いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

ST(言語療法)に困る!<下>(自閉症児篇)<STも療育も合う合わないというのがある>

ST(言語療法)に困る!<上>(自閉症児篇)の続きなります。

 

長女の言語認識が成長してきたこともあって、いろいろと長女の気持ちや考えが聞けるようになってきました。発語まで時間がかかった長女の言葉をできるだけ尊重したいと思ってしまいます。でも、それはそれで、どうしたらいいのかと思うことの多い日々です。

 

困ったことがあった。

 

そういえば、3歳の頃に通っていた療育の一つもとても嫌がったことがあった。そのときは言葉がまだ言えなかった。療育の前まで行くと激しく泣いてしまって「やだー」と泣き叫んでしまって受付で引き返すことになった。入り口で激しく抵抗したのは初めてだったけれども、その療育で長女はいつも泣いていた。

 

考えてみれば、その療育にも、僕はちょっと違和感を感じていた。入口で激しく泣いている長女に「大丈夫?」と言いながらスタッフの方がぞろぞろと集まってしまって、余計に長女はパニックになってしまって、癇癪がひどくなってしまった。発達障害自閉症児にとって逆効果になるのになあ、とその時も思っていた。そこは、ちょっとクセの強い療育で、子供に合わせるというよりも、施設の方針に合わせるというタイプの療育だった。それが子供の社会性を伸ばすことに繋がるという考えなのは分かるけれども、3歳の長女には難しかった。

 

その療育に通うのはやめて、その後、別の療育に通うことになった。新しい療育は、一人ひとりの子供の状態や状況に合わせながら、集団性や社会性を身につけさせるというところで、楽しそうなイベントもあれば、買い物に行ったり、疲れすぎていないか様子を見ながら活動と休息をとってくれている。長女はたまに疲れて行きたくないということもあるけれども、その療育から帰ってくると、いつも上機嫌だ。ここのスタッフとはノートや送迎時の会話などをしていても、違和感を感じることはない。長女について一緒に考えてくれている頼もしいスタッフたちだ。

 

もう一つ別に通っている療育は長女が好きな芸術系の療育で、毎月目標を決めながら、楽しく過ごしている。そういえば、この療育でも長女が4歳5ヶ月くらいから、長女の言語能力が伸びていると言われた。

 

STや児童発達センター、療育に行った方がいいか悪いかということでいえば、行った方がいいと僕は思っている。もちろん子供のためというのが第一だけれども、子供を育てている親のためにも行った方がいい。さまざまな相談もできるし、育児の方向性を考える上でも参考になる。

 

しかし、子供にしても、親にしても、相性というのもあると思う。

 

長女や僕らが気に入っている療育も他の方には合わないかもしれないし、僕らが合わないところが合う人もいるだろう。療育の施設が少なくて選べない人もいるだろうから、いくつも選べるというだけで、恵まれている環境なのかもしれないからちょっと言いにくいことでもあるんだけれど、合う合わないは大事なことだと思う。

 

言語の遅れがある子供から、合う合わないという子供の気持ちを聞き出すことも大変だ。名古屋に来て最初に通った療育は、長女から何度も行きたくないサインは出ていたのに、結局、入口で激しく泣き叫ぶ事態になるまで、僕は長女の拒絶の意志に気がつかなかった。自閉症や軽度知的障害の子のサインを読み取るのはなかなか難しい。

 

STに関しては、激しい拒絶が出る前に、長女から、「言葉」で拒絶の意思が伝えられた。STはそんなに長い時間でもないというのもあって、長女としては嫌でも我慢していたということかもしれない。それに、長女から嫌と言われてしまえば、僕にしても妻にしても、長女が通っているSTの言語療法士を信頼しているわけでもなかったので、無理に行く必要もないように思った。

 

長女の担当の言語療法士と何が合わなかったかというと、まずは、専門知識の少なさというのがある。僕らも専門家じゃないけど、言語療法士さんには何人か会っている。そのため、今の担当の方が言うことが、ちょっとズレているようにも思えてしまう。もちろん、仕事なのだから経験差などもあるだろうし、それだけで、その言語療法士を信頼しないというのはよくないのかもしれない。ただ、そんな感じなのに、とても冷たい感じで、突き放すような感じがするのが苦手だった。

 

これは僕の思い込みを含めた話だけど、仕事を仕事と割り切って、クールに仕事をするのは一向に構わない、だけど、そういう態度で仕事をする人は、実はすごい人みたいな人であって欲しい、コミュニケーションが下手なだけで、膨大な専門知識があるとか、そんな人であれば、一見冷たいようでも、この人すげえ、でも、子供相手なんだからもう少し優しくしてね、みたいに思いながらも信頼できたと思う。こんなことを思うのは、ドラマとか漫画の影響かもしれない。

 

専門家としての信頼もなく、優しさも、情熱も感じない、ただ、長女に対して、一つの業務をこなすように淡々と処理し、僕らに対しても、とくに相談に乗ってくれるわけでもなく、また次回、みたいに終わってしまう。僕らは僕らで泣いている長女をあやしたりしているから、ロクに話せる状態じゃないこともあるんだけれども、そのままサヨウナラになる。

 

これまで会った言語療法士にはいないタイプだった。

 

そんなこんなで、長女も「STに行きたくない」、僕らも担当の言語療法士が信頼できないということで、STに行かなくなってしまった。予約の仕方もちょっとやりにくい。

 

このままでいいのだろうか、とちょっと悩んでいるところです。