いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

送迎に困る!<中>(自閉症児篇)<名古屋のアート療育と送迎付き療育>

送迎に困る!<上>(自閉症児篇)の続きになります。

 

名古屋に来てから最初に通った療育の方針は長女の状態とはあまり合っていなかった。療育にもそれぞれの役割があると思うし、方針が合わない療育に無理矢理通ったり、欠席ばかりしていたら、本来、その療育を必要としている人の席を奪ってしまうことにもなる。話し合って折り合いがつかないと思ったので、名古屋に来て最初に通った療育はやめることにした。

 

困ったことがあった。

 

よかったことがあった。

 

その後、長女はアート療育に通った。ここはお気に入りだった。言葉ができない長女はお絵描きや造作で自分の思っていることや考えていることを伝えていた。ボストンでも長女は言葉ではなく、絵や色で伝えようとしているから、言語だけでなく、視覚的なアプローチをするように言われていた。

 

アート療育はとても素晴らしく。先生たちの距離感もよかった。長女が不安定なときにはゆっくりとせかさずに手助けしてくれた。また、長女が男性の先生だと少しビビってしまうということを話すと、女性の先生が担当してくれるようになった。しかし、ここはそこそこ遠い。自転車で送迎をしていたけれど、引越しに伴い通うことができなくなってしまった。送迎サービスは名古屋市内というか、ある程度の距離の制約があるみたいだ。それは仕方ないことだ。

 

もう一つの療育は、保育園まで迎えに来てくれて、そのあとは自宅まで送ってくれるという保護者の夢を叶えてくれる療育だった。ここも素敵な療育だった。ここでは言語や運動はもちろん、生活面でのサポートが中心で、買い物に言ってくれたり、外食をしてくれたり、料理を作ったり、野菜を育てたりしていて、長女が野菜を積極的に食べるようになったのも、この療育に行ってからだった。また、4歳を過ぎたあたりから、長女の言葉も増えてきて、この療育の中の集団行動の練習もトラブルは少なかった。そういえば、1人の男の子が長女のことが気になり過ぎて、先生たちが目を離した隙に、長女にちょっかいを出してしまうらしく、たまにほっぺたなどに傷をつくって帰ってきていた。子供同士の何かで傷ができるくらいはなんともないことだと僕は思っているし、長女は長女で「なになに君の手が当たったんだよ」と笑いながら話していたので気にしていなかった。長女は、傷ができると、そこにキャラクター絆創膏を貼ってもらうのが嬉しいみたいだった。

 

と、名古屋に来てから、三つの療育に通った。最初の療育はまだ長女には早かったかもしれないけれど、あと二つは長女の言語的な発達や感情が落ち着いてきたことなどを含めて、僕らにとっても良い相談相手にもなってくれたし、障害児育児が少し楽になった。

 

長女は、保育園の他の友達は療育に行かないのに、なぜ自分だけが通うのかが不思議になってきたらしい。たまに、療育に行かずにみんなと一緒にいたいと言うようにもなっていた。とはいえ、長女の成長はこれまでの療育の先生たちの尽力があってこそだと思っているから療育には通って欲しい。療育抜きでは、発語や感情の安定なども含めて、ここまでできなかった。外食一つにしても、双子の妹がいるとなかなか外食もできないし、野菜を育てたり、一緒に料理をするなんてことも難しい。それに、季節ごとのイベントもやってくれたりした。

 

そういえば、自宅までサンタクロースに扮してプレゼントを渡してくれたこともあった。このときは、次女三女へのプレゼントは用意できないと前もって言われていたので、前日に、僕らで買っておいたプレゼントをサンタさんから渡してくれるようにお願いして、自宅に来たときには、三姉妹がサンタさんからプレゼントをもらえるようにしてもらった。制度でできないことがあっても話し合ったりすることでお互いの着地点を見つけられる。それぞれに状況や環境の違う障害児や家庭を支援するのが目的であるなら、こういう配慮をしてくれるのは当然なのかもしれないけれど、いつも感謝をしていた。そのお陰でいい思い出もたくさんできた。長女が小学校に行くようになったら、ランドセル姿を見せに行きたいと思っている。

 

そんなこともあって、療育にはまた通いたいと思っていた。

 

送迎に困る!<下>(自閉症児篇)に続きます。