いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

待機児童に困る!<上>(自閉症児篇)<3人中1人が待機児童だったこと>

「障害児と兄弟児の状況」(長女5歳4ヶ月、双子3歳3ヶ月)

 

困ったことがあった。

 

僕らは名古屋市から隣の日進市というところに引っ越すことになった。名古屋市の保育園では長女の合理的配慮をめぐって数ヶ月揉めたということがあったため、引っ越しに関しては、「障害者差別解消法」などに基づいた方針を出している市に引っ越したいと思っていた。

 

引っ越しの候補に挙げていた市は、ジブリパークだけでなく、住みやすい街ランキングの上位に食い込んでいる長久手市と、こちらも住みやすい街ランキングの上位に入ったこともある日進市の二つだった。どちらの市も、「障害者差別解消法」や「障害児支援」などをやっていたということもあって、あとは交通などの利便性を優先することにして、日進市にした。

 

日進市の保育園に見学に行ってみた。どの保育園も感じが良く、障害児に対してもできる限りの合理的配慮をしてくれる、というか、僕らが求めるような簡単な合理的な配慮に対して、そんな簡単なことは普通にやりますけど? みたいな反応だった。名古屋でのエピソードを話すと逆に驚いたようだった。また、これは他の保護者の方が質問していたような保育園での保護者の負担みたいな話も、「保育園なので保護者さんに就労時間を割いてまで何かをしてもらうというのはありません」と言っていた。名古屋市では公立の保育園だとしても、保護者にいろいろとやらせるのが当たり前だったので、これも新鮮だった。幼稚園のように保育園を利用したいという保護者が多かったのは、名古屋市は保育園の数に余裕があり、年少以上に待機児童がいないということと関係あるのかもしれない。ちなみに、質問した保護者さんは、いまは名古屋の保育園に通っていて苦労しているということだった。

 

こんな経緯もあって、日進市に住むことが楽しみになった。ただ、日進市は待機児童も多いということが気になっていた。人気のある市だから、子育て世代がたくさん転居してくるのだろう。それはそれで仕方ないことでもある。

 

もしかしたら、保育園に入れないかもしれないと思っていた。そのときは幼稚園しようかなどと検討していた。

 

ちなみに、幼稚園も見学に行ってみると、素晴らしい幼稚園だった。担当の先生とお話しするときめ細やかに説明してくれるし、ちょっとした規則などもぜんぶ文書になっていた。名古屋で蔓延する暗黙のルールとは違っていた。それに幼稚園の制服姿も可愛いし、幼保無償化ということもあって、そこまで費用もかからない。とはいえ、送迎バスやら何やらをいろいろと計算すると、年間30万円くらいはかかってしまう。3人となると年間100万円程度になる。これはこれで経済的なダメージがでかい。1人なら許容範囲だけれど、3倍となるとちょっとクラクラする。それと預かり保育や長期休みの期間の問題もある。それらを考えてみると、幼稚園よりも保育園しかないかなあと思うようにもなっていた。

 

また、僕らは車を持っていない。将来的には車が必要になるとは思いながらも、この数年間で5回ほど(海外含む)引越しをしているということもあって、車はもちろん、大きな物はあまり買わないようにしてきた。また、車の運転を妻はできない。車ありきの育児にしてしまうと、僕しかできなくなってしまう。僕が出張などでいなくても、妻が保育園の送迎などもできるようにしておきたいとも思っていた。子供が3人になった時点で、車がないと送迎すら難しくなるというのは、三子以上の多子家庭あるあるだろう。うちもそろそろ車を買わないと、とか思っている。けれど、僕自身どうにも慣れない運転に気乗りがしないというのもある。それと名古屋走りが怖いというのもある。

 

そんな僕らの思惑はさておき、日進市に住むことにしたということで、日進市の保育園への利用申請をした。日進市では、障害児、多胎児、そして障害児の兄弟姉妹である俗に言う「兄弟児」への調整加点が書かれていない。しかし、日進市の方針では障害児や多胎児への支援を謳っているし、利用申請でもわざわざ障害者手帳の有無を、障害児本人だけでなく、兄弟姉妹の申請のときにも記入させられる。調整加点がないにしても、審査や何やらで考慮されるだろうと思っていた。

 

結果は、なにも考慮されなかった。

 

長女と三女の保育園は決まったけれど、別園。次女に至っては待機児童となった。

 

この結果は思った以上と言いますか、最悪、多胎児の次女、三女が待機児童になるのかもとか想定しておきながら、待機児童になってしまった最悪さは最悪の結果ではあるけれども、どこか違和感を覚える結果となっていた。違和感というか悪意すら感じた。

 

うちが多胎児のみであれば、1人が保育園で1人が待機児童という結果になったとしても、それはそれで納得がいかないながらも、まだどうにか手が打てた。1人であれば、在宅ワークしながらでも多少は見れるし、出先の仕事に連れていくにも、1人であればどうかなる。その間、もう1人は保育園にいるのであれば、まだどうにかなる。どうにかなるとはいっても、かなりきつい状況だろうけれど。

 

しかし、うちは、そこにもう1人いて、そのもう1人は自閉症児、障害児である。障害児として、長女は保育園の他にも療育センターに通ったり、発達支援のための療育にも通っている。療育センターは土曜日などもやっていることがあるけど、発達支援の療育は平日だったりする。つまり、障害児の長女への支援を考えると、待機児童が1人家にいるという状況は、長女への支援の妨げとなる。また、長女と三女が別園で、しかも、反対方向の保育園ということもあって、療育がなくても、日常的に困難な送迎が予想されてしまう。

 

待機児童に困る!<中>(自閉症児篇)に続きます。