らしいと言えばらしいのだけれども、決められたことを守っているだけで、長女がおかしく見えてしまうのは、ちょっとルールを逸脱するくらいが「普通」とされているからなのであり、それなら、ちょっとルールを逸脱することもルール化して欲しいと自閉症傾向の者は思うわけだけれども、なんだかこれは、政治批判とかにもなりそうな気がしてきたので、この辺にしよう。

 

困ったことがあった。

 

受給日数が15日ある長女は、週に3回療育が受けられる。これは名古屋市で長女が受けていた回数と同じだ。名古屋市の場合は最大で週4日、それに療育センターがあった。そのときは、週に一度行っていたところを長女が嫌がったので、週3回が療育、それプラスで月に1回が療育センターとなっていた。内訳はさておき、長女は名古屋市にいたときと同じ回数の療育が受けられる。言い方を変えれば、隣の市なのに、日進市に住む障害児は、名古屋市よりも療育の機会が少なくなる傾向が強い。僕のように、粘り強く頑張って交渉しないと、15日すらもらえない。名古屋市の場合は、国が認める日数の23日がでる。

 

受給日数が15日あるからと言っても、それはある意味で機会だけはある、ということだ。実際に、長女が通ってみて通い続けられるかどうか、嫌がらないかどうかはまた別の話になる。見学をするというのは、そういう持続可能性を確かめることになる。

 

どんな療育なら長女は通えるのか。

 

僕が見学をする際に、見るところはいくつかある。長女のように言語認識能力が低い場合は、視覚支援がなされているかどうかというのはチェックポイントの一つだ。持ち物などの確認が視覚でわかりやすくなっているのか、道具などの配置も視覚的に捉えるようになっているのか等々、視覚支援を積極的に行っている施設は、その辺のことへの気配りがなされている。あと、僕が気に入ったのは、何もない小さな部屋があったことだった。こういう部屋は、自閉症児のように一人で静かに篭りたい場所を求める傾向が強い場合には必要になる。あとの観察は、先生たちが何を大事にしているのか、子供のどういうところを気にかけているのか、ということになるが、こればかりは相性みたいなものもある。

 

この見学のときには、利用者がいなかったので、施設の状態を見て、先生たちの雰囲気などを見て終わった。僕としては通わせたいと思った。妻からは、綺麗好きな長女が気にするポイントとして、建物の綺麗さやトイレの綺麗さはどうだった? という質問があったけれども、これは僕には妥協しなければならないことでもあるので、そんなには気にしなかった。不潔でなければいい、という程度にすべきだろう。たとえ和式だとしても、それもまた経験だとか思っていたが、さすがに洋式トイレだった。建物は古そうだったし、物も多いから、地震のときには心配かもしれないが、家からも歩いて10分程度の場所だ。何かあればすぐに迎えに行ける。まあ、週に一度、しかも3時間程度の療育で、耐震や災害なども気にし始めたら、どこにも通えないだろう。そもそも、長女が気に入って通っている療育と同じくらいな感じの築年数に思えたから、きっと大丈夫だと思った。名古屋で通っていた療育が綺麗すぎる建物だったのだ。

 

次は長女と体験入所となった。長女はとても楽しみにしていた。

 

新環境に困る!<6>(自閉症児篇)に続きます。