いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

申請書に困る!<下>(主夫編)<名古屋市から一歩出るだけで、役所の対応はまるで違う>

申請書に困る!<上>(主夫編)の続きになります。

 

名古屋市から別の市に引越ために保育園利用申込書を一式まるまる出すことになった。いつもは妻が書いていたけれども、今回は僕が全部書いた。引越先の市役所はどんなところだろうかと緊張しながら自転車で向かった。

 

妻の入院という想定外な出来事が起こってしまった週。

 

困ったことがあった。

 

保育園利用申込は、市役所の中の会議室が会場になっていた。三つか四つくらいのブースに分かれて担当者がついていた。

 

「お子様は何人ですか?」と受け付けで聞かれた。受付の方は番号札を1枚持っていた。

 

「3人です。来年度5歳と3歳の双子で合わせて3人です」

 

えっ、という反応だった。番号札を3枚渡された。

 

ブースに移動して担当者と話した。感じのいい人だった。僕は何度も確認したので不備はないと思っていたけれども、やっぱり不備があった。「この欄は分かりにくいので記入漏れが多いんです」と優しくフォローしてもらった。

 

3人の書類ということもあって、担当者の方も大変そうというか、どことなく嬉しそうな感じもあった。

 

長女が軽度知的障害というのもあるので、障害者手帳なども見せて説明をした。で、加配等についてのことも聞いた。

 

「今の段階では加配制度のことなどの手続きはしなくても大丈夫ですよ」

 

名古屋市では、障害児は15:30までしか預かれない保育園もあるので、この段階で書類を書いたりしたと妻から聞いていたんですけれども」

 

えっ、とまた驚いたようだった。

 

「障害児だから15:30までしか預かれないという保育園はありません」と、これも優しい感じで教えてくれた。名古屋市とまるで違う。そもそも名古屋市の方針だと障害者差別解消法的に問題があったりうことは何度も書いた。

 

そんな対応に僕もすっかり安心してしまった。この市に引越すことにしてよかったと、まだ保育園も受かってないのに思ってしまった。

 

僕が住むことになる地域は新しく引越してくる人が多い地域らしい。そのため、保育園の枠が空いていても、点数が相当高くないと希望の園には入れない可能性があるということだった。特に、5歳児は入りにくいかもしれないということだった。

 

車もない僕らは、二つの園を希望していた。もっと希望を出せばいいのかもしれないけれども、東京のときのように送迎だけで合計3時間かかってしまうような状態はちょっときつい。それに、第一希望の園は歩いて10分くらいだからそこになったらいいとはいえ、大型保育園の第二希望だって歩いて15分くらいだ。そして第二希望の園はたぶん入れるということだった。

 

兄弟別園というのは、とにかく大変だ。先日、車置き去りの事件があったのも、うちと同じ三人姉妹で、次女のみ別園だった。ニュースなどを見ても、兄弟別園の問題に触れている専門家が1人もいなかったくらいだから、兄弟別園の問題が、問題ともされていないことに、別園の送迎でくたくたになった経験を持つものとしては、なんとも言えない社会の壁を感じてしまう。

 

遠い保育園に兄弟別園になるくらいだったら、保育園じゃなくてもいいと思うようになった。次女三女は保育園に入れそうだからそれはいいとして、問題は長女だ。軽度といえども知的障害の長女に幼稚園はちょっと難しいかもしれない。しかし、長女ももう5歳だ。昔ほど癇癪を起こしたりすることも減ってきた。1人でずっと絵を書いていることもあるし、僕が仕事しながらでも長女1人くらいならどうにかなりそうだ、職場に連れていってもいいかもしれない、とか考えている。

 

「兄弟児の点数というのは、うちはないんですよね。必要だとは思うんですけれども、まだ制度としてできてないんです。多胎児の方が大変なのも理解はしているのですけれども」

 

と担当の方が申し訳なさそうに言ってくれた。制度はなかなか変わるものじゃないけれども、そこに問題があることを知ってもらえているだけでも違うと思った。僕らのときにはできなくても、いつか改善してほしいと思う。

 

そして僕の仕事のことになった。就労証明書に書くのが難しいこともあったので、いくつか資料も用意しておいた。

 

「他の担当などに説明できるようにしたいので、詳しく聞かせていただきますね」

 

ということで、詳しくお話しすることになった。そのお話は割愛するけれども、僕の仕事内容や環境、状況を理解してくれた。後日談になるけれども、そのときに聞き忘れたことということで、担当者から電話があった。

 

申請書類は円滑に出すことができた。

 

「余裕を持ってきてくださったので助かりました。3人ともなると書き直していただくときにもたいへんなので、早めに来ていただけたので、不足書類の対応などもすぐにできると思います」

 

ということで、市役所をあとにした。感じのいい人だった。

 

その市役所はずっと感じがよかった。入り口には、「婚姻届などの記念撮影はこちらで届けを提出する前にしてください。届けを出してしまうと返却することはできません」というようなことが書いてあった。あと、名古屋にいると慣れっこになってしまっている放置自転車だけれども、その市役所の駐輪場には放置自転車が一台もなかった。名古屋市は市役所も区役所も病院すらも放置自転車が山のようにある。

 

保育園は第一希望が受かればもちろんいいけれども、大型園の第二希望には受かっていて欲しい。しかし、この新しい場所に、僕はとても希望を感じている。療育に関してはこれから調べるけれども、知り合いからのとてもいい療育があるということを教えてもらった。