いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

新環境に困る!<4>(自閉症児篇)<環境の変化がある中で、変わらない環境を確保すること>

新環境に困る!<3>(自閉症児篇)の続きです。

 

東京からボストン、ボストンから東京、そして東京から名古屋、さらに名古屋から日進と、6歳までの長女にとっては目まぐるしい環境の変化が続いた。大人にとっても6年でこれだけ住む場所が変わるのというのは、なかなかきつい。独り身であればまだあれだけれども、いや、僕は引っ越しが嫌いだからできるだけ引っ越さないようにしていたけれど、それでも18歳で家を出てから、ボストンに行くまでの22年の中で5回ほど引っ越していて、毎回、それがストレスだった。引っ越しをして数ヶ月は家に帰りたくないと思っていた。22年で5回なら少ないのかもしれないけれど、引っ越しをするくらいなら更新料を払うタイプだ。中には、引っ越しが好きという人もいるらしい。どうしたら、そんなに逞しくなれるのか羨ましい。

 

6歳にしては目まぐるしく環境が変わってきた長女を見ながら、僕らも徐々に対策をとるようになっていた。それは、一つくらいは変わらないものを用意するということ、もちろん、家が変わらないというのは大きいけれど、保育園や小学校など、外にも居場所ができている中で、家以外の長女の居場所で変わらない場所というのがあるといいのではないか、と思うようになっていた。

 

日進市に引っ越して、双子の片方、三女が長女の小学校の近くの保育園に転園になり、また4歳になった双子の片方、次女は特にしっかりしてきたということもあって、お留守番ができるようになってきた。そんなこともあって、長女は小学校の近くの療育に通えるようになった。幸いなことに、この療育を長女は気に入っていたので、小学校入学後もこのまま通わせることにした。小学校入学と同時に通える療育が他があり、長女に合っていそうなところもあったけれども、まずは、以前から通っている療育だけにして、長女の様子を見ながら療育を増やすか検討しようということにしていた。

 

困ったことがあった。

 

長女の新環境での安定は、この同じ療育に通えていたというのもあるだろう。また長女の通う小学校の支援級はサポートがしっかりしているので、細かいことも保護者と擦り合わせてくれたというのもある。同じ支援級の友達とも気が合ったというのも大きいかもしれない。いまでは長女の一番のお友達らしい。保育園では多少の対人トラブルを抱えていた長女だったけれど、支援級だとトラブルが起きても先生たちがフォローしてくれるし、療育では長女と同じような感じのお友達がいるため対人で悩むことはないみたいだ。療育では、見学に来たときに長女と仲良くなって同じ曜日を希望してくれたというお友達もいるらしい。長女の世界は僕の知らないところで広がっている。

 

障害者支援センターの担当の方とも連絡をとっていた。新しい環境で長女が不安定にならないかなど相談していた。4月を終えて思ったよりも順調であることを伝えると喜んでくれた。そこでだ。そこで、僕らが療育受給認定が近隣市と比べて厳しいと言われる日進市(議会では市担当者が実情と異なる、それこそ、判定などの詳しい違いを明示しない<平均日数>のみを述べていたが、実情とは違うという苦情がすでに市議に寄せられているらしい)から、交渉の末に、15日をもぎとった意味が出てきた。長女の様子が落ち着いてから行こうと思っていた新しい療育に通うことにしたのだ。

 

その療育では、お絵かきなどの個別指導もしている。絵本などはいまだに読めない長女だけれども、お絵描きは一歳頃からずっとやっている。たまにお絵描きに飽きることもあるみたいだけれど、いつの間にか、毎日のようにお絵描きをする。小学校に入学した当初は、お絵描きをやめていたが、一ヶ月くらいするとまたお絵描きをするようになった。そして長女からお絵描きをもっとしたいと言われた。長女には、お絵描きの個別指導がある療育のことは教えてあったので、そこに行きたいということだった。名古屋で長女が好きだった療育もいわゆるアート療育で、そこでも長女はお絵描きや工作をやっていた。

 

新しい療育のところに電話すると、まずは保護者が一人で、しかも利用者がいない時間、平日に来て欲しいということだった。ちょっと忙しい時期だったけれども、月曜日だけならどうにかなりそうなので見学に行ってみた。家からも比較的近く、送迎もある。また絵を教えてくれる先生もいるし、長女と同じ学校の子も通っている。ちなみに、ここは支援級に通っている児童しか受け入れていないということだった。そこでも僕らの15日という受給日数は驚かれた。自閉症や軽度知的障害では、支援級に通っていても、日進市は8日程度しか受給されないと言っていた。これは長女が通う別の療育でも言われたことで、市議会で市の担当者が言っていたこととなんだか矛盾する。少なくとも、現状とは違ったことを市議会で言っているとしか思えない。重度の子の受給日数の平均と、軽度の受給日数の平均を足して、それから平均を取って、「日進市では12日程度」とかなんとか言っているのだろう。日進市がよくやる詐欺会社のような手口だ。と、また日進市批判になってしまった。

 

新環境に困る!<5>(自閉症児篇)に続きます。