「壁際に物を置いてはならないのか?」
困ったことがあった。
ブーツや鞄に白カビが繁殖してしまったことを前に書いた。それから一週間か、もう少し経っているけれど、まだカビに悩まされている。
ブーツに白カビが発生してしまった部屋は北側の部屋。我が家には北側の部屋が2部屋あって、角部屋は子供部屋になっている。子供の部屋には箪笥や棚などの収納は置いていないが、押し入れが一つある。
子供部屋は、帰国時に東京で買って、そのまま名古屋にもってきたダイキンのエアコンがある。そこそこいいやつで、0.5度の幅で温度の調整もできる。それに子供のために加湿機能付き空気清浄機もダイキンのいいやつを一緒に買ったというのもあって、子供部屋はダイキンで管理されているようなものだ。何回か子供たちの寝かしつけのときに、僕も一緒に寝てしまったことがあるけれど、夏でも冬でも我が家で一番寝心地がいいのは、この子供部屋、もはやダイキン部屋である。
そんなダイキン部屋は、北側の部屋で、しかも角部屋。二面が外壁になっていて、この古い建物のため断熱性能なども低いから、冬はとても寒くなる。ダイキンで管理している部屋とはいえ結露が大量に出る。毎日、窓を結露用のタンク付きのスクレイパーでとっているけれど、タンクいっぱいに水が貯まる。
しかし、この部屋でカビは発生していない。押し入れを見てみても、カビはなさそうだった。
カビ問題は、子供部屋の隣の妻の仕事部屋兼クローゼットルームになっている部屋だった。この部屋は出窓もあるし、結露もひどい。エアコンは東京に住み始めたときにダイキンのエアコンを買ったはいいけど、部屋のエアコン設置部分の高さが合わず、ダイキンのエアコンがつけられなかったため、日立のエアコンに交換したのを引き続き名古屋でもつけて使っている。ただ、この部屋はネット状況があまりよくなく、また出窓が寒いというのもあって、冬場に妻が使うことはほとんどない。エアコンも使わないし、空気清浄機もない。
カビが発生しているのは主に、この妻の仕事部屋だった。
ブーツの白カビに始まり、鞄にも白カビがあった。防寒用のウールキャップの内側にも白カビがあり、無印の衣類棚を使っているけれども引き出し用に使っている帆布にもカビが発生していた。このカビの除去を1日かけておこなった。
もうカビはないかに思えた。
昨年買ってあまり出番がなかった内側がブランケットになっているデニムの上着を着てみようと思ったら、カビ臭かった。袖を見ると汚れたようになっている。これはカビだとピンときた。
衣類用ブラシにカビ対策用のアルコール除菌スプレーを吹きかけてブラッシングした。根が深くなかったので、簡単にカビはとれた。念の為、季節の終わりにクリーニングに出さなければならない。
衣類の総点検をすることになった。僕のお気に入りも妻のお気に入りも無事だった。防カビ防虫用のカバーをかけていたからというのもあるかもしれない。
また普段よく使っているようなものも大丈夫だった。僕はわりとマメなので、上着の類は定期的にブラッシングしていたからかもしれない。
僕らが住んでいるUR住宅は、外壁側だとしても居室以外のところは外壁のコンクリートとの間に何も入っていない。そのため、たとえば台所の外壁側などは壁を叩けばコンクリートの感触がある。他にもリビングとつながった1畳ほどの室内バルコニーも居室ではないということで壁は外壁のコンクリートになっている。リビングと室内バルコニーを仕切るものはなにもないのに、そこの部分は居室ではないということで外壁のコンクリートにクロスを直張している。杓子定規とはこのことだ。
このことは何度も書いたからあれだけれども、冬になるとコンクリートとクロスの間に結露が溜まり床に水溜りができてしまうということを改善してもらうことになって、その二箇所にはボード板が貼られる工事が無償で行われた。ついでに防カビの処理もしてもらえた。アルミが大量に使われたサッシを交換することはできないから、これはもう毎日、結露を拭き取る作業をしなくてはならないけれど、それは仕方ないことと諦めた。引っ越しを決めた原因の一つでもある。
昨年の冬に、この部屋の大きな問題は解決したかに思えていた。
しかし、今年も、思わぬところから部屋の不具合に悩まされたというのが、今回のカビ騒動だ。
少し長くなってしまったので、壁際に困る!<下>(主夫篇)に続きます。