いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

胃腸炎に困る!<下>(主夫編)<胃腸炎からミルク鍋>

腸炎に困る!<中>の続きになります。

 

三女が保育園からもらってきた胃腸炎は、次女に感染した。妻も少しお腹が痛かったり、食欲不振になったようだけれども、最もひどかったのは僕だった。高熱のため関節も痛み、頭痛もあった。長女だけが元気だった。長女はたまに「お腹が痛い」と言っていたようだけれども、本当に痛いわけではなく、他の家族が「お腹痛い」と言っているから真似しているようだった。

 

困ったことがあった。

 

腸炎でボロボロになってしまって、育児はどうにか頑張ったけれど、家事は手抜きというよりも、ほとんど何もできなかった。食器を洗ったり、洗濯機を回したり、ゴミを捨てに行く程度で、何かするたびに横にならないといけないくらいフラフラしていた。

 

そんな中で、些細なことだけれども、僕が心配していたのはほぼ一週間分の食材が余っていることだった。特に牛乳が大量に余っていた。

 

子どもたちの寝かしつけを終えて、リビングで寝転びながら牛乳を使うレシピを調べていた。妻が帰ってきた。

 

「牛乳鍋を作ろうと思う」

 

腸炎で大変だったというのは書いた通りで、とてもつらかったという話でしかない。しかしいいこともたくさんあった。

 

長女が障害児ということもあって、我が家の育児はどうしても長女が優先されてしまう。次女三女はまだ小さいのに僕が2人に割いている時間は少なくなっている。とくに双子ということもあって、1人1人と向き合う時間が少ないというのは常々気になっていることでもあった。

 

腸炎に時間差で感染することで、幸か不幸か、僕は次女、三女とそれぞれ2人っきりで過ごす時間ができた。次女だけを抱っこしたり、三女だけと横になったりすることはあまりなかったし、生意気盛りの三歳児に苛立つことも多かったけれど、病気で甘えてくる三歳児はなんとも可愛らしく、天使のようだなあとか思ったりもした。1人1人を抱きしめている時間が多く取れた。辛かったけれど、幸せでもあった。

 

また長女は1人だけ元気というのもあったけれど、僕や次女三女の世話を一生懸命にしていた。お気に入りのおもちゃを貸してあげたり、食事のときに食べこぼしなどで散らかった机や床を掃除してくれたりするようになっていた。長女の頼もしさや成長を見る事ができた。

 

そして妻にも日頃思っていた些細な不満なんかも言うことができた。僕が弱っていたというのもあるけれど、妻も大変だと思うからなかなか言えないでいたことが言えて、仲良くなった気もする。

 

最後の発見は、ミルク鍋、牛乳鍋だった。というとちょっとおかしいけれど、僕は牛乳で鍋物を作ると言うことを考えたことがなった。カレーに入れたりすることはあっても、牛乳にコンソメ、そして白菜というシンプルな鍋のことなんて頭の中にチラとも浮かんだことがなかった。

 

その後、うちでは毎日のようにあの手この手の牛乳鍋が続いた。トマトジュースと合わせてもおいしい。牛乳鍋は体が温まるようで、寝るときにもポカポカしている気がする。牛乳鍋との出会いは胃腸炎がなければなかったかもしれない。問題はまだある。おでんを作ろうとおでんネタも買っていたので、おでんを牛乳でやるかどうかという問題だ。さすがにおでんを牛乳で作るのはどうかと思うという心の声が聞こえるけれど、もしかしたら、ミルクおでんというのはすでにあるものかもしれない。どうしよう。

 

腸炎はとてもつらい。けれど、これはこれでいいこともある。とはいえ、胃腸炎の蔓延は避けたい。

 

そういえば、胃腸炎も治ってきて、子供たちを保育園に送迎していると、保育士さんに心配された。どうやら、長女が僕の症状を逐一話しているようだった。なぜか、お尻を怪我したことになっていたらしい。「お尻が痛いんだよ」と長女が言っていた。僕が保育園に顔出さなかったのは、「痔」なのでは?と思われているような気もした。痔は大変だし、痔を差別するわけじゃないけれど、僕は痔じゃない。確かにお尻も痛かった。でも、それは体調が悪かったからなのか、お尻に吹き出物ができてしまって、ちょっと痛いというのがあったのは事実だ。事実だとしても、お尻の吹き出物で身動き取れなくなっていたわけじゃない。

 

「いや、お尻も吹き出物ができて痛かったというのはありますが、寝込んでいたのは、胃腸炎で熱が39度ほど出てしまったからなんです。」

 

と言い訳みたいなことを言ってしまった。もちろん、吹き出物だって辛いこともあるだろうし、巨大な吹き出物だったら手術だって必要だ。それに痔にしても大変な場合は身動き取れなくなるかもしれない。でも、胃腸炎の高熱で寝込んでいたのが、お尻が痛くて寝込んでいたと思われてしまうことを訂正したいと思ってしまった。

 

たしかに、吹き出物のせいで、便座に座るのも痛かったけれども。