いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

待機児童に困る!<中>(自閉症児篇)<子ども課に苦情の電話をしたこと>

待機児童に困る!<上>(自閉症児篇)の続きになります。

 

障害児である長女、多胎児の次女三女の保活は難航してしまった。

 

もうこの一行でお察しの通り、

 

困ったことがあった。

 

僕らにとって、長女と三女を別園にして、次女を待機児童にするという日進市役所の決定は、障害児である長女への療育や発達支援を閉ざす道であり、長女次女の別園送り迎えのときに、三歳児の次女を自宅に1人留守番させる可能性が出てきてしまうということを示している。

 

もちろん、長女の療育にしても、次女を自宅に1人で留守番させないように頑張ってみるつもりではあるけれど、日進市の決定から推測すると、日進市は、障害児の療育を諦めさせ、多子、多胎児家庭の中の1人を自宅に放置するようにと勧めているようでもある。

 

そんなことから、日進市の子ども課に問い合わせてみた。

 

「障害児や多胎児に対する配慮は一切しません」

 

ということだった。子ども課の見解はそうかもしれないが、日進市の方針としてはどうだろうか。障害児支援や多胎児支援も行なっている日進市ではどう考えているのかと思って、他の課に聞いてみた。他の課は、子ども課の決定に口を挟むことはできないにしても、他の課の考えでは、障害児や多胎児への配慮や支援はするべきだと考えているらしい。また、子ども課の決定に対しては違和感があるようだった。「お父さんが違和感を覚えるのも当然とは思いました」とある課の人は言っていた。

 

なかなか闇が深そうだった。

 

再度、子ども課に聞いてみた。障害児、多胎児、そして兄弟児への配慮は一切行わないという姿勢は変わらないが、この時は理由を述べてきた。

 

「保育園の利用に関しては就労に関するものとして、基準指数があります。障害児や多胎児などは就労に関係がないため、基準指数に入れることはできません」

 

「基準指数の話はしていません。調整指数の話をしているのです。兄弟姉妹同時入園児に1点の加点するというのは、就労に関係のない調整指数で加点がなされていますよね。それを考えれば、障害児や多胎児という日進市が現に支援をしているものに対して調整指数による加点をすることが妥当だと思いますし、調整指数にないとしても、審査するにあたってと考慮すべきものだと思いますが、いかがですか?」

 

「障害児や多胎児に一切、配慮はしません」

 

「先ほどは、合理的な理由を述べようとされていたと思いますが、調整指数について指摘すると、何ら合理的な説明ができないんですね?」

 

「書いてある通りなので!」

 

「そもそも、兄弟姉妹の同時入園の加点に関しても、二子でも三子でも1点などとは明記されておりません。解釈によっては、二子+1点、三子も同時ならさらに+1点と解釈することも可能な文章ですが、なぜ、二子も三子も+1点と解釈されたのでしょうか。このような解釈は、内閣府少子化社会対策大綱などや、日進市少子化対策の計画を見てみると、子ども課は、国や市の意図に反する解釈をされていると思いますが、いかがでしょうか?」

 

「兄弟姉妹は何人いても+1点です」

 

と、全く話にならない感じになってしまった。彼からすれば、障害児や多胎児、兄弟児、そして三子以降に対する配慮なるものは、「エコ贔屓」でしかないのだろう。平等性を揺るがすものだとして、それらに対する配慮は一切しない、ということが、彼にとっての「平等」で「公平」な行政のあり方なのだろう。

 

話は通じないと思ったが、最後に、日進市にある子ども条例について聞いてみた。特別に支援が必要とされる家庭、子どもに対しては、というものだ。この条例に対しても何ページといちいち説明しなければならなかった。

 

日進市が障害児や多胎児に対して支援を行なっていることからも、この条例の特別に支援が必要な家庭や子どもというものに、障害児や多胎児も含まれていると考えております。そのため、あなたがおっしゃっている障害児や多胎児に配慮は一切しないというのは条例違反にもなるのではないでしょうか?」

 

それに対しての返答はびっくりするものだった。

 

「特別に支援が必要な家庭って何ですか? 障害児や多胎児って書いてありませんから、障害児や多胎児に対して配慮する必要はありません」

 

このあと、僕は電話を切った。

 

なかなかな人が現れてしまった。ここまでの人は滅多にいない。日進市を擁護するわけじゃないけれども、日進市の他の課や、障害関係のところや支援関係の人たちと話しても、こんなことは言われなかった。次女の待機に対して憤ってくれたり、子ども課の「障害児や多胎児に対する配慮は一切しない」という宣言にびっくりする人だったりした。中には、協力すると言ってくれる人もいたりして、勇気づけられた。問題は、ただ1人だけ強固に障害児や多胎児に対しての配慮を反対する人がいるということで、問題のその人が、保育園の利用調整のキーパーソンであるということだ。

 

待機児童に困る!<下>(自閉症児篇)に続きます。