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家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

虐待保育に困る!<中>(自閉症児篇)<そもそも虐待だとは思っていない>

虐待保育の報道を見ながら、昨年の長女と保育園のことを思い出していた。虐待とはどんなものが虐待となるのだろうか。また虐待をしている人に虐待という認識はあるのだろうか。そんなことを思いながらニュースを見ていた。

 

虐待保育に困る!<上>(自閉症児篇)の続きになります。

 

困ったことがあった。

 

虐待をしているという話をしても通じなかった。虐待だと思っていないのだ。

 

保育園からすれば、園全体のフォローをしている加配担当が他の学年が上のクラスの面倒を見ているから、そこに長女1人を混ぜているだけだし、長女のオムツがパンパンなのは、「おしっこした?」「オムツ換える?」と長女に言葉で聞いても返事ないからほっておいただけだし、言語認識の発達が遅れているにしても、言葉を覚えさせるために言葉で叱っただけだ。

 

園の理由はこんな感じだ。

 

そして、僕は、保育園のしおりに書いてあった保育園への苦情相談先にあった社会福祉協議会に相談した。一週間ほど返事を待っていると、返答は、「園長と話し合ってください」というものだった。

 

区役所には発達相談や就学相談をしてくれる保健士さんがいる。その方にも相談してみると、保育園での保育実態を調査するということだった。抜き打ちの調査というわけにはいかないらしく、なぜか8月のお盆の時期に調査をしたそうだ。園長から指定されたのがお盆の時期で、僕らはお盆にも仕事があるので子どもたちを預けていた。お盆の時期というのは、登園している園児が少ない。そのため一つか二つのクラスで集団保育がなされている。普段とは違う状態だ。普段とは違う保育の実態を調査した保健士さんは、「集団保育でしたが、保育士の数も足りていましたし、園児が放置されているようなことはありませんでした」という報告を受けた。「お盆の時期なので通常の保育とは違いますよね。それで実態調査になるんですか?」と聞いたら、「そう言われればそうですね」と言われて、そのままだった。なんかおかしい。

 

市役所にも相談した、市議にも、いろいろなところに相談した。「園長と話し合ってください」というものだった。

 

そして新聞社にもメールしたら、取材申し込みがあったので記者と話したら、「転園したら?」ということだった。

 

僕の頭がおかしいのかと思った。僕はモンペってやつかもしれないと思ったし、きっと、モンペだと思われているんだろう。

 

園長から手紙みたいなものをもらった。言った言わないのやりとりがいやだったので、僕へのやりとりは電話ではなく、書面にして欲しいとお願いしていたからだった。そこには、やっぱり名古屋市子ども条例による合理的配慮のことしか書いていなかった。どの子供も特別扱いしない、平等にすることというやつだ。その条例には文句はない。当たり前の条例だと思う。権力者や金持ちの子供が優遇されたり、その逆の子供が差別されないように平等にするというのは、それはいいし、僕が要求しているのはエコ贔屓をしろというものではない。ただ、障害児に対する合理的配慮のことを僕は言っているのだけれども、それが全く通じない。そんな手紙を受け取った次の日のお迎え時に園長が待ち構えていて、他の保護者や園児いる中で話をすることになった。あまりに話が通じないので、もう勘弁して欲しいと声を荒げてしまった。

 

これも後の話だけれども、僕が声を荒げてしまったことを、一部の保護者はモンペだと認定したらしい。

 

「園長先生が怒鳴られていてかわいそうだった。子ども(5歳)も園長先生がかわいそうだと言っていた」という意見が保護者から寄せられていた。

 

先日話題になった虐待保育の保育園の保護者の中にも同じような意見を言っている人がいた。虐待を受けている保護者からすれば、なぜわざわざ虐待を行い、それを是正しないままだった保育園や園長、保育士を庇うような言動をするのか理解に苦しむだろう。

 

うちも、もし長女が定型発達だったら、何事もなく普通に園を利用していただろう。定型発達を前提とした保育に不満もなく、不便も感じなかったろう。保育士や園長先生の振る舞いにも満足をしていただろう。子ども条例による「子どもはみんな一緒」というスローガンに疑問も持たず、平等であることを重視しただろう。名古屋市の不備のある統合保育にしても、定型発達側からすればその不備に気がつくこともないのだから、統合保育のすばらしい理念を誇らしく思ったかもしれない。

 

虐待保育が表沙汰になったにも関わらず、それを擁護する保護者がいるのだから、表沙汰にもなっていない状態だとどうなるのか。ただただ他の保護者たちから白い目で見られるだけだ。

 

長女の問題は、その後、さまざまな機関に相談して、どうにか解決した。保育園の利害関係から遠く離れれば離れるだけ、保育園に問題があると、僕の意見に賛同してくれる人が増えていた。市からも県からも出て、国に働きかけた。各省庁の人たちには感謝ばかりだ。名古屋の場合は政令指定都市だから、県などに働きかけても動いてくれない。名古屋市と愛知県が仲悪いというのもある。そんなときは迷わず国だ。でも、各省庁も政令指定都市に注意、指導することはできないという問題もある。

 

虐待保育に困る!<下>(自閉症児篇)に続きます。