「予定より500万円ほど増やすことになった」
困ったことがあった。
どんな買い物にしても予算というものがあるだろう。はじめて予算というのを気にしたのは、小学校の遠足でお約束のおやつは300円までという有名なおやつ予算だと思うけれど、当時は消費税があったかどうか分からないくらい昔なので、今では、330円になっているのかもしれない。そういえば、僕が小学校のときはバブルだったということもあって、物価がそれなりに高くて、マクドナルドのハンバーガーでも200円以上したと思うから、当時の300円と、デフレ後の300円では買えるものは違うだろう。いまはまた物価が上がっているから、300円予算で悩む小学生は増えているかもしれない。
物価の変動はなかなかシビアだ。
何度も書いているけれど、僕が家を建てるのは二度目だ。一度目は10年以上前、消費税が5%から8%に変わる直前に駆け込みで家を建てたように思う。家のように大きなお金が動くときには、3%の違いは大きい。今は10%だから、前と比べるとすでに5%の違いがある。
そして、家の値段はこの数年どんどん値上がりしている。今回はどのハウスメーカーも値上げ値上げという状態の中で買うことになった。投資目的じゃないのだから、値上げだとしても買うしかない。待っていれば安くなるというものでもないし、いま住んでいるところからはやく出たいというのもあるし、子供たちの成長を考えると、できるだけ早く家を建てた方がいいと思った。
前回は10年以上前だったし、消費税も5%だった。それにそのとき建てたハウスメーカーは三井ホームよりも安いところだった。頭では分かっているけれども、前回家を建てたときの予算が頭から離れなかった。
前回は東京で家を建てた。今回は愛知。大きな違いは土地の値段。偶然だけれど、前回買った土地と今回買った土地の広さは同じだった。同じ土地でも、東京の土地は愛知で買った土地の倍以上だった。2.5倍くらい違っている。東京で家を建てたときの予算の3分の2は土地の値段だった。東京で家を建てるのは大変なことだと思う。土地が高すぎる。
今回は、土地は予算の範囲で買うことができた。予算より安くなるかと思っていたけれど、思っていたよりも少し広い土地になった。僕らに必要な広さの家を建てても、駐車場や庭までつけることができる。東京だったら、この広さの土地を買うだけで建物含めた全体の予算を超えていたと思う。買えた土地は、広さも立地も予算も申し分ないものだった。
問題は上物だ。
ネットで坪単価やなんやらを調べながら、オプションやら何やらをつけることを考えると、予算的に35坪くらいにした方がいいのかと思って、一条さんや三井さんや他のハウスメーカーにも相談していると、どうやら、35坪の家だと、子供の部屋が一つ足りなくなるし、仕事部屋も一つしか作れない。ちょっと厳しいということになった。40坪から42坪くらいにすると、間取りとしては十分になる。しかし、40坪で、オプションやら消費税やらの諸経費など諸々を加えてみると、予算を超えてしまう。
どうやら500万円くらい足りないようだ。住宅ローン減税やら子供みらいなんとかがあっても、500万円くらい足りないような気がする。
500万円予算を増やせば、余裕というわけでもないけれど、間取りにしてもオプションにしても欲しいと思っているものはつけられる。5坪以上広くするのだから、細々削っても当初の予算内でできるわけもない。
困った。
ここで思ったことがある。僕らが買った土地の立地はいい。駅まで徒歩圏内だし、買い物する場所も徒歩圏内にある。引っ越したら車を買おうと思っていたけれど、この立地であれば車はいらないようにも思えた。そもそも、僕も妻も車の運転が苦手だから、車購入に対してはそんなに前向きでもなかったというのもある。
車を買うために考えていた予算を、家の予算にしようじゃないか、ということになった。車は5人家族ということもあって、大きなものを買おうとしていたから、500万円ほどのものを考えていた。
愛知県は車文化だ。車がないと言うと驚かれる。また、僕らが土地を買った地域は名古屋市外ということもあって、車があるのが当たり前だと思われている場所だ。それでも、車をやめようと思った。車に乗っている時間よりも家にいる時間の方が長いし、そもそも車での行動を考えていない僕らは、車がない状態で生活ができるようになっている。
しかし、この地域は車が必要と言われている。それに、長女の療育や、子供たちの習い事の送迎などには車が必要になるのではないか? ということも考えた。子供3人を同時に移動させるのであれば車が必須だけれど、ファミリーサポートなどを利用すればどうにかなる。家の広さはファミリーサポートなどじゃどうにもならない。車を諦めて、家を広くするしかない。そんなふうに考えた。
予算に困る!<中>(新築篇)に続きます。