いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

地域に困る!<上>(ボストン篇)<どんな地域に住むのがいいのだろう?>

「どんな地域がいいのかは、やっぱり人それぞれだと思う」(長女16ヶ月)

 

困ったことがあった。

 

土地勘のない場所に引っ越すのはとても難しい。育った街であればどの辺が便利なのか、どんな雰囲気なのかは分かるし、仕事をするようになったり、別の地域で暮らすようになれば、東京なら東京のさまざまな地域の雰囲気や便利、不便なども分かるようにもなる。

 

僕は住む場所を相談されることが多い。東京であればいろんな場所に住んだし、いろんな場所で仕事もしたというのもあるから、東京の東側から西側まで、どんな感じなのかなどは一通り説明できる。もちろん、全く馴染みのない場所もあるから、どこでもというわけでもない。相談してくる人の条件を満たすような場所の候補をいくつか挙げることができるというくらいだ。なんだか不動産屋さんみたい。

 

いまは名古屋に住んで二年になる。全く馴染みのなかった名古屋だけれども、なんとなく名古屋のこのあたりの感じはこうだとか、あのあたりが良さそうだとかは説明できるような気がしている。自転車で走っていると、街並みというか街の雰囲気が変わる瞬間がある。それは区境のこともあれば、そうじゃないこともある。何度もその地域に通うとなんとなくの雰囲気が分かる程度のことだったりもする。

 

もし東京から名古屋に転勤してくる人がいるとすれば、薦める地域はいくつかある。そして絶対に住まない方がいい、という地域もある。また逆に、東京に引っ越すという人がいれば、おすすめしたい地域もある。

 

しかし、おすすめの場所なんてのは、住む人の個性や、家族構成によっても変わるものだ。

 

乱暴なことを言ってしまうと、男性の独り者だったら、だいたいどこに住んだって一緒な気もする。電車を使うか、自転車が好きか、車なのか、気にするのは交通手段くらいでもいいかもしれない。

 

僕が独り者のときは、どこでもよかった。駅から20分歩いても平気だったし、繁華街の雑居ビルみたいなところでも平気だった、治安が悪くても、翌朝になれば吐瀉物が散見されるようなところでも、なんでもよかった。ちょっとやだったのは、家畜小屋の横に住んだときくらいで、夏場の臭いがきつかったということくらい。あの臭いだって好きな人は好きかもしれない。

 

そんな感じで、男の独り者はどこでもいいんじゃないかと思う。そんなだから、どこかの馴染みのない地域に住もうとしたときに、男性の独り者の意見はあまり当てにならない。多くの独り者は住めば都だ。自治体と関係することもなく、行政とやりとりすることもない、保育園や小学校とも関係ないのだから、他の保護者たちがどんな人かなんて関係ない。隣人がやべえ奴かどうかくらい。しかも、本人がやべえ奴かもしれない。

 

18歳ではじめて一人暮らししたとき、一人暮らしの気ままさが気に入って、駅から徒歩20分だとかそんなことも気にならずにいた。隣の兄ちゃんはちょっと夜の雰囲気がある人だったけれども、いい人で、18歳の僕に菓子パンやらジュースを恵んでくれる人だった。ある日、隣の人のドアに「金返せ」みたいな張り紙がたくさんあった。漫画みたいだと思った。翌日かその翌日あたりに、隣のドアが開けっぱなしになっていて、部屋の中が見えたのでちょっと覗いてみると、ガランとして誰もいなかった。次に引っ越してきたのは、音楽をやっている人なのか、夜中でも音楽が鳴っていた。テレビの音量も大きくて、アニメとかドラマのセリフも聞こえてきた。夜逃げの兄ちゃんの方がよかった。

 

男の独り身なんて、結局、隣の人がどんな人かで良し悪しが決まるし、その隣の人との相性でどんな人でもいい人になる。

 

ボストンでどんな地域に住むのかという話の枕が長くなってしまいました。ということで、地域に困る!<中>(ボストン篇)に続きます。